"PLEASE PLEASE ME" 『ビートルズ名盤100』その2(Ⅱ-1)
デビューから2枚のヒットシングルを引っ提げて、満を持してリリースされた記念すべき本国イギリスでの1stアルバムです。ここまでの彼らの魅力が詰まってます。
アルバム曲とシングル曲の配置に工夫があると感じています。A面ラストに最新シングルの2曲、B面トップに1stシングルの2曲を配していますので、A面5曲を聴き終えてレコードをひっくり返し、B面3曲目から聴き始めれぱ、彼らの新曲10曲のアルバムとして聴くことができます。
(CDの場合も、真ん中の4曲を飛ばせば同じ状態のものが聞けます。)
この10曲が1 Dayレコーディング(たった1日でレコーディングされた)だったってことは、ここではとりあえず置いといて。(各所で語られてますので割愛です。)
この10曲の配置が、また絶妙なんです。
まずはA面、5曲目まで。
side A :
1. I Saw Her Standing There (メインVo:Paul)
2. Misery (同:John & Paul)
3. Anna (〃:John)
4. Chains (〃:George)
5. Boys (〃:Ringo)
トップはポール曲で始まって、2曲目にジョンとポールのツインボーカル曲、3曲目はジョン、4曲目はジョージ、5曲目はリンゴ。
4人が均等に、交代にボーカルを取っています。
彼らが「リードボーカル形式を取らない」と認知されているのは、1stアルバムから既にそういう作りのアルバムにしていたから、ということにもなると思います。
続いてB面。今度は3曲目から最後まで。シングル曲2曲の後は、
side B :
3. Baby It's You (メインVo:John)
4. Do You Want To Know A Secret (同:George)
5. A Taste Of Honey (〃:Paul)
6. There's A Place (〃:John & Paul)
7. Twinst And Shout (〃:John)
ジョン、ジョージ、ポールと順にリードボーカルを取り、There's A Placeでツインボーカルを聞かせたら、アルバムの最後は、A面1曲目と対をなすように、ジョンボーカルのロックンロールナンバーで締めます。全員がボーカルを取りつつも、ジョンとポールのツートップバンドであることが、ここから感じ取ることができます。
ツインボーカルの曲も、A面2曲目と、B面の最後から2曲目とに置いていて、これも対になっていて効果的です。
激ウマな配置です。
アルバム全体でみても、各面最初と最後がアップテンポでノリのいい曲なので、ロックンロールアルバムだと認知することができるという感じです。
実はけっこうスローでメロディックな曲も多いので、曲順が違えばボーカルグループとかコーラスグループみたいな印象にもなってしまうかもしれません。バラード寄りな曲ばっかりA面に選んでたら、かなり印象違うと思います。コーラスグループみたい、とか。
♪
さて、今でこそソングライターとしての彼らの才能を軸に、このアルバムや他の各アルバムも鑑賞することになりますが、デビュー時はやはり「ライブバンドである」という側面を大事に押し出したいとしていたと思います。
これまで磨いてきた極上のアンサンブルでカバー曲を聴かせる中、オリジナル曲もシングルの他に4曲を制作して、引けを取らないどころではない魅力的な演奏で披露している、という印象です。
(しかも、2枚目のシングルのレコーディングから三か月と経たないうちに制作されてます。)
ソングライティングがさらに注目されるようになったのは、B面4曲目" Do You Want To Know A Secret "が、発売後すぐに、他のシンガー(Billy J. Kramer)への提供曲になってヒットしたことも大きかったかもしれません。(この曲はアメリカと日本では、ビートルズのシングルとしても発売になりました。)
ということで、1枚目からまさに才能の塊の集団です。そして、彼らのこの先が非常に楽しみになる、そんな1枚に仕上がっていると思います。
NEXT "WITH THE BEATLES"→
<Ⅱ英公式アルバム >
