心に残る「優しい人」
義父は優しい人だった。
孫たちともよく遊んでくれた。
どの孫とも隔たりなく相手をしていてくれた。
合うといつも「みんな元気か?そうか、良かった良かった」と言っていた。穏やかで温かい人だった。
元夫はいちいち人の癇に障るようなものの言い方をする人だったけど、なんであんなに優しい人の息子が…といつも不思議に思っていた。
義母が亡くなってから、時々義実家に行ってはご飯を作ったり掃除をしたりしていたが、離婚してからはさすがに行けなくて、それが心残りだった。
ある時、どうしても義父に謝りたいと思い、元夫のいない時間を見計らって義実家に行ってみた。昼逃げした後離婚したので、義父には何も言っていなかったから。
合うと、私のことはわかっていたようだが、どこかぼんやりしているようだった。
でも、私が「離婚してごめんなさい」というと、さっきまでぼんやりしていたのがウソのようにはっきりした顔になり、
「離婚っていうのはな、どっちかだけが悪いんじゃない。どっちもが悪いんだ。だから謝らなくていい。」と言われました。
いくら元夫がモラハラ男だったにせよ、子供から父親を奪ってしまったのは自分が悪いのではないかと思い悩んでいたので、この言葉に救われた。
ホントは、あんたは悪くないって言って欲しかったけど(笑)
家から持ってきた、私が描いた花のイラストを渡して帰ってきた。
それが最後になった。
あの時、思い切って行って良かった。
もっと色々してあげれば良かった。私の作ったおかずをいつも美味しい美味しいと言って食べてくれていた義父。
行くたび、私に「ありがとう」と言っていた義父。
私の出会った1番優しくない人の父親が、私の出会った最も優しい人だった。あの優しさを、もっと素直に受け取れば良かったと今になって思う。
お義父さん、今でも大好きです。
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