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安部公房『名もなき夜のために』読了(安部公房全集第一巻より)

全集第一巻最後の作品。

自意識過剰で孤独な青年の日記。リルケの『マルテの手記』の中に生きる術を探す。

孤独に苛まれながら、孤独に突き進もうとする矛盾に戸惑う。全集第一巻の主題でもある「斯く在る」とは何かを問い続ける青年。社会を見捨てる覚悟ができない青年。夜の隙間から昼を覗く青年。

思考のままに綴られる日記に、突然挟み込まれるとりとめのない(本人にとっては切実な)物語。すべて脳にある腫瘍のせいにも思えてしまう。あるいは夢遊病者の世迷い言か。今なら『マルテの手記』へのオマージュ作品と呼ばれるだろう。
『マルテの手記』を再読しなければ!

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