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寅子が来る。

キッチンで盛大にボウルを床に落とした。

しばらくして、廊下から気配がした。

寅子だ。

とてとてと、なんとなく慎重な足音で、こちらを確認しに来る。

「大丈夫だよ、ごめんごめん」

そう言うと、寅子はひとつ間を置いてから、すっと寝床に戻っていった。

問題は、そのあと。

寝床に着いてから振り返る、あの顔。

怒っているわけじゃない。

呆れているわけでもない。

強いて言うなら

「うるさいんですけど」を、声に出さずに飲み込んだ顔。

寅ちゃんは今日も元気で可愛い。

寝顔のクシャッと感が、もうたまらない。

犬バカでいい。寅子が可愛いんだから仕方ない。


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猫山福子 『いただいたチップは、寅子のおやつと健康維持に使わせていただきます。』