29. だろう温泉
温泉はどうやったら温泉と認められるのだろうと物思いに浸かったことはないだろうか?今回はその秘密に迫ってみよう。
温泉らしきものを見つけたとして、それはまだおんせんではなくただのせんである。発見者が"あれ、これ温泉じゃね?だろ?"と日本温泉協会に申請しに行くと、そのせんはだろう温泉扱いとなる。ここでようやく代々協会会長を務める湯煙一族の末代下呂太郎の出番だ。この一族のその肌感覚のみでそれが温泉か否かが決まるのだ。
まず会長ざぶんと身を沈めしばし浸かる。湯の周囲を囲むように理事たちが立っている。静けさの後ざばーんと立ち上がった瞬間背中に妖艶とも言える大きな赤い温泉マークの痣が浮かび上がれば拍手が起こり認定資格クリア、だ。其処が正式に命名されるまでは太郎温泉(仮)となる。これが温泉誕生までの一連の流れである。
この認定法を外部に漏らすことは厳しく禁じられている、あまりにも独占的だとの世論が湧いて出てしまうからだ。
