保育者を応援したい!
保育業界での私の経験
夢を持って仕事に就く保育者を目指す人たちにとっては、「保育」の喜びを感じながらも、その労働条件の過酷さに落ち込むことも多いと思います。
今日は、私がずっと働き続けてきた「保育業界」の現状をお伝えしながら、何よりも「保育者を応援したい!」という気持ちで書きたいと思います。
保育者の現状(労働条件)
私がずっと職業としていたものは福祉業界、保育業界の仕事でした。
福祉という仕事は専門職でありながら重労働のわりにはなかなか世間一般でも認められず、低賃金でさらに古い体質が蔓延している労働です。
福祉の仕事はそれ自体がやりがいのあるものですが、働く人にとってもなぜか福祉的考えが求められます。
つまり、労働時間などの勤務体制はあってないもので、行事前の残業は当たり前、保護者対応、保育の準備などで労働時間は莫大になり、そんな毎日では肉体的にも精神的にもより良い仕事をこなすことがなかなかできない状態の上に、時間外労働、ボランティア的に働くことが求められるのです。
もちろん、保育者や介護者は、担当している子どもやお年寄りに対して愛情を持って接していますし、時間外であろうと必要な時には惜しまず働きます。でも、ふと振り返ると、ただの駒なのではないだろうか、と思うことにもぶち当たります。
私は「副園長」という管理職でした。管理職とはいえ、上には園長、理事、理事長などがいますし、その立場であっても自分の意見が通ることはとても少ない、いや全く権限がありませんでした。特に賃金や働き方については・・。
ただ、私は職員の勤怠管理(勤務表、有給管理など)を担当していたので、できるだけ職員が働きやすいように自分なりの努力はしていました。
ちょうど「働き方改革」が提案されたので、「有給の保証」「時間外労働の削減」「書類の時間の確保」などに積極的に取り組んできました。
特に「子育てをしながら働く保育者」「介護しながら働く保育者」には徹底的に支える立場で応援してきました。
「入学式」や「卒業式」はもちろん、「運動会」や「発表会」が重なっても参加できるようにしてきました。
そのためにクラス編成を決めるときに「今年は○○先生の子どもは年長さんだよね」などと確認して「以上児クラスは持たせない」などの配置の工夫も提案しました。
「授業参観」「保育参観」も子育て中の保育者が多いと重なってしまうこともあるのですが、私も主任も保育に入りなんとか参加できるようにしてきました。
それでも園の中で出来ることには限界があり、園の問題だけではなく、「保育業界」に対する国や世間の考え方が変わらないことが改革の進まない原因だということも気が付きました。
たとえば、保育には子どもに対しての保育者の定数は国で定めています。
0歳児・・・・子ども3人に保育者1人
1・2歳児・・子ども6人に保育者1人
3歳児・・・・子ども20人に保育者1人
4・5歳児・・子ども30人に保育者一人
この基準どう思いますか?
0歳児の赤ちゃんを一人の大人が3人も見ることが出来ると思いますか?
小学校の先生の定数を下げるのは進んでいますが、保育者の基準は全く変わることがないのです。
保護者が安心するためにも、保育者が子ども一人一人に目と手をかけてあげるためにもこの基準は検討してほしいものです。
保育者の処遇
一時、「保育業界」への風向きが良くなり、職員に「処遇改善加算」なども付くようにはなりましたが、賃金は他の業界に比べて「雀の涙」ほどです。決してこれからの日本の未来を創る子ども達の成長を支える大切な働きに対する対価とは思えません。
それぞれの保育業界トップもその背景の中で経営しているわけですから、もちろん苦労もあるでしょうが、それ以上に働く人への考え方も一昔前のままです。
つまり、「保育業界」の仕事に対する軽視は保育業界トップであっても同じなのです。
もちろん、そうではない保育業界トップの方々もいることでしょう。でも私の園は昔からの考え方がいまだ変わらず、トップに対する忠誠、忖度が当たり前の状態になってしまうのです。
そのような環境でひたすら頑張って身を削って働いても、ただの駒でしかなく、そのままこの業界で働いてもこれからの人生に有益とは思えなくなり、何のために働いているのか、お金のためか、夢だったから続けているのか・・
そんな思いで退職する人も多い業界なのです。
「子育て支援」「保護者支援」も保育者の大切な役割
そればかりではありません。保育者は「働く人」を支える役割がありますから、お仕事が終わってお迎えをする保護者を待つのです。
保育園は「働く人」のために、長時間開設しています。
たとえば、私の園は「朝7時~夜7時まで」の保育時間でした。
長時間の子どもは「朝7時~夜7時まで」預かる子どももいるのです。
担任であっても、その保護者と会えるのは交代勤務で「早番」や「遅番」をしたときだけ、話をするためには自分が残って対応することもあります。
保育者は「子どもが大好き!」という思いで進路を決める人がほとんどです。
でも、今の保育の現場は「子どもの保育」と同じくらい大切な役割があります。先ほど言ったように「保護者支援」です。
そしてそれが「保護者対応」にもつながるのです。
新人保育者はその「保護者対応」で悩み葛藤して「自分には向かないのではないか」と思ってしまうことも多いようです。
そのために保育者は一人で抱えないで、主任や園長に相談して支えてもらうことと共に、保護者ともわかりあう関係を作っていく力が求められるのです。
「保育者」を支えるために
「保育」の仕事は、専門職です。
子どもの年齢に合わせた環境や保育を考え、また一人一人の子どもの心を支え、成長を促す、まさに「教育」です。
子どもは一人一人違う、保護者も一人一人違う、その対応には、学びや経験も欠かせないものです。
でも日々の保育に追われ、どうしても就職した園で「やってきたこと」を踏襲していくことになり、「保育業界」は古い体質のままになっている場合が多いのではないか思っています。
「保育業界」が古い体質から変わっていくにはどうしたらよいのか・・。
「保育」が専門職であると、社会にわかってもらうためにはどうしたらよいのか・・。
その問いの中で、私なりに頑張ってきましたが、自らがその業界から離れることを決心してしまいました。もちろん、次の課題も生まれたのですが、心も体も休めたかったのも事実です。
保育業界から離れた私が出来ることは何か・・
この私自身への問いかけも続けていきたいと思っています。
もし今「保育者」でこの記事を読んだ方がいましたら、何が出来るのか一緒に考えていきませんか?
そして「保育者」以外の業界の方も、この現状をどうしていったらいいのか一緒に考えてくださいませんか?
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