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"THE BEATLES / 1962-1966" 『ビートルズ名盤100』その15(Ⅲ-1)

1973年4月2日イギリス発売
(アメリカ同4月19日、日本5月20日)

CD『パストマスターズ』が出る前、ベスト盤と言えばこれでした。
赤盤青盤計4枚の大型ベスト盤。1973年、解散から3年後の発売でしたが、相変わらず英米日でチャートの1位とか2位とか3位とか取ってしまいます。恐ろしい。

赤盤は前期英シングル多分全曲に、この間の米シングルも織り交ぜて構成。デビュー時からノリノリだったバンドの熱さと曲作りの堪能さが存分に楽しめます。
改めてこれ、外部のライターさん、いないんですよね…。

で、すごくすっきりと前期ベスト盤みたいな顔をしてるんですけど、実はけっこう癖を感じる側面もあります。

シングル以外の選曲にはラバーソウルからがやけに多い印象です。
1965年からが、26曲中12曲も選ばれてます。

逆に翌年のリボルバーとか、アルバムからほぼ選ばれてないとかもあります。

ここで思うのは、『ドライヴマイカーと一人ぼっちのあいつは、アメリカ的には別のアルバムだった』ってことです。
上記2曲は、米盤ラバーソウルの後、1966年発売のイエスタデイアンドトゥデイに収録。ラバーソウルからは切り離されていました。

赤盤C面の最後で、" Drive My Car "から" Norwegian Wood "に繋いでるのとか、D面最初の曲が" Nowhere Man "でその後" Michelle "、" In My Life "、" Girl "と続くあたり、完全一致ではないものの、本来のRubber Soulの順番はこうだよ、というメッセージにも感じます。

Michelleは、アメリカでのシングルカット無しでグラミー最優秀楽曲にも選ばれていて、改めてこの曲が収録された英盤アルバムのオリジナル性にも触れている、そんな印象でもあります。

2023年には、追加トラックが大量に収録されました。

ここで聴ける全曲の新ミックスもなかなか凄いです。

まるでライブ演奏を目の前で聴いてるかのような臨場感です。特に1st、2ndアルバムあたりの、2chで録音されたものまで楽器毎に定位を再検討してて、この技術の進歩は素晴らしい。曲数もあるので2枚組を1枚ずつ でも楽しめるものになりました。

このミックスは、ヘッドホン、イヤホンで聴いても無理のない音を目指しているという印象でもあります。

ビートルズ音源はいわゆる『泣き別れステレオ』と呼ばれていて、左右のステレオの振り方が極端です。
これは、レコードの音をスピーカーから聴く分にはそこまで気にならない。スピーカーって、聴いてる人と正三角形を作る位置に置く、というのが鉄則です。片やヘッドホンだと耳のすぐ横です。これでは聞こえ方が違ってしまっても仕方ありません。

他にも、レコードには基本的なノイズが存在します。盤面に直接針を触れさせていますから、どう頑張っても摩擦音は出ます。この摩擦音やスクラッチ音などは、ステレオ信号を拾う部分とモノラル信号を拾う部分の両方で同時に拾っています。
スピーカーから聴けば、そうとう気を使って用意された部屋でない限り生活音も入ってきますから、そこまで"完璧な泣き別れ"とは聞こえない感じになります。
むしろステレオ音声自体がまだまだ珍しかった当時としては、このくらい極端な方が分かりやすくて良かったのではないかとも思います。
(テレビでステレオ放送が始まったのは1980年代からです。FMラジオのステレオ音楽番組も1960年代後半からみたいです。)

ジャケットも印象的です。
今でこそ「あー1stアルバムのやつね」となりますけど、当時はアメリカと日本では、アルバム『プリーズプリーズミー』は正式な形では出ていませんでした。

日本では「ステレオ!これがビートルズ」、アメリカでは" Introducing...the Beatles "または" Early Beatles "で、どれもこの写真は使っていません。なので、米日の皆さんにはこのジャケ、より新鮮に映ったんじゃないでしょうか。

そして、よく見ると、
実はその『プリーズプリーズミー』と、完全に同じものでもありません。

これ、私もかなり最近(このコラムをThreads投稿し始めてから)気づきました。
まさかと思ってました…。

<Ⅲ 公式ベストアルバム集 >

ビートルズ名盤100

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