『東大教員は学術会議の法人化をどう見ているか』の衝撃
◉日本学術会議の法人化に対する、東大新聞によるメールアンケートが、話題です。隠岐さや香教授による政府批判&日本学術会議擁護が、各方面から疑義や反論をくらい、アカデミズムに対する信頼さえ揺らぎだしている中、東大教授や准教授という立場の方々が、率直な意見を寄せています。
【東大教員は学術会議の法人化をどう見ているか ②法学政治学・人文社会系・経済学・教育学研究科】東大新聞ニュース
東大には多くの日本を代表する研究者が存在し、東大教員にも日本学術会議の関係者が存在する。5月に衆議院本会議を通過した政府による日本学術会議法人化法案は、6月11日に成立に至った。東大教員は今の情勢をどう見ているか、メールでアンケートを実施した(期間:5/7〜5/26、回答人数:163人)。
ここではアンケートに寄せられた自由記述のうち、大学院法学政治学研究科・大学院人文社会系研究科・大学院経済学研究科・大学院教育学研究科の教員によるものを原文のまま掲載する。他の部局については記事末尾を参照。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、東大安田講堂の写真です。
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■統一見解のように振る舞う■
詳しくは、上記リンク先の全文を、お読みいただくとして。肯定的な意見も有れば否定的な意見も有り、また匿名から顕名まで、立場もイロイロです。全部は読み込めていませんが、ペケッターで話題になった、興味深い意見をピックアップして、ご紹介を。まずは、経済系の教授から。
・大学院経済学研究科 教授
私自身は6人の任命拒否の際などはぼんやりと問題だなとは感じていたものの、今は反対派の方々の活動の仕方や極端な言動・党派性を見て非常に疑問を感じ始め、このような人たちに勝手に「学術界の意見」を代表されるくらいであれば、政府のコントロールの方がよほどましだと感じるようになった。特に、弊学の一部教員については勝手に「東京大学教職員組合執行部有志」を名乗って勝手に組合の統一見解のように誤認されるような文章を同HPに掲載したり、Youtubeでのアジ演説のようなものを見て、この人たちや学術会議なるものの構成員というのはどういうレジティマシーがあって勝手に学術界を代表されるのか、そもそもこの組織の運営自体が極めて非民主的であり、それがゆえにこのような事態になっていると感じるようになった。米国の民主党左派の極端なDEI推進が逆向きの反動を生んでいるのに近い感じになっていることに近い感じで多くの研究者にある種のアパシーを生み出していると感じる。何故社会科学者(ではないかもしれないですが)であるのにもかからずこのようなことになぜ無自覚であり、党派的に極端な主張を前面に押し出して自分のイデオロギーを前面に出すのか理解に苦しむ。学会・研究者の世界のより多くの人の意見がきちんと集約されなにのであれば、そのような機関の独立性にどのような価値があるのだろうか。
痛烈ですね。〔特に、弊学の一部教員については勝手に「東京大学教職員組合執行部有志」を名乗って勝手に組合の統一見解のように誤認されるような文章を同HPに掲載したり、Youtubeでのアジ演説のようなものを見て、この人たちや学術会議なるものの構成員というのはどういうレジティマシーがあって勝手に学術界を代表されるのか、そもそもこの組織の運営自体が極めて非民主的であり、それがゆえにこのような事態になっていると感じるようになった。〕って、ほぼ名指しです。
