走ったあとの身体は、いつもより正直でした
走り終えたあと、
息は苦しいのに、感覚だけが妙に冴えていることがあります。
汗が首を伝う場所も、
濡れた服が肌に触れている感触も、
いつもよりはっきり分かる。
今日、走りながら考えていたのは仕事のことでも、
明日の予定でもありませんでした。
もう少し身体に近いことでした。
⸻
14:35
正午を過ぎても、外はまだ暑いまま。
走るか迷ったけれど、
朝から行くと書いてしまったので、着替えて家を出ました。
白いランニングトップに、黒いショートパンツ。
髪を後ろで束ね、
水をひと口飲んでから玄関を出る。
外へ出た瞬間、
今日はきっと汗だくになると思いました。
最初の数分は身体が重くて、
足音ばかりが気になりました。
それでも川沿いまで来ると、
少しずつ呼吸のリズムが整ってきます。
考えていたことが一つずつ薄くなり、
頭の中にあった言葉が、汗と一緒に外へ出ていく。
ランニングが好きなのは、
身体を鍛えたいからだけではありません。
考えすぎている自分から、
一度離れられるからだと思います。

折り返す頃には、
前髪が額に張りついていました。
首も肩も濡れていて、
服はもう乾いている部分の方が少ない。
きれいな姿ではないけれど、
私は運動した直後の自分を嫌いではありません。
化粧や服で整える前の、
身体だけでそこにいる感じがするから。
⸻
16:08
帰宅して靴を脱ぎ、
そのまま洗面所へ向かいました。
エアコンの風が当たっても、
身体の熱はなかなか引きません。
鏡を見ると、頬が赤くて、
髪の先から汗が落ちていました。
ランニングトップも肌に張りつき、
身体の線がいつもより分かります。

スマホを構えたのは、
運動後の記録を残そうと思ったからです。
最初は、本当にそれだけでした。
でも、写真を確認した時、
少し違うことを感じました。
疲れているのに、
目は思っていたより生き生きしている。
汗で濡れた肌も、
少し乱れた髪も、
普段の私より無防備で、
身体がそのまま表に出ているように見えました。
そして、こういう時の私は、
性欲も少し分かりやすくなる気がします。
⸻
ここから先に残したこと
走ったあとに誰かを求めたくなるのは、
寂しいからではありません。
むしろ反対です。
身体を動かし、
気分よく汗をかき、
自分の中が満たされている時ほど、
その感覚を誰かと分けたくなることがあります。
呼吸がまだ少し速いこと。
身体に熱が残っていること。
触れられたら、
普段より敏感に感じそうなこと。
ここから先には、
ランニングウェアを脱いで身体を確認した時の写真と、
シャワーを浴びてから眠るまでに感じたことを残します。
走る前には考えていなかったことを、
帰宅後の身体は、もう知っていました。
ここから先は
¥ 500
もし『また美幸を見たい』って思ってもらえたら、そっと応援してもらえると嬉しいです。 いただいたチップは、次のnoteや写真づくりに大切に使わせていただきます☺️
