【毎週ショートショートnote】税務署の方から来たおじさん~思い出相続税
午後2時を過ぎた頃、インターフォンが鳴った。モニターをチェックすると、人の良さそうなおじさんがいる。
「税務署の方から来ました。ご主人の相続税の件です」
税務署の方から、なんて怪し過ぎる。
先月亡くなった夫の遺産に大した物は無く、相続税は掛からないはずだ。私が告げると、他に相続する物があると言う。
「故人の思い出にも税金が掛かるようになりました。いい思い出はプラス、悪い思い出はマイナスで査定します」
聞かれるままに夫との思い出を語る。30年を振り返るといい思い出が多いと思っていた。ところが、封印していた事が溢れ出していく。
おじさんは頷きながら用紙に記入していく。話しながら私は涙を流していた。
「査定の結果、あなたの相続税はマイナスです。今までご苦労なさいましたね。マイナスなので返戻があります」
おじさんは私に封筒を差し出して玄関を出ていった。慌てておじさんを追いかけても、そこには誰もいなかった。
おじさんが記入した用紙の控えを見ていると、なんだか肩の力が抜けて気持ちが軽くなる。封筒の中を見ると、宝くじが30枚入っていた。
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今週のお題は「思い出相続税」です。
記憶を封印して、感情を消さないとやってけない事もありますよね~
知らんけど(>_<)
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