TEAMボリボリの憂鬱
私は夕方の混み合ったドラッグストアにいた。皮膚薬の売り場でどれにしようか悩んだものの、いつもの薬をカゴに入れた。
私が何の薬をカゴに入れたかというと。
虫刺されや痒みの薬だ。特に刺されると痒い虫に特化した薬なのだ。
それと、傷跡を薄くする薬(アットノンという小林製薬の塗り薬)も一緒にカゴに入れた。
仕事から帰った娘に
「今日、塗り薬とアットノン買ってきた!」
と報告すると、
「アットノン、ほんと薄くなるから早速塗りな」
と娘は言った。
ちなみに薬は私と娘はそれぞれ好みのものを使っている。
我が家には猫が2匹いる。その猫のノミに刺されてしまい、カユカユになってしまったという訳だ。ところが、家族でノミに刺されるのは私と次女の二人だけだ。同じ家に住み、同じ環境で暮らしているのに、刺されるのは私と次女だけだ。
結構刺されるのに病院に行かないのかというと、今は行ってはいない。
野良だったきーちゃんがうちに来て最初の夏の事だ。その夏、私と娘たち(その頃は長女もまだ家にいた)の足に謎の点々がたくさんできた。その点々はとても痒く、掻きすぎて掻きこわしてしまったりもした。
家族に心配され、皮膚科に行った私たち三人に下された診断は「虫刺され」だった。虫刺されの心当たりがあるとすれば、それは猫のノミだった。
「もしかして、猫のノミですか?」
「その可能性はあります」
ノミに刺されるととにかく痒い。それに刺された箇所がいつまでも痒いのだ。その痒さは蚊に刺されたものなんて屁でもないと思うくらいだ。
皮膚科から帰ると、私たちは猫のノミを駆除しようと躍起になった。櫛でノミを取り、シャンプーして、フロントラインをポチって投与して。
それでも、やっぱりすぐには良くならないし、脱走した猫はノミをつけて帰ってくる。夏の間、私たちはノミと格闘した。
あれから数年、夏が来るたびに同じことを繰り返す。
今年も梅雨が明ける頃、足にポチポチと赤い点々ができた。私と娘は足に赤い点々ができると夏が来たと思う。
「今年も夏が来たね」
「無事に乗り切れるといいね」
ところが、私たちの足は日に日に赤い点々が増えていく。毎年の事なので抵抗力が付いたのか病院に行くほどではないと思う。とりあえず市販薬で済んでいる。けれど、結構消費量は多いのではないかと思う。
私はクールタイプのジェルが好みで、娘は液体タイプが好みらしい。染みるのをヒーヒー言いながら塗るのがいいのだそうだ。
娘は猫のノミ取りやシャンプーが上手い。仕事が休みの日はせっせと作業してくれる。だからとてもありがたい。娘に言わせると、私がやるノミ取りは仕事が甘いのだそうだ。さすがの娘だ。
この赤い点々で二人にだけで通用する言葉がある。それは「ニュー」と「古傷」だ。「ニュー」は刺されたての点々で「古傷」は瘡蓋になったりしたような点々だ。
「どう?ニュー増えた?」
「今日は古傷がまた痒くなったー」
などという風に使う。
本当なら、足の一つも晒すのだけど、それが憚られるような足だという事でお察しのほどを・・・笑
けれど、娘がそんな足には「アットノン」がいいとChatGPTが教えてくれたというので二人で買って使ってみた。すると、まだ使って間もないのに何となく薄くなったような気がする。効果を信じてヌリヌリしてみようと思う。
そんな私たちだけど、つい「チーム友達」をもじって「TEAMボリボリ」と言ってみたら、殊の外娘にウケてしまい私たちは「TEAMボリボリ」となった。
今年は梅雨が早くに明けてしまったため、夏はまだまだ長い。私たちとノミとの戦いもまだまだ先が長い。ああ、ノミ取りも頑張っているのだから、今年こそはこれで収束してほしいものだ。こんな文章を書きながら、私は足をボリボリしている。
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