FOMCの結果の解説とロンドンの桜の話
2025年3月19日、アメリカの金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)が行われました。その後、金利は低下し、株式市場は上昇するという反応が見られました。今回のFOMCではFRBが保有する国債などを減らしていく量的引き締め(QT)に関しての変更があり、これも市場に影響を与えたと見られています。
この記事では、前半にFOMCの内容を説明します。後半はロンドンの桜の話をしたいと思います。
FOMCのポイント
今回の会合は、FRBが3カ月に1度、経済や物価の見通しを更新するタイミングだったため、まずはそこから見ていきたいと思います。
1. GDP成長率の見通し(下方修正)
2025年:2.1% → 1.7%
2026年:2.0% → 1.8%
2027年:1.9% → 1.8%
FRBは、今後のアメリカ経済の成長率をこれまでの予想よりもやや控えめに修正しました。
2. 物価見通し(上方修正)
2025年のコアPCEインフレーション(個人消費支出物価指数)
2.5% → 2.8%
コアPCEは、FRBが重視する物価指標の一つですが、物価の見通しは上方修正されています。つまり、インフレが以前の予想よりも収まりにくいと見ていることを示しています。また、経済成長の下方修正と物価の上方修正が同時に行われたことで、市場ではスタグフレーション(経済停滞+物価上昇)が意識されています。
FRBメンバーの金利見通し(ドットチャート)
FOMCでは、「ドットチャート」と呼ばれる、FRBの政策メンバーが今後の金利推移をどのように考えているかを示す散布図が公表されます。

今回のドットチャートによると、2025年末の政策金利見通しは4.375%で変わらずでした。パウエルFRB議長は会見で「不確実性」という言葉を強調しましたが、政策金利の見通しを変える必要がないというわけではなく、トランプ政権の関税政策などの不確実性があるため、影響が明らかになってから対応していく姿勢を示した格好です。
そういう意味では、FRBは足元のアメリカ経済に対して、そこまで大きな危機感を持っていないと言えるかもしれません。
FRBの量的引き締め(QT)に関する変更
もう1つ重要な決定が行われたのが、FRBが保有する国債や不動産担保証券(MBS)を減らしていく量的引き締め(QT)についてです。これまでQTは、償還された国債の再投資を控えることで、自然減を進める方法で行われていました。しかし、今回の決定では、国債の減額ペースを250億ドルから50億ドルに引き下げ、合計で400億ドルとしました。
月間上限:600億ドル→400億ドル
国債:250億ドル→50億ドル(引き下げ)
MBS:350億ドル→350億ドル(変わらず)
この変更の背景には、夏場にかけて控えている債務上限問題などがあり、短期金融市場が不安定化しないようにするためにQTの減額ペースを抑えたと考えられます。FRBがQTのペースを落とすということは、償還再投資が増える、つまり国債を買うということになります。
国債の需要が増加 → 金利は低下
金利の低下 → 株式市場にはポジティブ要因
その結果、FOMCの発表後に金利は低下し、株式市場は上昇するという形になりました。
ロンドンの桜と日本との関係
ここからは、少し緩い話題としてロンドンの桜について説明したいと思います。日本では地域にもよりますが、そろそろ桜の季節を迎えているところが増えてきました。
実は、ロンドンでも桜が楽しめる場所がたくさんあります。
イギリスの桜の歴史
イギリスの桜の多くは、明治時代以降に日本から持ち込まれたものです。
特に、コリングウッド・イングラムというイギリス人の園芸家が、日本の桜に魅了され、明治・大正・昭和に3回日本を訪れ、多くの品種を持ち帰りました。
大英帝国の末期に活躍した園芸家、コリングウッド・イングラム(1880~1981年)。彼は桜の魅力にとりつかれ、明治・大正時代の日本を3度訪れた。 イングラムが日本で収集した珍しい桜の数々は海を渡り、ケント州ベネンドン村の彼の自宅の庭に植樹され、120品種を超す見事な「桜園」を創った。今日、英国で多種多様な桜が見られるのは、イングラムのおかげである。
日本では、明治以降ソメイヨシノが圧倒的に人気になり、全国に植えられたため、現在では国内の桜の約7〜8割がソメイヨシノだと言われています。一方、イギリスでは、明治時代に持ち込まれた品種がそのまま残っているため、日本では珍しくなった品種も楽しめるのが特徴です。
ロンドンで桜が楽しめるスポット
ロンドンには桜が美しく咲く場所がいくつかあります。私が好きなロンドンの桜が楽しめる場所をいくつか紹介します。
セントポール大聖堂
シティから徒歩10分ほどの観光名所で、大聖堂の周りに桜が植えられています。

バタシーパーク
ロンドン南東部にある大きな公園で、湖の周りに桜が咲き誇り、お花見には最適な場所です。キューガーデン(王立植物園)
50種類以上の桜が植えられており、日本では見られなくなった品種も楽しめます。

この他、バッキンガム宮殿近くのセント・ジェームズ・パーク、スイス・コテージ、グリニッジパークなども桜の名所として知られています。この時期にロンドンを訪れる機会があれば、是非桜も楽しんでください。
ご参考(イギリスの暮らしの記事のまとめ)
■ ロンドンの現状と日本との比較(2024/6/21)
■ プレタマンジェの戦略変更と英国コーヒー業界(2024/10/8)
■ イギリスとギネスビールとSNSの話(2024/12/18)
■ 意外と知らないイギリスのクリスマスの過ごし方(2024/12/20)
■ イギリスの財政難と「ピア」入場料導入の話(2025/1/6)
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