あの専門学校で得た一番大きなもの
高校卒業後、私はファッションを学ぶ学校に通った。
当時はスタイリストに憧れていた。
でも実際に学んでみると、私は服を「作ること」よりも「見ること」や「着ること」の方が好きだった。
結局、その道には進まなかった。
だから長い間、
「あの学校に行った意味はあったのかな」
と思うことがあった。
でも今なら思う。
あの学校で得た一番大きなものは、資格でも技術でもなかった。
友達との出会いだった。
なかでも、一人の友人は私の人生に大きな影響を与えてくれた。
その子は音楽にもファッションにも詳しく、たくさんのカルチャーを教えてくれた。
UKロックやフリッパーズ・ギター、サニーデイ・サービス。
ファッションブランドや雑誌の話。
今思えば、私がイギリスの音楽や文化に惹かれていった原点のひとつは、あの頃にあったのかもしれない。
もちろん、仲が良かったのは彼女だけではない。私たちは4人組でよく一緒にいた。
授業が終わるとミスタードーナツに行って、たわいもない話をした。
将来のこと。
恋愛のこと。
好きな音楽のこと。
今思えば何を話していたのか覚えていないことも多い。でも、あの時間が楽しかったことだけは覚えている。
みんな地方から集まってきていたので、在学中には私の家に遊びに来てくれたこともあった。
狭い部屋にみんなで集まって、同じ部屋で寝て、夜遅くまでおしゃべりをした。
特別なことをしたわけではない。
でも今思うと、あれはかけがえのない時間だった。
今ではみんな、それぞれの人生を歩いている。
昔のように集まることはなくなった。
たぶん、この先4人で集まることもないのだろう。
それでも時々思う。
もしあの学校に行かなかったら。
もしあの友達に出会わなかったら。
私はイギリスの音楽にあそこまで夢中にならなかったかもしれない。
留学もしなかったかもしれない。
今の私は、少し違う人生を歩いていた気がする。
学校で学んだ技術はほとんど残っていない。
スタイリストにもなれなかった。
世間から見たら「もったいない」と言われるかもしれない。
でも人生って、学んだことや就いた仕事だけが財産じゃない。
たった一人との出会いが、その後の人生を大きく変えることもある。
特に一番仲の良かった彼女には、今はもう連絡を取る方法がない。
留学や結婚、引っ越しなど、お互いの人生が変わる中で、いつの間にか連絡先も分からなくなってしまった。
だから直接伝えることはできないけれど、
あの頃たくさんの音楽やカルチャーを教えてくれてありがとう。
私の世界を広げてくれてありがとう。
あなたは覚えていないかもしれないけれど、あの出会いは私の人生に大きな影響を与えてくれました。
あの出会いが、今の私につながっています。
だから私は今、あの学校に通った意味はあったと思っている。
あの頃の友達と過ごした時間も、受けた影響も、今の私を作っている大切な一部だから。
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