【心の城・番外編】夏侯惇、縁側の座布団に座る
今回は、城主の妄想劇場です。
お時間ある方だけ、お付き合いくださいませ。
曹操様が劉備に会いにみわくに城へ。
そして、その付き添いで、
夏侯惇が来る事がわかったから、
城主のなけなしの乙女心が飛び跳ねた。
城主
「いつもより、いいお茶準備しなきゃ(夏侯惇用)」
城主
「いつもより、いい座布団置いとかなきゃ(夏侯惇用)」
城主
「いつもより、念入りに縁側磨いとかなきゃ(夏侯惇のため)」
曹操様、完全、無視。
今回の曹操様の目的は、劉備にこれを言うため。
曹操
「この世に英雄は二人いらない」
劉備が口を開く前に、城主が乱入。
城主は人見知りだけど、
武将が一緒だと頑張れる。
城主
「うちの劉備、
英雄じゃなくて太陽(大アルカナ)ですけど」
曹操
「太陽?それは、英雄とは違うのか?」
城主
「違います。
太陽は、温かくて、優しい、
言ってみれば、ホカホカの毛布です!」
曹操
「毛布!?」
劉備
「ははは。毛布か。それは良いな」
曹操
「良いのか!?毛布だぞ!?」
混乱する曹操を横目に、
夏侯惇は静かに、姿勢よく縁側に座っている。
城主
「曹操様、落ち着いて。はい、お茶どうぞ」
曹操様、お茶を一口飲んで、少し落ち着く。
そして、ふと周りを見回して口を開いた。
曹操
「……それはさておき、
夏侯惇の周りだけ、
やけに良いものが使われてないか?」
城主
「え!?
そんなことありませんよ!
曹操様のことも、
全力でおもてなし中ですから!(目が泳ぐ)」
アワアワとする城主の横で、
劉備がのほほんと口を開く。
劉備
「城主は、夏侯惇殿が好きだからな」
城主
「わぁーーー!劉備、なんで言うのぉ〜」
まさかの爆弾発言に、
城主が叫ぶ。
そして、その声に飛び出してくる武将たち。
張飛
「どうした!?何かあったのか!?」
関羽
「これは、曹操殿。お久しゅうございます」
曹操
「この城主は、面白いな。
わが陣営にこぬか?」
そのスカウトに、
趙雲も現れ、少し場がピリつく。
城主
「え?私城主だから、どこにも行きませんよ」
あっけらかんという城主に、
張飛が笑い出す。
張飛
「だよなぁ!ははは!」
その笑い声で場が和み、
曹操も穏やかに笑い、ゆっくりとお茶を飲む。
リアン
「ねえ、城主。
夏侯惇、ひと言も喋ってないよ?
話さなくていいの?」
城主
「無理無理無理!
緊張して、話せない!」
そう言って、柱の陰に隠れる城主。
夏侯惇用に良い茶を用意して、
座布団お日様に干してフカフカにして、
縁側ピッカピカにしたけど、
ーー話せない城主。
◆◇その日の城主の日記◆◇
今日夏侯惇が来た。
(曹操様も来てた🤣)
おいしそうにお茶飲んでくれて、
縁側に静かに座ってた。
ずっとここにいてくれないかなぁ。
……ムリだなぁ。
あの人、曹操様、大好きだから。
曹操様をここに頻繁に呼べばいいのでは!?
いや、ピリつくなぁ。
仕方ない。
夏侯惇は心のシャッターに収めとこ。
そして、ここに記録だけしておこう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ーー後日、
城主
「ちょっと、司馬懿!
もしかして私の日記、熟成庫に入れた!?」
司馬懿
「……」
城主
「ねえってば!」
司馬懿
「……」
司馬懿足を速める。
城主小走りでついていく。
城主
「ねえ、聞こえてる?」
司馬懿
「……クッ。心のシャッター……」
城主
「絶対入れたぁ〜」
そう言いながらも、楽しそうに笑う城主。
その城主、実は縁側でこっそり
夏侯惇の座ってた座布団に座っていた。
武将たちは微笑ましく影から見守るが、
司馬懿は絵にして、保管。
気づいた城主が司馬懿にまとわりつく。
城主
「ねえ、もう一枚描いて!
保管用と、観賞用にするから!」
でも、司馬懿は描いてくれなかった。
なぜならあの瞬間の城主の表情は、
その時、一回限りのものだったからだ。
曹操と夏侯惇は帰っていった。
今日も城は通常運転。
平和な日常を過ごしている。
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