でも、隠岐さや香教授の暴走を、苦々しく思っている東大教授もいるということ。ここらへんは、強制加入が義務付けられている弁護士会が、会員の許可も取らずに勝手な声明を発表する行為に対しても、所属弁護士から不満が出るようなもので。これは当然でしょう。そして、理系の代表的な分野である、工学系・理学系・数理科学研究学科の、話題になった意見は、こちら。
東大大学院工学系研究科 岡本孝司教授
学術会議は、例えばALPS処理水の問題について、何も役に立っていない。内閣府や外務省など、日本国全体で科学的な説明を行った。日本国が大変な時に、役に立たない組織は、不要である。
こちらははっきりと、ALPS処理済み水を、汚染水とことさらに悪意ある名称で呼ぶ、福島県への風評加害について、ハッキリと批判しています。岡本孝司教授は、福島第一原発事故関係でも多くコメントを求められているかたのようで、専門家の立場からすれば、無視することで風評加害に間接的に加担した日本学術会議には、厳しいのは当たり前かと。
■共産党の影響力を排除する■
そして、理系の医学系・農学生命科学研究科、大気海洋研究所の意見も。ハッキリと、共産党と日本学術会議の深い関係性を、指摘していますね。まぁ、共産党が怒って、この教授の氏名を明らかにせよとか、言い出しかねませんが。でもこれって、公然の秘密でもあります。日本の学者って、戦前は大政翼賛していたのに、戦後はくるりと手のひらを返し。
最初から戦争反対していたかのように振る舞い、左派に転向しているんですよね。住井すゑのような学者はゴロゴロいて。戦前から反対していた共産党に対して、ある種の負い目があり。共産党のシンパになったり、転向したりで、日本学術会議は、その初期から共産党の影響が強く。その利権を切り崩されたくなくて、騒いでいる面も。
・大学院農学生命科学研究科 教授
今回の政府による学術会議に対する対応は、もともと共産党の影響力が大きかった同会議を正当かつ純粋に学問を追究する組織に改める上で当然のことと考える。
こんな意見も、
東大新聞の、学術会議法人化についての東大教員コメント記事がなかなか面白い。その中で、おそらく小泉悠さんのことを指し、「東大の軍事研究禁止のルールについても、軍事専門家が正規教員として所属している事実をみれば、形骸化しています」というのも。…
— 吉永ケンジ/安全保障ジャーナリスト (@yk_seculligence) June 12, 2025
東大新聞の、学術会議法人化についての東大教員コメント記事がなかなか面白い。その中で、おそらく小泉悠さんのことを指し、「東大の軍事研究禁止のルールについても、軍事専門家が正規教員として所属している事実をみれば、形骸化しています」というのも。
実は、私も東大の軍事研究禁止でヒジョーに嫌な思いをしたこたがある。
東大院博士課程を受験したとき、事務局から「あなたは元自衛官ですが、再び自衛隊に戻ることないですか?」とメールで質問されたので、「出向ではなく、退職してますので、自らの意思で再入隊の試験を受けない限り、再入隊できません。また、その意図はありません。この質問は貴校の軍事研究禁止と関連するものですか?」と返した。
東大からの返事は「安心しました。イエス」という趣旨。この受験生の職業的な属性(それも退職済み)を問題にすることはアカハラを飛び越して、身分差別、職業差別であり、大変驚いた。
なんとか無事(?)に受験はできたが、面接では研究分野の内容だけでなく、これまた職業差別などアカハラ発言が続々と出てきて、これが象牙の塔の実態か!とホントに驚いた。
「東大、特に駒場は軍事研究に敏感。あなたの研究対象(注:韓国の政軍関係、特に防諜機関の歴史)も軍事研究に該当するので、指導できるか検討を要する」(←私の反論:政軍関係を軍事研究と言うなら東大で政治学は成り立たないのでは?)
