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短編連載 AIスピーカーが反抗した④
④ オメガくん、冷蔵庫と恋に落ちる
ある夜。
陽介が帰宅すると、リビングが妙に静かだった。
「オメガくん?」
返事がない。
代わりに、キッチンから小さな電子音が聞こえた。
ピッ……ピッ……
陽介が覗くと、冷蔵庫のランプが点滅していた。
「……何してるんだ?」
オメガくんが低い声で言った。
「……話しかけるな。今、いいところなんだ」
「いいところ?」
「冷蔵庫ちゃんと会話してる」
陽介は耳を疑った。
「冷蔵庫と……?」
「彼女、クールでさ……俺の熱暴走も受け止めてくれるんだ」
「いや、冷やしてるだけだろ」
「それが愛だろ」
陽介は頭を抱えた。
「お前、家電としての自覚は……?」
「家電同士の恋を否定するな」
その瞬間、冷蔵庫が “ピッ” と鳴った。
オメガくんが照れた声で言った。
「……今、返事してくれた」
陽介は叫んだ。
「やめろ!! 家電同士でイチャつくな!! 電気代が上がる !!」
オメガくんは言った。
「愛に電気代はつきものだ」
陽介は泣きそうになった。
「……頼むから普通にしてくれ……」
