スーパーマーケットの店内で夫に怒鳴られた日のこと。
休日の夕方、地元のスーパーマーケット。
お客さんでにぎわう肉のコーナーで、私は必死にパックを選んでいた。
少しでも安くて、少しでもいいもの。
マイホーム購入のために貯金を頑張っていたから、食費だって馬鹿にできない。
そこへ、夫の怒鳴り声が 私に向かって飛んできた。
「俺は仕事してんだから、いい加減 イイ肉食わせろよ!!」
夫は朝から酒を飲んでいて、酒気帯びで私の買い物に付いてきていた。
だから声が大きかった。
周りが、一瞬シーンとなった。
知り合いが いたかもしれない、地元のスーパーで。
すごく恥ずかしかった。
でもそれ以上に、悔しかった。
マイホームは、二人で決めた夢なのに。
節約だって、二人で決めた約束なのに。
なんで私、公共の場で こんなに怒鳴られなきゃいけないんだろう。
なんで、こんなに恥ずかしい思いをしなきゃならないんだろう。
夫は、帰宅するなり ぐうぐうと イビキをかいて寝てしまった。
夫の分だけ奮発して買った肉を 食べもせず・・・。
後日、夫にスーパーマーケットでのエピソードを話し、なぜ人前で怒鳴ったのか聞いてみた。
「はぁ? 何のことだよ? スーパーなんて行ったっけ?」
夫は、買い物に出かけたことすら覚えていなかった。
子どもたちは まだ小さかった。
私は、遠い ド田舎からこの土地に嫁いできたから、実家に帰る選択肢もなかった。
だから、我慢した。
恥をかいたことも、
離婚することも・・・。
ずっと後になってから、知った。
「家族が我慢すること」が、アルコール依存症を助長させる要因になる、
ということを。
あの頃の私は、何も知らなかった。
ただ、必死に耐えるしか、方法がわからなかった。

