海と喪失と、アートプロジェクトの話
私は海が好きです。
少し怖い。でもその怖さごと、知らない世界に飛び込むような感覚があります。魚や珊瑚を眺めながら、頭皮が火傷するくらい夢中で潜ってしまいます。
先月、「デスフェス」という“死を考える”イベントで、精神科医の森川すいめいさんと少しだけお話をし、SNSも交換しました。彼は最近、沖縄の宮古に滞在されていたようで、「自殺希少地域」に関するリサーチをしていたそうです。
私も、今年の夏こそ南の海へ行きたいと思っています。時間もお金もあまりないので、2泊3日が限界かもしれませんが、少しだけ背伸びしてリゾートホテルでゆっくり過ごそうかと考えていました。けれど、リゾート地にはどこか「夢の国」のような空虚さも感じてしまいます。せっかくなら森川さんのように本当の声が聞こえるような活動をしてみたい──そう思いながらも、結局は休養を選んでしまうかもしれませんが。
「本当の声」といえば、私はいま、《喪失と再生》をテーマにしたアートプロジェクトの参加者を募集しています。
当初は、喪失の当事者の方と、表現したいと感じているセミ・アーティストの方、2方向に向けて呼びかけようと考えていました。2月の展示に参加してくださった榎本八千代さんや篠塚ハル美さんのように、喪失をきっかけに表現したくなる方も多いのではと感じていたからです。しかし今になって思うのは、喪失の痛みを人前で語ったり、作品として発表したりするには、それ相応の時間と準備が必要だということです。ましてや「みんなの前で作品にする」なんてことは、喪失とじっくり向き合った末にようやくできることなのだと、改めて感じました。
ですので現在は、「何かを表現したいけれど、まだうまく言葉にならない」という方々に向けてアプローチする方向に、少しずつ舵を切っています。それでも、その中に眠っている何かが、制作を通じて引き出されるかもしれません。
とはいえ、応募はまだゼロです。
質問こそ来るものの、いまだに応募者はゼロで。昨年のクラウドファンディングの失敗が頭をよぎる。展示の会場は押さえてしまった。
「最悪、個展に切り替えかな」なんて、弱気になる日もあります。
それでも、誰かが自分自身と向き合いながら、小さな一歩を踏み出すきっかけになることを信じて、もう少し粘ってみようと思っています。
■《Void Arts Project 2025》展の参加者募集(6月7日締切)
https://voidarts.org/
まずは気軽に参加できる、体験型ワークショップもあります
5/24(土)16:00〜「喪失地図を作ろう」
https://voidart0524.peatix.com/view
5/31(土)16:00〜「死に際して大事にするのは?」
https://voidart0531.peatix.com/view
