【2026年6月25日】MLB、FA短縮・最低年俸100万ドル・クオリファイングオファー廃止を含む新労使協定案を提示

【2026年6月25日】MLB、FA短縮・最低年俸100万ドル・クオリファイングオファー廃止を含む新労使協定案を提示

 MLBは現地時間6月25日、選手会(MLBPA)との次期労使協定(CBA)交渉で、FA取得期間の短縮、最低年俸100万ドルへの引き上げ、クオリファイングオファー制度の廃止などを含む新たな提案を行った。現行CBAは2026年12月1日に期限を迎えるため、2027年シーズンを前に労使交渉の行方が大きな焦点となっている。


①FA取得条件の短縮

 今回の提案で注目されるのは、まずFA取得条件の変更だ。MLBは、オフシーズンの11月1日時点で30歳に達している選手について、FA取得に必要なサービスタイムを従来の6年から5年へ短縮する案を受け入れるとした。MLB公式によれば、この変更が適用されれば、現行CBA期間中に5年のサービスタイムを得た選手の48%が1年早くFAになっていた計算で、6月25日時点のロースターでは354選手が対象になる見込みだという。

②最低年俸の大幅引き上げ

 最低年俸についても大幅な引き上げが示された。MLB案では、2027年からサービスタイム2年以上の選手の最低年俸を78万ドルから100万ドルへ引き上げる。サービスタイム2年未満の選手についても、最低年俸90万ドルに加え、1年フルでメジャー登録日数を積めばプレアービトレーション・ボーナスプールから10万ドルが支給され、実質的に100万ドルに到達する仕組みとなる。

③クオリファイングオファー制度の廃止

 また、選手側が長く問題視してきたクオリファイングオファー制度の廃止も盛り込まれた。クオリファイングオファーは、球団がFA選手に1年契約を提示し、選手が拒否して他球団へ移籍した場合にドラフト指名権補償が発生する制度で、FA市場で一部選手の評価を抑える要因とされてきた。MLB公式は、同制度が廃止されれば、ドラフト指名権補償は1976年の導入以来初めてなくなるとしている。

サラリーキャップ制度の導入と一体案

 一方で、この提案は選手会が強く反対するサラリーキャップ制度の導入と一体で示されている。MLB側は契約年数や契約総額にも上限を設け、移籍FAの契約は原則5年まで、残留FAは6年までとする案も提示した。さらに、繰り延べ払いの禁止なども含まれており、大型契約のあり方そのものを変える内容になっている。

選手会(MLBPA)側は強い反発

 選手会側の反発は強い。MLBPAのブルース・マイヤー暫定専務理事は、今回の提案について「全体として選手報酬への悪影響が、提示されたメリットを大きく上回る」と批判。サラリーキャップの下では、最低年俸引き上げやFA短縮といった譲歩も「全体の枠の中で資金を動かすだけ」と受け止めている。

焦点は「選手の早期の報酬改善」と「市場自由度の制限」

 FA取得の早期化、最低年俸100万ドル、クオリファイングオファー廃止という項目だけを見れば、選手側にとって前進に見える。しかし、その土台にサラリーキャップと契約制限が置かれている以上、選手会が簡単に受け入れる可能性は低い。2027年シーズンを前に、MLBの労使交渉は「選手の早期報酬改善」と「市場自由度の制限」という二つの論点が正面からぶつかる局面に入った。

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