彼が直属の上司になって分かったこと
私がシンガポールに異動してから半年後だったであろうか、ドットでレポートしていた上司というか、ビジネスパートナーが代わった。彼は出身はインドだが、私よりも数年前からシンガポールに異動してきて、別のポジションを担っていた。
最初から悪い人でないとは思っていたが、時々感情的になると、ネチネチ長いメールを送ったり、わざと承認をしなかったり、一度声を荒げて文句を言われたこともある。それでも私は本質的に悪い人でないと思っていたので、正直面倒臭い所があるとは思っても、嫌な人だと認識した事はなかった。ただ、彼はそんな風なので、彼を嫌う人も多くいたし、私に対して、「よく彼と働けるね。」と面と向かって言ってくる人も社内にいた。
しかし2年近くが経ち、私はタイに異動になった。その時点で私の直属の上司は辞めてしまって、代わりがまだ決まっていなかった。タイに行って数ヶ月後、ようやく上司が決まった。なんと、シンガポールでドットのレポートラインにいた、あのインド人の彼だった。
彼が直属の上司になって分かったのは、彼は恐らく半ばわざと嫌な奴を演じているという事だ。自分でも、俺は性格悪いからなんて言っているけれど、直属の部下のためには本当によく動いてくれる。私達のキャリアを真剣に考えて、少しでもいいチャンスを与えようと根回しもしてくれるし、彼の部下達とのワークショップがあった時なんて、よくある会社のロゴ入り水筒などのパッケージと共に一人一人それぞれ違うメッセージの書かれた手紙も添えられていた。
彼が少し意地悪というか、嫌な奴を演じているのは、私には、彼は時にあえて厳しく振る舞っているように見えた。まだ30代半ばという若さでマネジメントを任され、さらにグローバル企業という環境では、必要以上になめられないようにしていたのかもしれない。けれど、本質的にいい人なのが私からしたら全く隠せていないなと思う。そこが彼の素晴らしい所だと思い、きっといつまでも連絡を取り合う上司の1人になると確信している。
