ZINEづくり|書いてきたnoteをまとめてエッセイ集をつくる方法
「書いてきたnoteを1冊の本にしてまとめてみたい」
2023年3月からnoteメンバーシップをはじめ、1年間で100本ほどnoteを書き終えたときにふと思い立ち、そこから1年かけてエッセイ集(ZINE)をつくりました。

じっくりコツコツつくってきて、どうにか出来上がったのですが、「やりたい!」と思い立った時点では「どうやってつくればいいの……!」という状態で。
そんなときに見つけたのが、自分と向き合うノートを販売している「じぶんジカン」を運営する松岡さんのnoteでした。
これを読んで、本当に心から「これを読みながらやればつくれるやん……!」と思ったので、行動に移すことができました。感謝。
ということで、つくりかた自体は松岡さんのnoteにめちゃくちゃわかりやすく載っているので、ぜひそちらを参考に!と思いつつ。
「自分でつくる」ということは「自分の好きなものをつくれる」ということで、土台は同じであれ、違う部分がきっとあると思うので、わたしも松岡さんのnoteにならって「わたしのエッセイ集(ZINE)のつくり方」をこのnoteにまとめてみました。
今後、個人でエッセイ集(ZINE)をつくりたいと思っている人の参考になりますように。
わたしはデザインやイラスト、写真のスキルセットを全く持ち合わせていないため、プロのデザイナー・イラストレーターさんにご依頼をしながら制作しています。
ZINEをつくる方法
事前準備
「ZINEつくるぞー!」と勢いをつけたくなりますが、まずは落ち着いて事前準備から。
原稿をゼロから書き始める場合も、そうでない場合も、ページ数などが決まっていないと「どのぐらい書けばいいのか」「どのぐらい収録できるのか」が決まりません。
「ページ数結構いっちゃったけど、印刷こんなにお金かかるの……!」とならないためにも、事前準備からはじめていきましょう。

◎エッセイ集(ZINE)のテーマを決める
なんでもそうなのですが、まずは「やる理由」があると始めやすいですよね。
わたしの場合は、2023年3月からnoteメンバーシップを開始して、1年経った頃に100本ほどnoteを書き終えていたので、これを1冊にまとめられるといいなと思ったのがきっかけでした。
なので、「書いてきたnoteをまとめたときにどんなものになるか」から逆算して、テーマを決めました。
わたしは結局「自分にとって心地よい居場所をつくりたい」という思いで活動をしていて、noteメンバーシップ運営1年目はまさにそういうことをたくさん書いてきたので、テーマとタイトルを「心地よい居場所をつくる」に決定しました。
テーマとタイトルが決まったので、100本の中からこのテーマに合うものをピックアップして、最終的には17本のエッセイを収録したZINEを制作しました。
◎規格や仕様を決める
テーマが決まってから、どんな本にしたいのか、仕様のイメージを決めました。
わたしの場合は、こんな感じです。
・冊子印刷:無線綴じ
・サイズ:A6縦
・印刷:オンデマンド印刷
・綴じ方向:右綴じ
・ページ数:116ページ
・カラー:表紙片面カラー / 本文モノクロ
・加工:PP貼りなし
・用紙:表紙 マットコート220kg / 本文 淡クリームキンマリ72.5kg
ちなみに、わたしはデザイン面でのスキルが全くと言っていいほどなく、InDesign、Illustratorなどのアプリも持っていない(操作も不可)なので、仕様に関わることはデザイナーさんと一緒に相談して決めていきました。
あと、Wordもないので、GoogleスプレッドシートとPDFで頑張りました……!
Canvaでも作れるようなのですが、わたしはそこを頑張っていると制作期間が2年ほどかかってしまいそうだったので、潔くプロにお願いしました!
つくる前に「文学フリマ」に行って、どんなものが売っていて、自分はどんなものを作りたいのかなーというイメージも膨らませました!おすすめです。

