イスラム圏の欧米ブランドのボイコットの解説
イスラム圏の国々で欧米企業のボイコットが続いているというニュースが日本でも報道されています。ボイコットの影響が徐々に広がっているようです。
私も普段からマクドナルドやスターバックスをよく利用していますが、イスラム圏の国々でこれらの企業がボイコットされる動きが続いています。この記事では、イスラム圏の国々で起こっている欧米ブランドのボイコットとその影響について説明します。
スターバックスの影響とその戦略
私がコーヒー好きになったきっかけも、スターバックスの影響が大きかったかもしれません。そうした日本人も多いのではないかと思います。そういう意味で、私は完全にスターバックスの戦略にはまっているわけです
欧米ブランドのボイコットの原因
イスラム圏の国々で欧米のレストランやカフェをボイコットする動きがあるのは、イスラエルで続いている戦争の影響です。2023年10月にハマスがイスラエルを襲撃し、その後イスラエルがガザに進行しました。この出来事を受けて、イスラム圏の国々では欧米ブランドのボイコットが強まりました。
中東地域の予想
イランの周辺の中東諸国において、アメリカに揺さぶりをかけるような、対立を煽るような事件が今年も多数起こると私は見ています。それがどの程度の規模に発展していくのかまでは分かりませんが、バイデン政権化においては、この国際情勢の不安定化というのが続いていくものと考えています
マクドナルドのボイコット
マクドナルドに関しては、イスラエル人がオーナーというわけではありませんが、イスラエルの軍隊に無料で食事を提供したことなどからボイコットされるようになりました。このボイコットはイスラム教徒の多い国々で行われており、その標的も広がっています。
マクドナルドについては、2024年第2四半期に世界での売上が1%減少しました。マクドナルドの売上が減少したのは2020年第4四半期以来のことです。新興国の中間層の拡大によりマクドナルドの売上は増加する傾向にありますが、イスラム圏のボイコットが大きく影響したと見られます。
スターバックスのボイコット
マレーシアでは2024年第1四半期にスターバックスの売上が48%減少し、670万ドルの赤字に陥りました。改善の兆しが見えていません。中東地域では、クウェートのアルシャヤ・グループがスターバックスの経営権を持ち、13カ国で1,900店舗を展開しています。従業員19,000を雇用していますが、そのうち1,900人を解雇すると発表しています。
スターバックスは、ユダヤ系のハワード・ショルツ氏が育てた企業であり、元々ユダヤ系のイメージが強い会社です。しかし、イスラエルでの戦争が始まって以降、スターバックスの労働組合がパレスチナを支持すると表明しました。その結果、パレスチナ支持派とイスラエル支持派の両方から批判されています。スターバックスの海外部門は苦戦が続き、海外での利益は前年同期比23%減になったということです。
他の欧米企業への影響
他にも、ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、コカコーラ、モンデリーズ、ロレアル、プーマなどの欧米企業も影響を受けています。ボイコットが行われている国々は、インドネシア、パキスタン、エジプト、サウジアラビアなどです。
他の国での影響
インドネシアでは、ケンタッキーフライドチキンのフランチャイズを運営するファストフードインドネシアが2024年上半期に売上が20%減少し、3,500億ルピア、日本円で31億円余りの赤字に転落しました。スターバックスのフランチャイズを展開する企業も売上が19%減少し、501億ルピアの赤字に陥っています。
サウジアラビアでは、政府系ファンドがフランチャイズに出資しており、その売上高が40%減少しています。
パキスタンでは、政府が欧米企業のボイコットを推奨しています。
フランチャイズビジネスへの影響
イスラム圏の国々で欧米企業のボイコットが広がっており、地元企業がフランチャイズで運営するものもターゲットになっています。感情的に欧米への不信感が強まっていることが伺えます。
イスラム圏の国々で展開されている欧米のカフェやレストランのビジネスはフランチャイズ形式が多いです。そのため、ボイコットが地元企業に影響を与えることもあります。
欧米企業への影響の限定性
欧米企業に与えるダメージは限定的で、フランチャイズを展開する地元企業が苦しんでいるという現実があります。欧米のグローバル企業は、イスラム圏での売上シェアがそこまで大きくないため、影響は限定的です。しかし、欧米企業も市場関係者もこの問題を過小評価している可能性があります。
今後の見通し
これまで、マクドナルドやコカコーラなどは新興国の中間層の増加により売上が伸びる傾向がありましたが、ここにきて地政学的な問題が大きく影響してきています。欧米企業が新興国の人口増加や中間層の増加による恩恵を受けるのが難しくなるかもしれません。
今後の状況はイスラエルでの戦争の展開次第ですが、厳しい状況が続く可能性が高いです。
ご参考
観光客とデモの影響
6月後半から7月前半にかけてバルセロナではオーバーツーリズムに反対する団体が数千人規模でデモを行って観光客に水鉄砲で水を浴びせました。デモ隊が行進しながら観光客を見つけると水鉄砲で水をかけるという行為が行われ、レストランのテラス席で食事をしている観光客などが水をかけられて逃げているシーンなどがメディアで取り上げられていました。
