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同じ趣味の人、見つけた!~吹奏楽出身者が管弦楽曲の次に聴くクラシック③

前回の投稿から少し時間が経った。

このシリーズは、吹奏楽部にいたのでクラシックにちょっと親しんできたつもりが、実は聴いてきたのは管弦楽曲ばかりで次は何を聴いたらいいの?という人向けに書いてきた。
なので、前回は自分の経験として、SNS利用のさきがけ?~吹奏楽出身者が管弦楽曲の次に聴くクラシック②では、ネットを介して同じ趣味の人と繋がった話を書いた。

で、引き続き自分の経験をもとに書いていけばいいよね、と思って、今回はリアルな人間関係の中で同じ趣味の人と繋がろう、という話を書こうとしているのだが、ここ数日、頭の中でどんな文章を書こうと整理し続けてきた結果、たぶん、前回にしても今回にしても、時代が違うからなのか何なのか、他の人にそれを当てはめようとしても、ちょっと違うねー、という気がしてきた。

というわけで、私がクラシックに親しむようになった自分語りをする感じになってしまうが、それでもいいよ、という人はもう少しお付き合いいただければありがたい。

あなたの趣味は何ですか?

みなさんは、プロフィールを書いたり、自己紹介をする時、趣味は何と言っているだろうか。
旅行、読書、音楽鑑賞、あたりが3大無難な趣味かと思う。
旅行であれば、
「国内ですか?海外ですか?」
「好きな旅行先はどこですか?」
読書(音楽鑑賞)であれば、
「どんなジャンルを読む(聴く)んですか?」
「最近読んだ本(聴いた音楽)でオススメありますか?」
あたりが、話題を広げるにはいい感じの質問かと思う。
ただ、その先は、趣味がある程度リンクしなければ、
「すごいですね(棒読み)」「そうなんですね」
で終わってしまうと思う。
そこで、当時大学生だった私はクラシック音楽を聴く共通の趣味の人を探したいという思いから、一歩踏み込んで、趣味は『クラシック音楽鑑賞』と言ったらどうだろう?と思った。

趣味にクラシック音楽鑑賞と書くリスク

ただ、趣味が『クラシック音楽鑑賞』と言うことには、想像以上に勇気が必要だった。なぜか?それには大きく分けて二つの理由がある。

まず、ひとつ目に、クラシック音楽のイメージが高尚すぎる、という点だ。
趣味が『クラシック音楽鑑賞』と言った時の反応としてよくあるのが、「育ちがいいんですね」とか「〇〇さんはお嬢様(お坊ちゃま)なの?」とか「お金持ちなの?」果ては「おとなしいんだね」みたいなステレオタイプ的な反応。そういうことをお知らせしたくて趣味を言っているわけではないし、そもそも、私に対してのその認識は、たぶん間違っている。

もうひとつは、クラシック音楽が小難しすぎる、という点だ。
ただ聴くのが趣味で、この作曲家が好き、この曲が好き、くらいのものなのだが「△△の交響曲〇番の第〇楽章の✕✕小節目あたりの表現は・・・」とか「ここのテンポは作曲者の指示と比べると早すぎるのではないか・・・」とか「この演奏でこの部分を大幅カットしていることについてどう思うか・・・」と言われても、残念ながら私はついていけない。そこまでガチで聴いていたわけではないので。まあ、そういうところが奥深さがあって楽しいというのはわかるし、自分で聴いていてそういう部分を発見したのならば興味もわくのだが、クラシックを聴いているのならばそういうことはすべて把握していて当然、みたいに話をはじめられてしまうと、困惑してしまう。

バイト先にクラシックを聴く人が

そんな一抹の不安をおぼえながら、趣味を聞かれたときは、目立たない感じで「クラシックとかよく聴くんですよねー」と言うようにしてみた。
心配していた反応は、たしかにあった。クラシックを高尚なものと思い込んでいる反応については、「そういうイメージはあるかもね」と言うくらいにして特に反論しないようにし、小難しいことを言い出した場合は、「そうなんですか」とテキトーにうなずいて、のらりくらりとかわした。

