68. フフン賞
「うちの子小さな頃ね、素直で頑張り屋だったのよ」こう話すときの親の感じは二種類ある。明るく話すパターンと沈んで話すパターンだ。それは大きくなった時のその子の(親の目から見た)仕上がり具合によるのだろう。
僕は残念ながら後者のようだ。小さな頃からやることなすことうまくいかず、シニカルで頑張ることに対して冷めた見方をする人間になってしまったのは確かだ。
今日もクラスメートたちが教室で繰り広げる失敗の数々に、心の中で『フフン賞』を送り続ける。そして毎晩眠りに就く前に一日を振り返りグランプリを決めるのだ。う〜ん我ながらヤな奴だな。
ある日またクラスメートがやらかした。しかもこれは一日の終わりを待たずしてグランプリをあげたくなるレベル。うん?持ちこたえた?しかしドミノ式に困難が倒れかかってくるぞ。それを彼女は両手両足を使って撥ね返すと結果見事なポーズをキメて僕にウィンクした。僕は彼女に、そして世界にまた恋してしまった。
