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兵糧攻めとNST(栄養サポートチーム)

「現代日本で飢餓?さすがにないでしょ。」
きっと、そう思う方もいることでしょう。
実はあるんです。
今回は、戦国時代の兵糧攻めとNST(栄養サポートチーム)について
語ってみたいと思います。

はじめに

私は日本史が好きです。
特に戦国時代や幕末が好きです。
先日、NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」で本能寺の変が描かれましたね。
私は、少々(?)遅れて録画でストーリーを追いかけています。
今は三木城攻めが始まったところ。
そう!あの兵糧攻めといえばの三木城です。

兵糧攻めと飢餓とNSTってどんな関係?

まずは用語の説明から

兵糧攻め

敵の食糧補給路を断ち、兵糧を欠乏させることによって打ち負かす攻め方。食(じき)攻め。
デジタル大辞泉:小学館より引用

敵方を包囲することで、食糧補給を断ち、戦闘力を弱めた上で、
武力を使わずに降参させようとする攻め方
サライ.jpより引用

飢餓

食べ物がなくて飢えること。飢え。「ー感」

デジタル大辞泉:小学館より引用

栄養素やエネルギーが十分摂取できない状態.inanitionは飢餓や栄養不良,栄養素の吸収不良などで活力のない状態.malnutritionは,飢餓のほか,栄養素の摂取バランスの悪い状態もいい,これにはビタミン,ミネラルの吸収不良も含まれる.

栄養・生化学辞典:朝倉書店より引用

NST


栄養サポートチームの略
医師、看護師、管理栄養士、薬剤師などの多職種から成る、栄養管理を行うチームのこと。
病院に入院中の患者、施設の入所者などに対して主に活動を行う。
近年は、退院後(退所後)地域と緊密に連携し、「病院~施設~在宅」という途切れないサポート体制が求められている。

三木の干殺し、鳥取の餓え殺し

羽柴(のちの豊臣)秀吉が行った兵糧攻め。
三木城では餓死者は数千人出たともいわれ、籠城した兵士は壁土の藁(わら)を食べたという言い伝えがあります。
鳥取城では、わずか3か月で、「子は親を食し、弟は兄を食し杯しける」と記されるほど悲惨な状態となったと伝えられています。
問題は、戦いが終わった後。
秀吉は大釜で粥を炊き、餓えでふらふらになった者たちにふるまった。
そして、その者たちは粥を貪り食い、せっかく生き残ったのに死んでしまったと伝えられています。

くまりはWEBマガジン:くまりはN!S!T!「リフィーディング症候群とは?」
サライ.jpより引用・参照

リフィーディング症候群

長期絶食(飢餓)患者や高度栄養不良状態の患者に対して急激な「refeed=再栄養」により水,電解質分布の異常を引き起こす病態の総称であり,心停止を含む重篤な致命的代謝合併症のこと

くまりはWEBマガジン:くまりはN!S!T!「リフィーディング症候群とは?」より引用

現代における飢餓とリフィーディング症候群

ここまで、用語の説明をしてきて、
お気づきの人もおられるでしょう。

そうです!
兵糧攻めを生き残り、
秀吉にふるまわれた粥を食べて亡くなった人達。
それは決して毒を盛られたわけでなく、
リフィーディング症候群だったのではないかと。
そう思った方、正解です!
本当にそのように言われています。

現代日本。戦はないのに、兵糧攻め?
どうして?
何らかの理由で食事があまり食べられない状態、
しかもそれが、数週間続いている状態。

病気のせいで食欲がまったくないのかもしれないし、
転んで怪我してしまったり、倒れて動けなくなったり、
食事を作りにキッチンにいけない、
コンビニになんてもっといけない状態かもしれない。
こうやって、現代でも飢餓は起こります。

しかも、この状況をまずいと思って、
病院に行って、入院して……。
良かれと思った医者に
カテーテルを入れられ、いきなり高カロリーの点滴とか、
鼻から管を入れて、急に栄養剤をど~ん!と始められてしまったら……。

リフィーディング症候群はこうやって起こります!

医療職なら知っているんじゃないの?
そう思う方もいるかもしれません。
でも、こういうことって
あえて栄養管理について勉強しないと、
現実味を持って理解していないこともあります。

私の勉強した「摂食嚥下(せっしょくえんげ)ケア」では、
低栄養のリスクは4大リスクの1つといわれ、
常に考えておくべきと言われています。

食べるにも元気が必要。
再び食べられることに希望をつなぐには、
ひとまず、栄養をつけて元気になってもらおう。
だからといって、しかし、
今、飢餓状態の人にも、たっぷり栄養をとってもらおうなんて
単純に考えることはできません。

飢餓状態にある人に、再栄養をするときは、
慎重に、血液検査等で経過をみながら、
必要に応じて電解質の補正をしながら、
少しずつ食事(栄養、輸液)を増量していく必要があります。

おわりに

秀吉の時代には防げなかった「兵糧攻め後の悲劇」も、現代医学ではそのメカニズムが解明され、NST(栄養サポートチーム)の手によって防ぐことができるようになっています。
もし皆さんの周りで、長く食事が摂れていない方がいらしたら、急にたくさん食べさせるのではなく、まずは医療職に相談してください。歴史に学び、正しい知識を持つことが、大切な人の命を守ることにつながります。
現代の「兵糧攻め」から一人でも多くの人を救えるよう、この記事が栄養管理の大切さを知るきっかけになれば幸いです。


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