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【読書感想文】納富信留 訳「ソクラテスの弁明」

納富信留 訳「ソクラテスの弁明」。
この本の感想文を書こうなんぞ、私のような一介の庶民には畏れ多いことではありますが、読書記録であることをご容赦いただきたいです。
しかし、一介の庶民がこの本から何かしらを感じ取ることが、この本の意義でもあるようにも思い、僭越ながら投稿します。※この記事では一部広告を利用しています。

なお、この本を読むきっかけは「世界のエリートが学んでいる 教養書必読100冊を1冊にまとめてみた」で堂々の一冊目に紹介されていたことによります。
まさに、知の探求の最初にふさわしい一冊です。


語りかけと再読の誘い

古典中の古典としてその名を知られていますが、読む前はどこか堅苦しく、現代の私たちにはとっつきにくいのでは、というイメージを抱いていました。

しかし、それは全くの杞憂で、まるでソクラテスが時を超えて現代の私たちに直接語りかけているかのような、生きた言葉がそこにはありました。
もちろん、古代ギリシャの文脈や哲学的な深みを真に理解しようとすれば、一度読んだだけでは足りません。

ソクラテスの意図や言葉の綾をしっかりと掴むためには、何度も読み返し、熟考する必要があるでしょう。
この読みやすさと、同時に深い理解を求める再読への誘いが、この本の魅力の一つだと感じています。

知に対する謙虚な姿勢に学ぶ

最も印象に残ったことは、ソクラテスが一貫して示している「知に対する謙虚な姿勢」です。

彼は自分が知らないことを自覚していると語ります。
「知らないことを知らないと自覚している」という境地は、常に鉢巻にでも書いて頭にしばりつけておかなければならない姿勢だと強く感じました。

現代社会は情報に溢れ、あたかも全てを知り尽くしているかのような錯覚に陥りやすい時代です。
調べたら出てくる、生成AIに聞いたら教えてくれる。

しかし、ソクラテスの態度は、どれほど知識が増えようとも、常に自分自身の理解の及ばない領域があることを忘れず、学び続けることの重要性を教えてくれていると感じました。
いつでも、どんな状況でも、この謙虚さを心に留めておきたいと、この本を読んで改めて決意しました。

時代を超えた魂への配慮という課題

ソクラテスが裁判の中で繰り返し強調するのは、富や名声といった世俗的なものよりも、「魂への配慮」がいかに大切かということです。
彼は、自分自身をより善くすること、すなわち魂を磨くことこそが人間の究極の目的であると主張します。

「魂への配慮」という言葉は、現代社会に生きる私たち自身の内面的な成長や精神的な充足を追求することの重要性を指し示しているように思われます。

ソクラテスが投げかけたこの課題は、長い時を経てなお、私たちに突きつけられている喫緊の問いだと感じます。
この本は、自己の内省を深め、自身の生き方を見つめ直すこと、「哲学」することの重要性をしめしてくれました。

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