コンビニエンス・ガール
僕は3ヶ月間、今勤めている会社の子会社に出向する事になった。
短い期間ではあるのだが、その子会社のある場所は今僕が住んでいるところとは逆方向だ。僕は車通勤だが、僕の勤める会社は東京方面に向かって約40分くらいのところにある。子会社は反対方向に約1時間。今居るところよりもさらに田舎へと行く事になるのだ。
まあ、それも良い。のんびりとした田園風景の中で車を走らせる。気分的には気楽なものだ。それに走行距離としては随分とあるのだが、渋滞は無く、思ったよりも早く到着できる。
しかしながら僕にとっては、一つだけ不便な事があった。それは昼食の事だ。
会社の規模が小さいから、希望する社員には仕出し弁当が手配された。だけど僕は、いつもパンを食べる。
そう、僕はパン食派なのだ。ご飯なんかこの世の中に存在しなくたって生きて行ける。できればご飯の存在しない外国で暮らしたい、なんて思っているくらいだ。まあそれは大げさな言い方だとしても、ともかくランチだけは、パンじゃなくちゃ我慢ができない。
僕の今勤めている会社の近所には、おいしいパン屋さんがあり、僕は毎日そのパン屋さんの焼きたてのパンを楽しみにしていたのだ。しかしながら出向先の会社のそばにはパン屋さんが無い。
これは僕にとっては大問題だった。何はなくても、パン屋が無いなんて、とっても信じられない。なんてこった。まったく不幸としか言いようが無い。でも解決策があった。
それは、コンビニエンス・ストアの存在だった。幸い通勤途中の国道に、コンビニエンス・ストアがあり、僕はそこでパンを購入して会社に向かうことにする。
コンビニエンス・ストアに置かれているパンは、パン屋さんに比べれば少しばかり味が落ちる。それでもそのコンビニエンス・ストアには、僕がまあまあ満足できるレベルのパンが揃っていた。これは本当にラッキーと言えるだろう。
まさにコンビニエンス!
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甘野ショーツ vol.1
甘野充のショートストーリーから10作品をセレクト。 ときどき作品が入れ替わります。 どきどきします。
言葉だけでは伝わりません。 コメントはチップとともに。 「謎解きはディナーの後に、みたいに言うな!」
