見出し画像

六月のぶりぶりぎっちょう/万城目学【読書記録】─ 想像と現実が交差する、京都という街の魔法

✳︎衣咲(えさき)です

京都を舞台に、現実と空想が自然に入り混じる万城目学まきめまなぶさんの物語。

八月の御所グラウンド』に続く今作も、やっぱり不思議で、くすっと笑えて、少し胸があたたかくなる一冊でした。
現実の街と物語の世界が交差するような感覚。その余韻に浸りながら、この作品をもう一度、味わい直しています。

Instagramの投稿

万城目学が描く、“ありそうで、ありえない”京都

『六月のぶりぶりぎっちょう』は、直木賞を受賞した『八月の御所グラウンド』に続く新作。
読んでいてまず思うのが、「京都ならこういう不思議、ほんとに起こりそう」という感覚です。
万城目さんの描く京都には、どこか現実味があるのに、明らかに普通じゃないことが日常のように紛れこんでいます。

今回も、誰もが知っている「あの人」や「あの人」が登場し、「そう来るか!」と意外な展開に引き込まれます。
タイトルの「ぶりぶりぎっちょう」、初めは万城目さんのユーモアかと思ったのですが、実は歴史ある言葉だそう。
言葉遊びのようで、しっかり裏づけがあるのも、万城目作品の奥深さですね。

前作とのつながり、シリーズとしての魅力

『八月の御所グラウンド』『十二月の都大路上下(カケ)ル』、そして今作。
作中にはこれらの作品との“つながり”を感じさせる描写が随所に散りばめられていて、ファンとしてはたまらない部分。
あ、あの人がここにも登場するのか、とか。
この出来事、あの作品と時間軸がリンクしている? とか。
前作を読んでいればこそわかる小ネタのような繋がりが、より世界観を深めてくれます。

タイトルに月名が入っているこのシリーズ、
「八月」「十二月」「六月」「三月」ときているので、まだ出ていない月が気になるところ。
全6冊になるんじゃ…? と勝手にシリーズ化を期待してしまいます。

京都の風景と物語がリンクした瞬間

そして、これは個人的な出来事ですが──
先日、職場の同僚と街で食事をするために三条へ。
夕暮れどき、三条大橋を渡るときにふと、「あの人たち、もしかしてここにいるんじゃないか?」と思ってしまったんです。
もちろんフィクションなのですが、物語が息づいているような京都の空気が、その日いつもより濃く感じられました。

物語の中の京都と、現実の京都。
その境界がふっとゆるむ瞬間があるから、万城目作品は読み終えてからも長く心に残るんだと思います。


🎧読後におすすめのPodcast

【本の話ポッドキャスト】
「著者が語る」シリーズで、万城目さんが『八月の御所グラウンド』について語っている回もおすすめです。

作者ご本人の言葉を聴くことで、物語の背景や意図がぐっと立体的になりますよ。


#六月のぶりぶりぎっちょう
#万城目学

京都の奇跡、ふたたび。奇妙、珍妙、でも感動!マキメ・ワールド最高潮!!その死体は信長ー密室殺人事件に巻き込まれた私は、うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう…。洛中女子寮ライフー14回生以上との噂のある、女子寮の“お局様”の正体は!?京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇。

内容紹介(「BOOK」データベースより)

過去の【読書記録】はこちら


短歌も投稿しています

過去の【my tanka】はこちら


# #本好きな人と繋がりたい #本のあるくらし
#
読書 #読書が好き #読書好き #読書記録


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集