見出し画像

ウポポイとエスコン・フィールドの旅

 兄弟の5人でエスコン・フィールドに行くことになった。
問題は、昼間の過ごし方。試合は夜の6時からだから、昼間はどうする?
 そうしたら、一人が、せっかくだからウポポイに行ってみたいと言う。
ウポポイ? 渋くない? でも、誰も反対しない。じゃあ、そうするか。
ということで、昼はウポポイ、夜はエスコンに決まった。
 
 札幌を8時半頃出て、10時前に白老に着く。駅に降りてみたら、
一人足りない。
 えっ! と聞くと、姉貴が言う、「後ろにいた兄貴が降り損なった」
電車、降り損なうって、何? そんなことある?
でも、まあ、どうしようもない。兄貴は勝手に来い。4人でウポポイに。
 
 駅からのバスで入口のほうに歩いていくと、下の妹がやけにゆっくり歩いてくる。誘導路の壁が気に入ったと言って写真を撮っている。

いざないの回廊


 もう、ここから写真撮りだしたら、時間がいくらあっても足りないよ。
と思ったけど、こんなところから、非日常に入っていく奴もいるんだなあ。
 
 ここは、広くて、きれいで、まるでディズニーランドみたいだ。

アイヌ民族博物館の入口ロビー


エスカレーターで2階に上がると、左手の正面にポロト(大きな湖)が広がる。
今は緑一色だが、秋や冬は、また違った色できれいだろう。

ポロトがとてもきれい。


 中の展示も、ショウケースがきれいに並んで、逆に生活感がないくらい。

[
ウレシパ(私たちのくらし)のコーナー
           ここでは、「私たちのくらし」と紹介されているが、
             ウレシパには「互いに育て合う」という意味があるそうだ。

 個人的には、鮭の皮で作った靴が気に入った。
どれくらいもつのか気になるけど。
 妹が言った、「これも皮靴だね」 たしかに。

 歴史を書いてあるコーナーは字が小さくて、よほど興味のある人でないと見飛ばしてしまうだろう。でも、時の総理が、日本は単一民族だと発言したとか、アイヌ推進法ができたのが2019年だとかは分かる。
2019年? まだ、ほんの7年前のことだ。
 しかも、当然、ここには書いてないけれど、新法の内容については十分ではないという批判があるようで、これはしっかりと勉強していこうと思う。

 展示だけ見るなら、旧北海道庁舎の展示の方が内容が濃いかも知れない。旧庁舎の展示では、『銀のしずくふるふる』の朗読の声が聞ける。
 単純なリズムの繰り返しだが、こういうもんなのかと思って、そのうちに心地よくなってくる。

改装した赤れんが庁舎
シマフクロウ

 

歴史を解説するコーナー
本州の鎌倉時代の頃まで北海道では土器時代が続いていたらしい


 体験交流ホールに移って、伝統芸能を観る。朗々とした喉に聞き入る。
アイヌ語は全然分からないけど、力強さが伝わってきた。
 10人くらいで輪になって踊る姿は、やはり単純な動きの繰り返しだ。
でも、それは力強く、観ているこちらも同調してくる。

 以前、タイに行ったとき、山岳民族の踊りを観たことを想い出す。
数人で、そろって、ただ足踏みを繰り返す。それだけ。
 人は,なんで踊ったり歌ったりするのだろうと思った。世界中の、どんな民族も踊ったり歌ったりする。踊らない、歌わないという民族はいないだろう。
 神様への祈りか。神様の前で歌い、踊る。でも、神様というのも曖昧だ。八百万の神とか、多神教とかいうけれど、茫漠としている。
 少なくとも、一神教とは対照的。生きていく環境のなかで、ぎりぎり、せっぱ詰まった状況でないと、一神教にはならないだろう。一神教には、常に緊張がある。
 神様に感謝するとき、祈るとき、体が動き出す。思わず声が出る。皆で同調する。ここでは、体と心が一つになっている。
 体と心が一体になっている生活。仲間との共同生活。ここでは、まだ個人は成立していない。そして、自然との一体感。

 だが、言葉が発達してくると、ここに亀裂が生まれてくる。
アイヌの人たちには、文字はないが、もちろん言葉がある。

 そこで、次には、伝統的コタンに移って民間伝承を聞こうと思って急いだのだが、間に合わなかった。
 うーん、がっかりしていると、「アイヌの衣装を着てみたら」とスタッフさんが声をかけてくれたので、大きなチセに入ってみる。
 5人が皆、着てみて、これが一番受けた。

 いい時間になったのでレストランで昼食。僕は、10食限定のヒグマのステーキ。4人はオハウ定食。ヒグマの肉は、柔らかくて臭みもなく美味しかったけど、ヒグマを食うとは思わなかった。

ヒグマのステーキ。左上は、オハウ(汁物)の椀


 帰りは駅まで歩いて、札幌のホテルで一休みしてエスコンに。
というわけで駅でのんびりして、電車に乗ったら、また一人いない。
今度は上の妹が乗り遅れた。
 一日のうちに2度? こんなことがホントにあるんか。
 
 一人いないことをいいことに、ホテルまではタクシーで。1台に乗れるのは4人までだから。
 結局、妹とは北広島の駅で待ち合わせて、エスコン・フィールドにバスで行くと、凄い人の数。入口でファンサービスのシャツをもらい、もちろん5人ともすぐに着た(ミーハーです)。


 時間があるので、ラーメンとビールでまったり。テラスからは遠くの山並みが見えて気持ちがよい。何て山脈だろう。
 さて、そろそろということで席につくと、3階席なのでグラウンドははるか下。

 2遊間が、守備位置を、いちいちどう変えるか、ランナーのリードがどれくらいかはよく見えた。配球がどうの、なんてことは全然分からない。
 こういうところで観ていると、細かいことはいいから、とにかくホームラン打ってくれという気になる。万波がバックホームする瞬間はなかった。

 それより、隣に座った女性がオリックスファンのようで、こちらが、よし、と言うと、畜生と言っている。そして、こちらが、あちゃあと言うと、お隣は、よしと言っている。お互い、さりげなく背中を向け合っている。
ビールが進む。

 球場の中は、きらびやかで、巨大なショウで、野球はその一部という感じ。要は、皆で楽しめばいいんだろう。サッカーほど絶叫しないけど、おう、とか、うっとか言って、ビール飲んで、発散した。

 ウポポイとエスコンで、1日、2万歩くらい歩き、翌日はチェックアウトぎりぎりまでホテルでのんびりして東京に帰った。
 二度あることは三度あるで、ひそかに心配したけれど、5人とも、飛行機に無事に乗れてよかった。

翌朝、市内をジョグして撮った写真

札幌ビール園の前のトラクター
札幌市には、子ども関連の複合施設がある。ここには夜間中学もあった。
豊平館(中島公園のなか)


大通公園にある、ライラック(左の木)と吉井勇の歌碑。
「札幌の人は楽しく生きてあるらし」とある。
右の大きな木は、ハルニレかなと散歩している人が教えてくれた。

いいなと思ったら応援しよう!