【訃報】広瀬叔功氏(南海ホークス外野手・監督)/NPB歴代2位の596盗塁

南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の黄金期を牽引したリードオフマン、広瀬叔功(ひろせ・よしのり)氏が2025年11月2日、心不全のため広島県内の病院で逝去されました。享年89。家族葬はすでに執り行われました。

1936年8月27日、広島県大野村(現・廿日市市)生まれ。右投げ右打ち。
広島県立大竹高校から1955年に南海ホークスに投手として入団後、遊撃手に転向、その俊足と巧みな走塁でパ・リーグに“機動力野球”の時代を築きました。
通算596盗塁はNPB歴代2位。1961年から5年連続で盗塁王、1963年は打率.366で首位打者を獲得し、NPB史上初の「首位打者と盗塁王」の2冠、同年には31連続盗塁成功、通算盗塁成功率.829を記録するなど、スピードと盗塁の技術でファンを魅了し、愛称「チョロ」で親しまれました。

走攻守の揃った内野手・外野手として通算2190試合に出場、2157安打、打率.282、394二塁打、88三塁打、131本塁打、1205得点。オールスターゲーム出場9回、ベストナイン(1963年-1965年)、ダイヤモンドグラブ賞(1972年)など数々の栄誉に輝き、1999年に野球殿堂入り。日本プロ野球名球会の会員として普及・育成活動にも尽力しました。

1977年をもって現役引退すると、1978–1980年に南海の監督を務め、のちに1991–1992年はダイエーの守備走塁コーチとして後進を指導。監督在任中はチーム再建に力を注ぎ、引退後も広報・解説や地域活動を通じて野球の魅力を伝え続けました。

その生涯は、俊足巧打の先駆者としての記録にとどまらず、野球の楽しさと厳しさを体現した“野球人”のロールモデルでした。
ここに故人のご功績を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします。

広瀬叔功の「記録」トリビア


31連続盗塁成功(1964年):当時NPB新記録

当時のNPB新記録で、2015年に福田秀平(福岡ソフトバンクホークス)に抜かれるまで51年間、記録保持者。現在は山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)、福田秀平に次いでNPB歴代3位。

27試合連続安打(1964年):当時パ・リーグ新記録

打率.366で首位打者を獲得した1964年に記録、現在はNPB歴代12位。

右打者でシーズン打率.366(1964年):当時NPB記録

1964年にマークした打率.366は、2008年の内川聖一(福岡ソフトバンクホークス)が.378(500打数189安打)で首位打者を獲得するまで右打者としてNPB最高記録。

「187安打で打率.299」という珍記録(1963年)

リーグ「最多安打」で「打率3割未満」という珍記録。シーズン626打数はNPB最多記録。

通算596盗塁:NPB歴代2位

1970年8月2日、対近鉄バファローズ戦(日本生命球場)でのダブルヘッダー第2試合で通算480個目の盗塁を記録し、南海の先輩、木塚忠助が保持していたNPB記録を更新。
通算596盗塁は、1977年7月6日、阪急ブレーブス対南海ホークス戦(西宮球場)で阪急ブレーブスの福本豊に抜かれるまでNPB記録(広瀬はそのとき、センターを守っていた。この年限りで現役を引退している)。

通算盗塁成功率.829:NPB歴代2位(300盗塁以上)

通算盗塁成功率.829は通算300盗塁以上の選手の中では長らくNPB歴代トップ、現在は西川遥輝(日本ハム、楽天、ヤクルト)が.838(343盗塁、66盗塁死)で歴代トップ。

シーズン盗塁成功率.957(1968年):NPB記録(30盗塁以上)

1968年に44盗塁、盗塁死2で.957。歴代2位は2016年の山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)で.938(30盗塁、2盗塁死)。

外野手のシーズン守備機会353(1963年):当時NPB記録
外野手のシーズン刺殺353(1963年):当時パ・リーグ記録

辰己涼介(楽天)に2024年に抜かれるまでそれぞれ歴代トップ。

外野手の1試合守備機会10(1971年9月19日):パ・リーグのタイ記録

22年連続シーズン盗塁(1956–1977年):NPBタイ記録

衣笠祥雄(広島カープ)と並びNPBタイ記録。

新人から22年連続シーズン盗塁(1956–1977年):NPB記録

2位は張本勲(東映・日拓・日本ハム、巨人、ロッテ)の21年連続、3位は福本豊(阪急ブレーブス)の20年連続。

ランニング本塁打通算4本:NPB歴代3位タイ

木塚忠助(南海ホークス、近鉄バファロー)、杉山悟(中日・名古屋・中日、国鉄、近鉄)の通算5本に次いで3位タイ。

オールスターMVP2度(1961年・1966年)

1961年のオールスターゲーム第1戦(中日球場)で巨人・伊藤芳明から3ラン本塁打。
1966年のオールスターゲーム第1戦(東京スタジアム)で阪神・ジーン・バッキーから3ラン本塁打。

“シーズン89試合目まで打率4割”(1964年):当時NPB記録

1989年のウォーレン・クロマティ(巨人、96試合)に抜かれるまでNPB最長記録。

5年連続盗塁王(1961–65年):NPB史上初(現在は3人)

福本豊(阪急) が 13年連続(1970–1982年)でNPB最長。赤星憲広(阪神) が5年連続(2001–2005年)で広瀬に並んだ。




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