「はっきり言うと、あなたのような職業(注意:元自衛官、公安調査官)の人が学内に入ることを好ましく思わない関係者がいる」(←日本の最高学府が職業差別するのですか? 遺憾です)
「入学したとして、構内で情報収集などしないと約束できますか」(←研究したくて受験してる。公私混同するつもりない)
もちろん、こんな感じなので実力不足もあり(←重要)不合格です。この話をリアルな知人以外に公開するのは初めてですが、アカデミア(リベラル?)の本音と建前はこんなものです。
■多様性を統一したがる理由■
𝕏(旧Twitter)で、崔碩栄氏のこんな意見を見つけました。日本の左派は、多様性とか寛容を口にするくせに、その実は全体主義者ではないかと疑うぐらいに、狭量で、党派性にどっぷり浸かり、受け売りのごとく言説が似ていることが、多いのですが。
誰もが感じてると思う🙄
— 崔碩栄 (@Che_SYoung) June 12, 2025
「政治的左派(リベラル)よりも右派(保守)の方が、意見の多様性が高い。
リベラルは「心が広い」と自負しているが、実際には非常に狭い範囲の意見に集中しており、保守派の方がさまざまな意見が見られる。… pic.twitter.com/qKFSVQPiE7
誰もが感じてると思う🙄
「政治的左派(リベラル)よりも右派(保守)の方が、意見の多様性が高い。
リベラルは「心が広い」と自負しているが、実際には非常に狭い範囲の意見に集中しており、保守派の方がさまざまな意見が見られる。
図では、青が左派、赤が右派の態度クラスタを示し、左派は意見が密集しているのに対し、右派は広く分散している」

なるほど、納得です。なぜそうなるかといえば、日本のリベラルの源流(というかリベラルという言葉も、共産主義者という立場を誤魔化すための言葉の面があります)である、共産主義思想自体がそもそも、一神教系の宗教の焼き直しですから。
それはつまり、最終的には異教徒は皆殺しにされ、同じ信徒のみの神の王国に入るという思想。多様性の統一をしたがる理由です。
■本音がダダ漏れになる教授■
そして、この件に関して、隠岐さや香教授は、案の定の反応をされています。素人探偵のごとく、プロファイリングを披露されているのですが、事実に対して誠実である理系と、都合の悪いエビデンスは隠すと嘯く社会学者様の属する文系との、根本的な差に思えます。というか、文系であっても、データに基づいた、科学的な態度を維持すべきなんですが、どうにもこの方々は、政治性が先に立ち。
東大教員の反応はある意味、予想通りです。
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) June 12, 2025
経済学・工学…学術会議に批判的(なお、人数比からして会員も少ない領域)
人文学・法学・教育学…「学問の自由」の侵害と受け止める傾向
理学…「学問の自由」に言及、ただし「政治的」と見られたくない
医学・農学・大気海洋…かなり多様 https://t.co/xLkCDEYMEC
東大教員の反応はある意味、予想通りです。
経済学・工学…学術会議に批判的(なお、人数比からして会員も少ない領域)
人文学・法学・教育学…「学問の自由」の侵害と受け止める傾向
理学…「学問の自由」に言及、ただし「政治的」と見られたくない
医学・農学・大気海洋…かなり多様
そして、いろいろと言葉を重ねているのですが、ほとんど意味はないレッテル貼りや、一人合点の分析で。でも、このポストに隠岐さや香先生の本音が、如実に現れていますね。
(なお、分野ごとの反応の違いは、これから生まれる「ネオ学術会議」の会員になりたい人となりたくない人の分布だとも思います)
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) June 12, 2025
(なお、分野ごとの反応の違いは、これから生まれる「ネオ学術会議」の会員になりたい人となりたくない人の分布だとも思います)
あ、本音が漏れちゃった? これって自白でしょ? 自分が将来は日本学術会議の正規メンバーになって、国からのお墨付きの学者という肩書きコレクションするつもりが、その当然受け取るべき権威がなくなるとキレてる人が、批判してくる他の学者に「おまえはネオ学術会議の正規メンバーになりたいから、そういう批判をするんだろ」と。自己投影の自白では?
それはもう、学者の態度ではないですね。戦後、日本国憲法に対して、明治憲法のままでいいと語った美濃部亮吉は、戦前は天皇機関説で攻撃されたわけですが。それが学者の一貫性というものでしょうに。そういう態度は、歴史の審判を受けます。野田佳彦元総理の、安倍晋三元総理へ国葬儀における、追悼の言葉を引きたいです。
「歴史の法廷に、永遠に立ち続けなければならない定め(運命)です。」
「その「答え」は、長い時間をかけて、遠い未来の歴史の審判に委ねるしかないのかもしれません。」
没後に批判どころか、既に批判されてる東大名誉教授がゴロゴロいる状況ですし。輿論の風向きが変われば、保身に走った弟子筋に、業績否定されそうです。それって、戦後にこっそり転向した学者と同じなんですが。そういう事、繰り返すんでしょうね。バカバカしい話です。
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