布団を洗ってスフィンクスを撫でてみたい男
京都・宮津にある小さなクリーニング屋には、
二つの願いがある。
ひとつは、
「布団を気持ちよく洗って、快適に寝てほしい」
という、至って真面目な仕事のポリシー。
もうひとつは、
「いつかエジプトに行って、スフィンクスを撫でてみたい」
という、なぜそこに行き着いたのか自分でもよく分からない野望。
✨ ✨
✨布団を一枚洗うたびに、✨ ✨
✨少しずつエジプトに近づくとしたらどうだろう✨
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宮津市からエジプト・ギザまでの直線距離は約9,250km。
布団一枚の長さは約2メートル。
計算してみると、
約462万5千枚の布団を洗えば辿り着けるらしい。
「目標は高いほどいい」
誰かが言っていた。
たぶん『そういう事じゃない!』とツッコミを入れられるだろう。
根が単純な俺は、
「よし、462万5千枚洗おう」
と、わりと軽い気持ちで決めた。
もちろん、
今日洗った布団でエジプトが見えるわけではない。
でも、確実に一枚分、近づいている。
たぶん。
かくして、
布団を洗いながらスフィンクスを目指す、
世界で一番遠回りな旅が始まった。
【ギザまで、後462万5千枚。】