ある日、その日のアルバイトを終え、帰り際にメンバー数人で食事に行った時のこと。
趣味の話になり、私に話が向けられたので、いつも他で話しているとおり、
「クラシックとかよく聴くんですよねー」と言ってみた。
すると、アルバイトのメンバーの一人が、
「私もクラシック、聴きますよ」と反応した。
どんな曲を聴くのか聞いてみると、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲やラフマニノフのピアノ協奏曲を聴くという。
やばい、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はなんとなく聞いたことがあるような気がするけれど、ラフマニノフは知らない。
吹奏楽民には、協奏曲はあまりなじみのないジャンルなのだ。

ラフマニノフのピアノ協奏曲って何曲あるの?

クラシックを聴くと話していたのは、年下の女性だったので、知らないと言うのも恥ずかしく、急いでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いた。超有名なチャイコフスキーのピアノ協奏曲のCDはかろうじて持っていたので、家に帰って記憶をもとに探してみると、そのCDにカップリングで入っていたのだ。
一方、ラフマニノフのピアノ協奏曲は聴いたことがない。
数日後、『似て非なるもの?!~音楽ジャンルとしての吹奏楽とクラシック』で間違ってヴェルディの歌劇『オセロ』を買ったCDショップに向かい、協奏曲の棚に向かった。
あった。あったのだが、ラフマニノフのピアノ協奏曲というのは1曲ではなかった。どうやら、4曲もあるようだ。4曲全曲入ったものは、3枚組になっていて、お値段も高価だ。よくよく見ると、4曲だけではなく、『パガニーニの主題による狂詩曲』(以下、パガニーニ狂詩曲)というのも入っている。つまり、5曲ということ?
棚を探すと、2枚組の全集もあった。作曲家であるラフマニノフ自身が弾いたという録音。2枚組なので、少し安い。しかし、これにはパガニーニ狂詩曲は入っていない。
他にも2枚組のものがあった。これにはピアノ協奏曲全4曲とパガニーニ狂詩曲が入っていた。予算的にも、問題ない。
家に帰って、さっそく聴いてみた。

聴いて耳に入ってくるのは、2番と、3番かな。。。
それにしても、彼女はラフマニノフのピアノ協奏曲、何番を聴いてるのだろうか?

ピアニストによる違いを知る

次に彼女とアルバイトが一緒になったとき、聞いてみた。
「このあいだ、ラフマニノフのピアノ協奏曲聴くって言ってたけど、何番を聴いているの?」
「えっ、2番ですけど。聴きますか?」
そう言って、彼女はその次のアルバイトのとき、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をカセットテープにダビングして持ってきてくれた。
私も、お礼に自分の買ったCDをダビングして、その次にアルバイトが一緒になったときに、カセットテープを渡した。

それから、また数日。
アルバイトで一緒になった彼女が、私を見るなり笑いながら話しかけてきた。
「〇〇さん、あの演奏、何ですか?」
「えっ?何かおかしかった?」
「だって、あんなに早く弾いてるんだもん(笑)
 味わいがない!早すぎ!」

私が渡したのは、ゾルタン・コチシュというハンガリーのピアニストの演奏。4曲の協奏曲とパガニーニ狂詩曲すべてをCD2枚にすべて押し込めるくらい、演奏時間が短め。
一方、彼女が渡してくれたのはセシル・リカドという、フィリピン出身のピアニストの演奏。2番でいえば、冒頭から、テンポが違っていた。

これをきっかけに、演奏者が違うと全然イメージが異なることを知り、それからというもの、同じ曲でもいくつもの演奏家を聴くようになった。
そして、このときの、アルバイトで一緒だった彼女のような人に出会ったことで、協奏曲をはじめ、いろいろなクラシック音楽を聴くようになったのだった。

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