58. 幻覚パジャマ
夢があったって現実はいつもハードだ。どんなに頑張ろうとharder they comeだ。だが挫けてる暇はない。でも、そんなこと言ったって夢(寝て見るほうの)に潜り込みたくなることもある。どうせなら素敵な夢を、と誰もが願う。結果、バッドトリップに終わることも。どちらにせよ、その夢の効果を増幅する装置、それが幻覚パジャマだ。
夢はコントロールできない?強烈な意志を持つ者なら?彼は今日も夢を掲げ街を奔走した。皆に自由を、僕をあなたを縛るすべてのものから自由に。帰りに古着屋でタイダイ染めのパジャマを見つけ、疲れた頭と体を引き摺り家路に着く。今日をやりきった彼は、買ったばかりのパジャマを着て倒れるように眠りについた。
夢の中で空を飛んでいた。自由に、これが自由だ、と叫ぶように。幻覚パジャマの効果は強く、起きて三時間は夢が続く。立ち上がった彼はベランダから真っ青な空へダイヴした。確かにその瞬間、彼の背中に羽が見えた。
