『純文学を考察して文章の書きぶりを揺らしてみる実験室』の御紹介
その章の記事が読めるように記事をリンクしています。
はじめに
二ヶ月ほど、「純文学」についてもやもやと考えています。
「純文学」を書きたいからではありません。
(私の性格上向いていないもので……)
観察をして、考察したり、文章を書いてみたりと実験をしながら、より自分らしい文章になっていけたらと思っています。
第一章「改元」畠山丑雄著を拝読し「純文学あるある10」作り
「改元」畠山丑雄著を読んで、無謀にも「純文学の特徴 あるある10」を考えてみたのです。
*読書記録は後から追記しています。
畠山丑雄著「改元」を読んで、自分なりに特徴を考えてみました。これらは「文学談義」をするためではなく自己の文章の修養のために上げた項目ですので御容赦くださいませ。
❶ 登場人物は少ない
人数を絞ることで、出来事よりも感情や空気感に焦点を当てている。
❷小説の舞台となる場所、全体の動きは書かない
周辺人物にキャラを立てず、湿度や空気感で共同体を表現している。
❸ 少ない登場人物の心象風景や心情を書きあぐねる
登場人物は自分の違和感や感情をうまく言葉にできないまま揺れている。
❹ 少ない登場人物に摩擦が起こり、その関係が壊れたりする
大事件ではなく、静かな侵食のように人間関係が変質していく。
❺ ひとつの事柄について紙面を割いて書き連ねる
一見些細なものだが本人にとって気になるものを繰り返し描写して印象を
深め、テーマに迫っていく。主観の偏り具合が激しい……。
❻ 夢の話が結構事実に関係する
夢と現実の境界が曖昧になり、事実に影響していく。
❼ 当人にとっては重要な問題だが、他の人にとってはなんでもないことだったりする
水音や眠気、など「小さな違和感」が物語の核になっている。
❽ 主人公や周辺の人物は何かに悩んでいる
はっきり説明できない不安や孤独を抱えながら生きている。
❾ 周辺人物は強烈な個性をもっている
常識から少しずれた価値観を持ち、読者に不穏さを与える。
❿ 事件が起きる代わりに違和感が如実に表れる
大きな事件ではなく、「何かがおかしい」感覚が少しずつ積み重なっていく構造。
「改元」を読んだ際に、「この構造はその他の純文学にも通じるお手本になるものだ」と感じ、まとめてみました。
そしてこの「あるある10」を元にして「隣人の笑い声」という掌編小説を数本書いてみました。
第二章「秋」芥川龍之介著を拝読しオマージュとして「春」を書いてみた
「秋」という物語を「譲ったことを後悔してしまう話」として捉え、オマージュとして「春」を書いてみました。同じ主題でも、季節や視点によってどれほど印象が変わるのか、自分なりに実験してみた記録です。
第三章 烏滸乃琴様より頂いた視点からの気付き
「春」で書いた物語を「冬」の雰囲気で書いて、さらに、拙記事を読んでくださった烏滸乃 琴様より頂いた視点で試みてみました。書く前から自信はなかったのですが、やはりな展開になってしまい……。
第四章「ソリティアおじさんがいた頃」村司侑著からの気付き
この回で、現時点での「純文学とは」に対する、自分なりのイメージをもてたように思います。
「読んで」と謳っていますが、まだ読みかけなのです……。そして、すぐにはまだ読めそうにない感触を抱いています。
それは、文体の特殊性というのでしょうか。
「私が消化するまでに時間がかかる」という意味なのです。
と面倒臭い断りを付けてみました。
この物語を目にしたとき、「これは20代の血気盛んな男性が書いたのだろう」そう思ったのです。文体が、新しくて、出来事は特別なことが起きているわけではないのに、惹きつけられると思われるか、または、敬遠される可能性のある文章。
現代の純文学に選ばれた作品だなと思う「少しとんがった」存在感と同時に「ゆるゆるとした」雰囲気を感じました。
そして、途中で読むことを断念して、ひと晩おいた後、作者紹介を拝見し……
第五章「言語化するための小説思考」小川哲著を読んで
まさに今、拝読中なのですが、とても興味深いです。
拙記事では全ての章を取り上げることはせずに、その壱「文体」のこと、その弐「伏線」のこと、その参「小説の秘密」について書かせて頂きました。
私の読書が進むと、記事もゆるゆると進んで参ります。
第六章「嘘と正典」小川哲著を読んで*並行読書中
「魔術師」に見えたもの
現在、『言語化するための小説思考』と並行して、『嘘と正典』という短編集を読み進めています。
冒頭作の「魔術師」から、かなり衝撃的です。『言語化するための小説思考』で語られていた「伏線」の話が、『嘘と正典』の第一章「魔術師」を読む中で重なって見えました。そこて「魔術師は○○だ」と思ったわけです。
私の読書が進むにつれて、記事も少しずつ続いていきそうです。
第七章 掌編集
小川哲氏の作品を考察したことを反映して、掌編書いていく予定です。
自分の文章の修養のために始めた実験を記録しているだけの記事ですが、文章や創作について考えることが好きな方にも楽しんで頂けたら幸いです。
