時間の堆積
南かのんさんの音楽を聴きながらお読み頂けたら嬉しいです。
素敵な曲をありがとうございます♬
初詣の神社への道すがら
或る家の前を通る度に思い出す
この家にかつて住んでいた少年のこと
中学生の多感な時期は
授業中に教室から抜け出してしまうことがあった……
そんな時に授業のない教員は
チームで探しに行く
そして見付けた少年は
別の階の廊下にいた
男性教員が声を掛けた
するとその少年は
私を目掛けて跳び蹴りをした
でも
彼の足は私には当たらずに
その場に体ごと落ちた
私の中でその少年はしばらく
跳び蹴りをした少年のままだった
そして年月は流れた
再びその少年を見掛けたのは
自分の子供の保育園の発表会の会場
ロビーのソファに座っていた
彼も自分の子供の演技を見るために
私に気付いた彼は会釈をして
「お世話になります」
と言った
時間をかけてしか変われないものがある
時間をかけたら大抵のことは解決する
そう思えた瞬間だった
神社へと続く道を通る度に
思い出すのは父親になった彼の姿
