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相談する人・される人#3:相談が噛み合わない、その理由

「上司に相談したんです。
でも、モヤモヤしてしまって……なんか違うんです」

ある若手の方が、少し戸惑いながらそう話してくれました。

その一言には、否定でも不満でもない、
説明しきれない違和感がにじんでいました。

上司は時間を取ってくれた。
話も聞いてくれた。
アドバイスもくれた。

それでも、どこか噛み合っていない。

その正体は、何なのでしょうか。


けれど、「なんか違う」と感じているのは、
部下だけではないのかもしれません。

ある上司の方が、こんなふうに話してくれました。

「ちゃんと部下からの相談の時間をとって話したんです。
整理もしたし、方向性も示した。
でも、なんだかスッキリしない顔をしていて……
あれ、違ったのかな、って」

良かれと思って伝えたことが、届いていないように感じる瞬間。

そのとき上司の中にも、
小さな“噛み合わなさ”が生まれているのかもしれません。


部下は、共感してほしかったのかもしれません。
「大変だったね」と、まずは受け止めてほしかった。

あるいは、背中を押してほしかったのかもしれません。
「それでいいよ」と、一言ほしかった。

一方で上司は、育てようとします。
視野を広げようとし、リスクを伝え、問いを返す。

どちらも善意です。
どちらも間違っていない。

けれど、目指しているゴールが違えば、対話は簡単にすれ違います。

部下は「気持ちを整理したかった」のに、
上司は「行動の質を高めよう」としている。

部下は「安心したかった」のに、
上司は「成長を促そう」としている。

噛み合わないのは、
能力の差でも、関係の悪さでもなく、
目指している地点が揃っていないからなのかもしれません。


ふと思うのです。

お客様との打ち合わせでは、私たちは自然に確認しています。

「今日のゴールは〇〇です。」
あるいは、
「この時間で、どんな状態になれたら良いでしょうか?」

目的を揃え、着地点を共有する。

それが当たり前のようにできている。

けれど、部下やチームとの対話になると、どうでしょう。

「まあ、わかるよね」
「そこまで言わなくても伝わるよね」

身近な関係ほど、ゴールを言葉にしなくなる。

それは信頼の証かもしれません。
でも同時に、少しの甘えでもあるのかもしれません。


「この時間で、どうなれたらいい?」

たったそれだけの確認で、
ふっと空気がやわらぐ場面があります。

逆に、その一言がないまま進んでしまって、
あとから「なんか違ったね」と
小さな違和感が残ることもあります。


ただ、私たちは、最初から、自分が何を求めているのかが
はっきりしているとは限りません。

話しているうちに、
「あ、安心したかったんだ」と気づくこともあれば、
「やっぱり決めたかったんだ」と腹が決まることもあります。

だからこそ、
相談する側も、される側も、

ときどき立ち止まって、

「この話、結局どうなることを望んでいるんだろう?」

と確かめ合う。

その小さな確認があるだけで、対話は少しあたたかくなる気がします。

わかってほしい。
わかってくれるはず。

そのあいだにある、ほんのわずかな前提のズレ。

「なんか違う」の正体は、
もしかしたら、
そこにあるのかもしれないな、と思う今日この頃です。


🔥焚き火を囲んで・・・

今週も、焚き火を囲みにきてくださり、ありがとうございます。

オリンピックは、見ていて胸が熱くなりますね。

それぞれが、違う環境で、違う時間を過ごし、
自分の物語を抱えて、その場に立っている。

同じフォームになるわけではない。
同じ強みを持っているわけでもない。

それでも、同じ方向を見ているとき、力は静かに重なっていく。

相談も、きっと同じなのかもしれません。

それぞれの物語を抱えたまま、同じ方向を見ようとすること。

焚き火を囲みながら、そんなことを思いました。
また来週、ここでお会いできたらうれしいです。


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