ピンタレストなどを使ってイメージを膨らませる方もいるのかなと思いますが、わたしは本がだいすきなので参考資料は全部自前!本棚から出してくるだけで事足りました。
◎印刷会社を決める
印刷会社さんを先に決めておくと、制作にどのぐらいお金がかかるのかがわかるので、こちらも先に決定しました。
ZINEをつくったことのある友人に相談してみたら、印刷する部数によっても違ってくるよと言われたので、どのぐらいの部数にするのかも一緒にイメージを決めておけるとよさそう。
わたしは、30部〜多くても100部かなというイメージでつくりました。たくさん刷るほうが原価は安くなるんですけど、どのぐらい届けられるのかという現実的なところとの相談も必須です。
それから、わたしのつくったZINEは文章のみ(ちょっとだけ挿絵が入っている)なのですが、イラストメインなのか写真メインなのか……によっても、得意な印刷会社さんがあるようなので、色々みてみるのがおすすめです!
わたしは結局、デザイナーさんにもろもろお願いすることが決まっていたこともあり、「グラフィック」さんにお願いしました。
◎どこで販売するのか決める
部数を決めるにあたり、どこでどのように販売するのかを先にイメージしておくのが大事だと思います。
わたしの場合は、「noteメンバーシップのメンバーへのオンラインでの販売」と「文学フリマ東京に出店すること」、その後に「一般販売としてオンラインで販売すること」の3つの販売経路を事前に想定して部数を決めました。
わたしは一般人なので「オンラインで販売するだけ」では誰にも手に取ってもらえない可能性が高いです。なので、イベントに出店したり、自分でイベントを企画したりしていくのは絶対に必須だなと思っていました。
あと、オフラインで販売すると手に取ってくれる人の顔が見れるからいいですよね。エッセイ集をつくったら、絶対にオフラインで販売するぞ!というのは決めていました。
原稿を書く

ZINE(エッセイ集)をつくるとなった場合には、原稿を書くのが必須!
わたしの場合は、noteで書き溜めていたものを再編・加筆修正する必要がありました。あと、なくてもいいかもですが、わたしは「はじめに」と「おわりに」は書きたかったので、一から書き下ろし。
ZIENにする予定なくnoteを雑多に書いていたので、ZINEに収録する順番も公開順ではなく、改めて検討しました(検討した結果、ほぼ公開順になりました、笑)。
原稿管理の方法は、最初にご紹介したnoteを書いている松岡さんのやり方をマネしてGoogleドライブで管理しました。デザイナーさんとも共有する必要があったので、この方法にしてよかったです。


デザインを決める

◎デザイナーさんへご依頼
先ほども書いたように、わたしはデザイン面の知識がほぼない状態なので、デザインについては100%デザイナーさん頼みです。
今回はブックデザインははじめてだけれど、なんでも器用にこなせる友人のデザイナーさんに声をかけて手伝ってもらっています。
デザイナーさんには、事前にこれをお願いしたいという詳細をGoogleドキュメントにまとめてお渡しし、デザイナーさんの意見も伺いながら進めていきました。

デザイナーさんにご依頼を出すときは、「全体のスケジュール」と「制作段階のどこをお願いしたいのか(どこまでは自分でできるのか)」を明確にお伝えする(もしくは作業前に擦り合わせる)のがとても大事です。
ある程度、自分の中で「こうしたい」という要望がないとデザイナーさんも困ると思うので、全てデザイナーさん任せというよりは、土台は自分で考えるということを忘れないでご依頼ができるといいですね。
◎エッセイページのデザイン
noteメンバーシップで書いてきたnoteをまとめたエッセイ集なので、コミュニティの雰囲気を崩さないデザインにすべく、デザイナーさんが尽力してくれたので、それについて残します。
【ページ数フォント・番号スタイルを決める】

【行間と文字サイズを決める】

【フォントと文字間を決める】

【飾り線の有無、タイトルフォント、ページ数位置を決める】

最後にデザイナーさんから「文字数を35→30にするとこんな感じだよ」と案をいただいて。こちらのほうが余白が多く、noteを読んでいる感覚に近いカタチで活字も読めるかなと思ったので、余白多めのデザインに決定しました。
わたしの「心地よさ」には余白と余裕が必要だといつも思っているので、エッセイ集にも余白を多く取り入れたかったというのもあります。今回のエッセイ集のテーマにあったデザイン!

【奥付のデザインを決める】
奥付も必須で入れたい項目をデザイナーさんにお伝えし、デザインをいくつかつくってもらって選びました。

原稿の修正作業
デザインが決まったら、原稿の修正作業に入りました。結局、3-4回見直して、それでも不安で……という感じ。自分で校正するのって大変ですよね。
わたしのnoteの文章は、口語に近いので、縦型の活字になると違和感が満載(普通に誤字もたくさんあった)。
何回も読んでいると、間違っていても読めてしまうようになるので、限界まで頑張って確認したけれど、まだ誤字がある可能性は捨てきれません。

表紙イラストを決める

◎表紙のイラストを決める
原稿の修正作業が終わるとページ数が決まり、「背幅」がわかるので、やっとここから表紙イラストをイラストレーターさんに依頼できます。ここまで長かった……。
イラストレーターさんがイラストを描きやすいように、Googleドキュメントで依頼内容をまとめてお送りしました。
今回依頼したイラストレーターさんのイラストがわたしは大好きなので、「らしさ」が残るものになるといいなと思ってはいたのですが「いい感じにお願いします」みたいなことだとやりにくいと思ったので、できる限りで準備したという感じです。

イラストのイメージは写真に取って格納し、お渡ししました。


仮案は2つご提案いただき、その中で好きなほうを選択しました。どちらも捨てがたかった……!

