"LOVE ME DO (/ P.S. I LOVE YOU)" 『ビートルズ名盤100』その27(Ⅴ-1)
1962年10月5日発売
ビートルズ初のシングル盤です。
ここから彼らの快進撃が始まるわけですが、この1枚だけを判断基準とすると、実はあまりロックバンドっぽくないですよね。
(というのも、この時点では世の中にはまだビートルズとしてのレコードはこれしかないので。)
AB面ともにミドルテンポの甘いラブソング。
A面なんてエレキギターすら入っていません。エレキソロもリフもなく、なんとリフとソロはジョンのハーモニカです。
B面もかなり甘々。
これ以前の彼らは革ジャンにリーゼント。そこへマネージャーとなるブライアンエプスタインの助言もあって、スーツにマッシュルームカットというスタイルに変貌を遂げます。
この手の曲のカバーでデビューしていたら、今までとのギャップでそうとう受け入れられなかったかもしれません。
オリジナルである必要があったと思います。着せられたものではなく自分たちの曲で行けてよかったなーと感じています。
ただ、アマチュアの頃から彼らが積極的にオリジナル曲を演奏していた、という記述は特に見当たりません。いろいろ理由はあったとは思いますが、ここにきていきなりこんなかっこいい、しかもちゃんと2分台とかでまとめ上げられてる曲を作れてしまうってすごいことです。
ジャケット写真はありません。当時は写真が付かないのが普通だったらしいですが、これもルックスが変わったことを正面切って伝えずに済んだからメリットになったかもしれません。
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さてこの曲、CD『ビートルズ1』に収録されるってことは1位を摂ってるってことなんですけど、これはイギリスでの出来事ではありません。(1位ではなかっただけでもちろんスマッシュヒットではありました。)
のちにアメリカでもこのカップリングでシングルが発売されて、それが1位を摂ります。
1964年4月27日アメリカ発売
前年末アメリカCapitolから出た『抱きしめたい』の大ヒットをきっかけに、VeeJayやらSwanやらTollieやらがイギリスデビューアルバム周辺の音源から出していたシングルにも火が付いて大ヒット、この勢いでさらに各社は新たなシングルを切りまくります。これはその中の一枚でTollieから。
(例の「ベスト5が全部ビートルズ」というのもCapitolからは2枚だけ、あとはVee JayとSwanとTollieでした。)
アメリカ盤はジャケありですが、写真ではなくイラストです。でもなかなかかっこいいかもしれない。
これにより『ビートルズ1』入りです。ただし、1曲目に入っているのは、正確には1位を摂った時系列としては違ってて、1位を記録したのは5月30日付だったようです。(Beatles 1のブックレットによる。)キャントバイミーラヴより後ですね。
でももちろんCDとしてはこの曲を最初にしておいてくれた方が聴いててしっくりきます。
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当時はドラムをリンゴが叩いてないバージョンが広まった、ということもよく知られています。
ロック感強めなリンゴバージョンに対して、アンディホワイトのドラムはサウンド全体を和気あいあいとグルーヴさせてると感じます。リンゴと手数などほぼ変えずにこの空気感を作り、しかもリンゴも参加させています(タンバリン)。
私思うに、アンディ版の一番のハイライトはジョンのハモニカソロ明けのシンバル"バーン!"だと思います。あの爽快な広がりのある響きがポールのベースの伸びも引き出してる感じしてて、あの曲に一番のと言っていいインパクトを与えてると思います。
アンディは、『録音される音』、『ラジオで聴かせる音』の作り方がうまかったんだと思います。まさに職人です。アメリカで1位を摂ったバージョンもこちらということになります。
それにこのアンディ参加のレコーディングの日に、B面のP.S. I Love Youも録音されていて、このカップリングにするならアンディでいきたいってジョージマーティンは考えたんじゃないかとも思えます。
リンゴがLove Me Doのドラムを叩いた日に一緒に録ったHow Do You Do Itのリンゴのドラミングは、かっこいいと思います。
現行の、2023年リミックス赤盤などではリンゴのバージョンに差し替えられたりしています。
いずれにせよ、後に米1位を取るだけの録音をデビューの時点でできていた素晴らしさ。自作自演バンドの最高の滑り出しです。
<Ⅴイギリス公式シングル >
