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槐(エンジュ)|「熱帯夜」からはじめる|シロクマ文芸部

#熱帯夜 #シロクマ文芸部


「熱帯夜」前日の夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上の夜のこと。
日本気象協会が2022年から用いる呼称。
「猛暑日」2007年に予報用語として導入。最高気温が35℃以上に達した日のことを指す。
「酷暑日」2026年4月に気象庁が正式に定めた予報用語。最高気温が40℃以上に達する極めて危険な暑さの日を指す。

『気象庁HP』『Wikipedia』より引用

暑さの定義が増えていく。共通理解はできるが、解決ではない。
2056年「炎暑日」が制定された。最高気温が50℃以上に達する日をさす。
日本が、地球が暑くなり続ける。

研究者は、「生き残るのは深海に棲むものだけだ」と言う。
人類は海に還っていく計画を粛々と進めた。
深海に巨大都市の建設が予定された。
しかし、思うようには進まなかった。
まず、人工の光では精神を健やかに保つことが難しい。さらに、収容できる人員が圧倒的に少なかった。人類深海移住計画は中断された。
ただし、表向きには…。ノアの箱舟プロジェクトして極秘裏に進められているという噂があるが真偽は不明。ただの都市伝説だろう。

しかし、もう一刻の猶予も許されない。
人間そのものが、地球という環境に適応できなくなっている。
国家は、次の一手を探った。

逆転の発想だ。合わないのなら合わせるしかない。しかしながら、人間の進化がその速度に合わせることは絶望的だろう。
そこで、人間より環境の変化に柔軟だったのが植物だったのだ。さらに人の手を加え、干ばつ、暑さに強い作物が改良されていた。
植物だけは、氷河期も、永い乾季も受け入れ何億年の時間を超えてきた。

人間の意識を植物に移植させる研究がはじまった。

あわせて、倫理委員会が立ち上げられた。
「私は私なのか?」
「死はあるか?」
「植物に意志はあるか?同意は必要か?」

***

ついに、科学者本人が被験者第1号に手をあげた。そして、選ばれたのは槐(エンジュ)の木だ。

移植後、およそ30日の末、科学者の記者会見が行われる予定だ。

今日がその日だ。
物語はここからはじまる。


妄想の収集が付かず、掟破りの「つづく」的な…
「現場からは以上です」

今週も引き続き、参加させていただきました。

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