◎挿絵のイラストを決める

もともとは挿絵イラストを入れるつもりはなかった(実際には入れたい気持ちはあったけれど、初回だし無理かな……と考えていた)のですが、イラストレーターさんのご好意で、いくつか挿絵イラストを書いてもらえることになりました。

最後に、挿絵をデザインに組み込んでもらい、原稿の準備が全て整いました。

印刷会社へ入稿
今回は、デザイナーさんのご好意で(ご好意多すぎ)、入稿作業までデザイナーさんがやってくれたので、わたしは見守るのみ。
ZINEを販売する方法
販売価格を決める
今回は、デザイナーさんとイラストレーターさんにそれぞれご依頼をしているので、お支払いする費用を差し引いても利益がでるかたちで価格を設定しました。
今回は1,100円(税込|送料別)にしています。
・原価
・制作依頼費(デザイン|イラスト)
・発送費
・Webショップ手数料
こちらを計算し、赤字にならないように調整します。
正確な原価は入稿作業が終わってからしか出ませんが、「規格・仕様(紙の種類やページ数など)」「印刷部数」が決まれば、大体このぐらいかかりそうそうだなという金額感はわかるので、そこを加味した上で、赤字にならない範囲の制作費でお願いできるデザイナーさんやイラストレーターさんを探すと安心です。
友人だと安心という方はデザインができる友人をあたってみるのがおすすめですが、ココナラなどで探しても素敵な方に出会えると思います。SNSで見ていた好きなデザイナーさんやイラストレーターさんに思い切ってご依頼してみるのもいいですね(もちろん失礼がないように……!)。
梱包方法を決める
オンライン販売の場合は、梱包をどうするのかという問題も考えておくと、販売後の発送作業がスムーズです。せっかく大事につくったのに、手元に届いたときには傷がついていた……みたいなことになるとイヤなので。
わたしは、事前に独立系書店のオンライン販売や個人の方がWebショップで販売しているZINEをいくつか購入し、梱包の仕方を真似させてもらいました。
梱包も素敵にしようと思えば思うだけ原価が上がるので、利益が出るところでの理想を追求しましょう。
オンライン販売の準備
わたしの場合は、まずnoteメンバーシップのメンバーにオンラインで販売することを目標にしていたので、それに向けての販売準備をしていきました。
色々悩んでいたのですが、結局はnoteで商品ページを作成&ストアーズで販売ページを作成となりました。

もともとは、Googleフォームで購入申し込みをしてもらう予定だったのですが、1,000円ちょっとをわざわざ銀行振り込みしてもらう手間などを考慮したときに、Webショップをつくったほうがいいという判断になりました。
Webショップは、BASEでの販売をイメージしていましたが、「Webページのリンクが思っていたのもが使えなかった」こと、「販売ページを(簡単な作業で)メンバー限定にしたかった」こと「わたしのデザインスキルではBASEだと自由度が高すぎること」などから、ストアーズでの販売に決めました。
Webショップでの一般販売を開始する際も、このままストアーズを利用する予定です。
オフライン販売の準備
制作段階からオフラインでの販売は視野に入れていたので、制作が進む過程で、友人にも声をかけ一緒に文学フリマに出店する準備を現在しています。
ZINEができあがった段階で、友人から大阪の展示会に出ないかと誘われて、3月に大阪での展示にも出展します。
オフラインでの出展スケジュール
大阪:2025年3月16日(日)|「コモンルーム中津」にて出展予定
東京:2025年5月11日(日)|文学フリマ東京40にて出展予定
最近はZINEフェスも色んなところで開催しているので、販売開始に合わせてイベントにも出展できるように、事前に調べておくと安心です。
文学フリマ東京はかなり大きなイベントなので、もっとちいさなイベントがいいな……と思われる方もいるかもしれません。ご自身にあったイベントを探してみてください。
ZINE制作|おまけの話
自分で自分のお尻を叩く
はじめてのエッセイ集(ZINE)制作だったので、1年ぐらいはかかるだろうな…….と見越してつくり始め、実際に販売まで「約10ヶ月」かかりました。
ひとりでつくるのは結構大変だなという印象があるので、デザイナーさんやイラストレーターさんと一緒に制作ができて、よかったなと思っています。
また、校正の作業は自分との戦いだったので、エッセイ集の制作過程をnoteで更新して、みんなに進捗を共有することでお尻叩きをしていました。
ZINEはつくってよかったなと思うし、またつくりたいなと思うのですが、制作過程は地味な作業の連続なので、誰かと進捗を共有して進めていくのは結構おすすめです。
物撮りの依頼をする
いままで自分のサービスといえば無形のものだったので、今回はじめて物販にチャレンジしたわけですが、物販をやろうと決めて一番はじめに思ったのは「デザインと写真がめちゃくちゃ大事」ということです。
まずはいいものをつくること。その上で、そのいいものがちゃんといいものとして届けたい方に見せられること。これはとっても重要なポイントだと思います。
趣味でやる分にはここまで本気にならなかったかもしれませんが、今回わたしはこのZINE販売を自分で運営しているブランドの事業としてやろうとしているので、届け方は大事です。
ということで、エッセイ集のデザインを担当してくれたデザイナーさんに合わせて物撮りまで依頼をしました。

