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美しいセマーに心癒された夜〜トルコ紀行(19)

雪になったこの日、日中はグリーンツアーというツアーに参加してあちこちを見て回りました。
もうひとつ宿でお願いしたのは「セマー:回旋ダービッシュダンス」というのを観に行くツアー、6時スタートなので5時にはグリーンツアーから宿まで送ってもらい、その後すぐ迎えにきてくれたタクシーでセマーを観に行きました。車で20分位でしょうか。

もともと隊商宿だったところを直して文化センターとして使うようになった場所。
15分位前に着いたので、入り口の反対側、比較的見やすい位置に席を取れました。

セマーは、物質世界のささいな出来事からスーフィーたちを引き離し、神のもとへ引き寄せる、愛と死の踊りです。また、神秘的な宇宙論とも関係があり、人間が自分たちの創造主である神との距離を縮めるため、円を描きながら天球を上昇し、唯一の存在である神のもとへ行くことを、くるくる回りながら踊る舞踊術で表現したものでもあります。旋回舞踊には、愛と苦悩の歌を奏でる、笛、打楽器、弦楽器の伴奏がつきます。
右手は神の恩恵を受けるために天に向かって伸ばし、左手は神の御業に感謝するために地に向かって伸ばして、修行僧の言葉を唱えます。そして、回転することによって、全宇宙を模倣すると共に、全ての完全性の根源へ到着することを目指します。
セマーの踊り手「セマーゼン」が身に着ける帽子は墓石、ジャケットは墓、スカートは葬式用の覆いの象徴で、ジャケットを脱ぐ行為は地上の束縛からの解放、墓からの脱出を示しています。
(中略)現在でもメヴレヴィー教団のセマーを見ることができますが、これはスーフィー教団の旋回舞踊としてではなく、民間伝承の見世物という位置づけとなっています。踊り手はあくまでも芸術家であって、宗教家ではないのです。

ターキッシュエア&トラベル「スーフィズムとは」より抜粋

ちなみに、セマーは本来神事のような位置づけですから「写真・動画撮影禁止」です。が、私達が観に行っていたのは(引用文最後の)民間伝承芸術だったこともあり、一通り終わってから「これから写真撮影などのためにもう一度踊ります。」と別枠の短い踊りを披露してくださって写真を撮ることができました。

最初に笛、琴、打楽器の演奏が始まり、やがて踊り手が黒の上着を外します。
動きの間には必ず礼が入り、お互い、あるいは周りの全てに対する敬意を感じられます。
回旋演舞に入る前、終わった後は手をこのように組み両肩に乗せます。
今回の演舞者4人のなかで一番若そうに見えたのはまだ10代半ばにみえる男の子でした。
目を閉じ右手の平を上に、左手の平を下に向け回旋が始まります。
だんだん廻る速度も早くなります。みなさんも小さい頃やったことがあると思いますが、これはかなり「ぐらぐら」になること。しかも頭を傾け目を瞑って・・・三半規管の弱い私だと吐きそうです(いや、そのまえに女性は多分踊れない)。
一人一人、微妙に踊るクセが違います。でもそれは悪いのではなく、それぞれがとても美しい。ベテランの人の安定感も、若い青年の背筋の伸びた美しさも、少年の無垢さが感じられるひたむきさも、ことばを失うそれぞれの美しさがあります。
個人的にはこの青年の踊りが一番好きだったかな。いや、セマーに好きも嫌いもないでしょうが。アーティストはちょっとしたところにそれぞれのこだわりが現れ、私の中ではこの右側の彼の踊りになにか共鳴するものがあった、ということです。
1時間弱のセマーが終わり、みんなほうっとため息をつきながら、なぜか声がヒソヒソ声になりながら会場を出てきました。右むこうの明るい部屋はお土産屋さん。その手前にホットワイン・・・かと思いきや温めた甘い葡萄ジュース?が供されていました。トルコのこういうおもてなしの文化、とてもこころが癒されます。
途中、ラクダを留め置く壁側の反対にあった部屋が解放されていて覗くことが出来ました。旅の疲れをみなさんこういうところで癒したのでしょう。敷き詰められた絨毯で、シルクロードのエリアで大事にされた絨毯の理由が分かります。その柔らかさと暖かさは旅人に大きな安らぎだったんでしょうね。
お土産屋さんでよく見るトルコのランプは、こんな風に使うとちょっと圧巻。イスラム文化圏の色と模様を重ねるアート感覚、ほんとに素晴らしい。
お隣の部屋・・・また違った雰囲気があります。綺麗だなあ。
また別の部屋にはキャラバンが訪れていた頃を絵画に現したものが飾られていました。
だいぶ今風な感じのお部屋だけれど、本来はこんな風だったのかしら。
こちらの部屋にはセマーの置物も飾られています。

お土産屋さんではセマーの絵、置物、この地方特有の美しい刺繍のはいったブーツや靴など、いろんなものがおいてありました。(値段はかなり良心的。イスタンブールのバザールで買うよりおすすめ)まぁいつもの如く私達はお土産を買うこともなかったんですが。

この後は待っていてくれたタクシーでギョレメへ。夕飯に「(この地方の名物の)テスティケバブを食べたいのだけれど、おすすめのお店があればその前で下ろしてもらえますか?」とお願いして、そこまで連れて行って貰いました。

実は初「アイラン」・・・トルコのポピュラーなヨーグルトドリンクです。ほとんど甘くなくて、気にならない程度の酸味がいろんな料理に合う感じです。

紹介されたお店は町でもかなり大きめのレストラン・・・なのだけれど、中では地元の子と思わしき子供達がごはんを食べて、中には宿題?をしている子もいたり。親御さんが働いていらっしゃるのかな。ちょっと微笑ましい。

これがテスティケバブが運ばれてきた様子。下には壺を持ち上げるとまだ炎が上がる炭が。このパンみたいなフタがついた小さい部分を横に外して、下の壺に入った煮込み料理を提供してくれます。「・・・この上のフタも、たべていいんだよね?」とヒソヒソ話しながら、フタになったパンの部分を取り外して一緒にいただきました。くどいですがトルコのパン、美味しいのよ。
こちらはラムを使ったキョフテ(トルコ風ハンバーグ)、これもかなり美味しい。
うっ、名前忘れた・・・これもトルコ名物と聞きました。たっぷりのチーズの下は、トマトソースで煮込んだ野菜とお肉。美味しくない訳がない。

いつも夕飯が早めの我が家もこの日は夕飯を終えたのが9時。明朝は 延期になった「熱気球ツアー」が開催予定なので早いのです。早く宿に戻って寝なきゃ・・・
宿まで徒歩10分もかかりません。雪は止んだけどかなり冷え込んでいる夜。
寝る前にありったけの防寒具を準備しておかなければ。


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たなかともこ@ツレヅレビト サポート戴けるのはすっごくうれしいです。自分の「書くこと」を磨く励みにします。また、私からも他の素敵な作品へのサポートとして還元させてまいります。

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