春を探しにきた鬼
春とやらを探しに来たんじゃが、どこにおるんじゃろうなぁ。
見つけたら妻として連れ帰るつもりじゃが、隠れおったか。
なんでも、春というのは美しくて儚くて、麗らかで日溜まりのような、それでいて柔らかでさわやかなんだそうだ。
ワシの妻に相応しいかどうかは別にしても、このようなステキな女性には一度お目に掛かってみたいと思い、わざわざ出向いたというに、見当たらんわい。

「お~い、そこな村人」
「わたくしですかな? 鬼さまがわたくしになにか御用で?」
「春とやらを探しておるのだが、どこに行けば逢える?」
「春でございますか?」
「そう春じゃ」
「春ならそこら中にございますが」
「そこら中? 春とは人の名ではないのか?」
「この晴やかな景色をごらんなさい、これが春というものですよ」
「なるほど、いくら探そうが逢えぬはずじゃ。しかし、これでは地獄に連れ帰れぬなぁ」
「毎年春になれば、お仲間とご一緒に来られればよろしかろうに」
第44回 3つのお題(日本むかし話)
お題②:「春を探しにきた鬼」
お題④:イラストから空想した世界を書いて下さい。
みかんさん お世話になります。
よろしくお願いします。
スガシカオ / ハチミツ
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