いつかは自分でも撮れるようになりたいなー、という目標もできました。
趣味でつくるにしても、誰かに手に取って欲しいと思うのであれば、どう届けるのかについては一度検討してみるのがおすすめです!
しおりをつくる
個人的に、ZINEに挟まっていたり、個人商店の本屋で買ったときについてくるしおり(兼、名刺)がだいすきで。

ZINEを販売するときには、これもつくりたいなと思っていたので、同じくデザイナーさんにご依頼をして制作をしてもらいました。
販売に際して、どこまで凝るのかという話になってくるのですが、こういうのとても大事だし、楽しいなと思ったので、やってよかったなと感じています。
ZINEに挟んで、お渡し予定です。
告知は大事
わたしのような無名の一般人がつくったZINEは、「ZINEをつくって、Webページをつくって、イベントに出展する」だけではきっとあまり手に取ってもらえません。
誰かに手に取ってもらいたいと思うのであれば、告知は必須です。
告知は、ZINEができあがって、販売を開始するぞー!というタイミングから始めるのではなくて、「ZINEをつくるぞ」と決めたタイミングからはじまっています。というか、はじめるのがおすすめです。
なぜZINEをつくるのか、どんなZINEをつくるのか、どんな方法でつくるのか……などの制作過程をSNSで発信して(残して)おくことは、先ほど書いたようにお尻叩きにもなりますが、ZINEの完成を一緒に楽しみにしてくれる人を増やす行為でもあります。
告知は「販売のため」というよりは「一緒に楽しむため」に、ぜひはやめから発信をはじめてみてくださいね。
ZINEをつくるって憧れるし(わたしも憧れてた)、なんか素敵ですけど、やることは結構地道で泥臭かったりするので、その認識をもった上ではじめるのがおすすめです。
ZINEの制作を終えて
ZINEを制作する前までのわたしは、社会人10年の中でも「物販」という分野に携わったことが一度もなくて。
デザインやイラスト、写真などのスキルがない自分には、ものづくりにはできいない(向いていない)と思っていたし、人生でZINEを自分でつくることになるなんて本当に思っていませんでした。
自分がつくったものが、誰かの手元に見えるかたちで届くこと。それが実際にどういうことなのかも、いまいちピンときていないところがあった気がします。
つくって、実際に販売し、購入してくれた方の手元にZINEが届いて思うこと。
ものづくりって楽しい。
大変なことも多かったし、届ける活動はここからもっともっと長く続いていくのだけれど。
誰かの手元に見えるかたちで商品が届くこと、その商品が誰かの日常の一部になっていくこと、本当に嬉しい。
わたしはオンライン上での活動がメインで、SNSで言葉を届けることが多いけれど、SNSでの情報収集はときには疲れてしまったり、罪悪感を覚えることもあるから。本というアナログなもので、言葉を直接届けることの価値を改めて実感したような感じがします。
このZINEが心地よい日々の入り口になるといい。あわよくば、このZINEが誰かの心の居場所になるといい。
そんな思いを持って、じっくりゆっくりこれからもZINEをつくって、届けていくことをしてきたいと思います。
ZINEをつくりたいと思っている方も、ぜひちいさなものでもいいからつくってみてください。とてもいい体験になりますよ!
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