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カービイと読書

いまわたしは、自分の体調を真っ先に優先しなければいけない日々を過ごしている。
仕事もちょうど落ち着いてきたので、珍しく定時で帰っている。

明るいうちに帰ると、元気になる。鼻歌もでてくる。
リビングに倒れ込んで意識をなくし、12時過ぎに身体を引きずってお風呂に入っていた時期が、少しずつ遠ざかっていく。

最近、初めてカービイのゲーム(3D)をしてみた。
わたしはゲームがとにかく下手で苦手だ。小学生の頃、マリオカートでいつも最下位を走りながら泣きそうになった。
でも、カービイのゲーム体験は奇跡的に続いている。
理由はおそらく、「急かされない」ことにある。

日常生活においても、急かされると判断を誤る傾向のあるわたしなので、敵と戦ったり誰かと競争したりする場面が少ないカービイは、自分のペースで無理なく進めることができる。

カービイが、「すいこむ」の動作ができることもありがたい。
先ほども述べたように、わたしはゲームがほんとうに下手なので、万全の装備を落としたあげく、うまく付け直すことができずに機会を逃すことが多々ある。下手をすると、1分間に1回のペースで落とす。最悪の場合、そのままアイテムが消えてしまう。

でも、カービイのゲームでは、敵をすいこむとその能力を得ることができる(敵から見ればたまったものではないが)。
敵は道中でわらわら湧いてくる。つまり、いつでもやり直しのチャンスがあるということだ。

さらに、カービイには「ほおばる」という動作もある。
有名なのは自動車をほおばった姿だと思われるが、他にも階段、アーチ、自動販売機などもほおばることができる。
小さい身体めいっぱいに口をひらいて、カービイはなんでもほおばる。

わたしが一番好きなのは、水をほおばったときのカービイだ。全身が大きくまるくなり、ジャンプのたびにぷるんぷるんとふるえているのが、とてもかわいい。

今回のカービイのゲームのテーマは、ワドルディの救出である。
ワドルディはもともとカービイの敵側だった(と聞いた)のだが、近年グッズのイラストではたびたびカービイの隣に出現し、ほっぺたをくっつけ合ったりしている。
いつのまにそんなに仲良くなったんだ君たち。

今回の味方側のワドルディもいいけれど、わたしがワドルディを好きになった理由は、とても弱い敵であるという要素だ。
特に得意技もなく、カービイが吸い込んだとしても何も得られず、しかしたしかに存在しているなんかかわいいやつ。
最高のキャラクターだと思った。この子がいるから世界は平和である。

家に帰った後は、こうしてゲームを少しする以外に、電子で漫画を読んだり、紙の本を読んだりしている。
最近は電子の本もたくさん出版されているが、わたしは断然紙派だ。ただでさえ低い集中力がさらに落ちてしまう。

今読んでいるのは、柞刈湯葉「まず牛を球とします。」と、R・デミング「私立探偵マニー・ムーン」、梨木果歩「家守綺譚」の三冊だ。
三冊?と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
わたしは通勤中も本を持っていきたい派に属しているので、そのときの気分や本の厚みによって持参する本を替えている。結果、同時並行で読む本が、まったく方向性の異なる複数冊になることはよくある。

「まず牛を球とします。」は、SF味の強い短編小説で、星新一や「世にも奇妙な物語」などが好きな人は好きだと思われる。表題作のタイトルのインパクに関しては、個人的にすでに百点満点の作品。

「私立探偵マニー・ムーン」は、立ち寄った本屋で目立つ場所に平積みにされていたので、手にとった一冊。
このタイミングでどうしてここまで出版社に推されているかわからないが、最近探偵小説をあまり読んでいなかったので、新鮮な気持ちで読めている。

短編の一話目には「おれは、○○した……」のような「……」構文が時々差し込まれていたので、「翻訳の関係もあるのかもしれないけれど、今後もこの感じだときついかも」と思ってしまった。
幸い、二話以降はあまり気にならない程度だったので、さくさく読み進めている。
主人公は義足なのだがとても強く、いつも敵を圧倒している。ゲームでのアクションは苦手だが、小説では大歓迎である。

「家守綺譚」は、「西の魔女が死んだ」を書いた梨木果歩の代表作の一つである。友だちを亡くした青年が、彼の家で過ごす中で不思議な現象に次々と出遭う。
怪異というわけでもないし、ミステリーでもない。心温まる、とまとめるには、少し無気味さが残る。そんな絶妙な距離感を描いた小説で、今で三分の二読み進めた。
漫画で言うなら、波津彬子や今市子の雰囲気に似ている。他の人にもぜひ勧めたい小説である。

ちょうど最近、大谷亨「中国TikTok民俗学」という新書を読み終えた。
著者は中国でのフィールドワークの際、TikTokを活用しているらしい。
とても興味深い本だったが、著者が鳥の生き血をがんばって飲んだ場面を読んで、わたしはたぶん民俗学者にはなれないだろうと今さらながらに悟った。

こんな感じで、毎日を少しずつ生きている。次は久しぶりに写真も載せたい。




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