見出し画像

こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
「笑顔工学」についてはこちらの記事をご覧ください。

自社で利用するシステムの開発を
すべて外注先に丸投げする、という会社が多くあります。

しかしながら、これは、
毎日の食事をすべて外食にするようなものだと私は思います。

もちろん、外食は便利です。
プロが作る料理は格別ですし、
自分で材料を買い、調理し、片づける手間もありません。
忙しいときには、とても助かります。

システム開発も同じです。
専門家に依頼すれば、早く形になることがあります。
自社にない知識や技術を補ってもらうこともできます。
難しい部分を任せられる安心感もあります。

ですから、外注そのものが悪いわけではありません。

問題は、全部を丸投げしてしまうことです。

人を呼ばないと味付けできない

毎日外食していると、ある程度は満足できます。

しかし、少し味を薄くしたい。
今日は野菜を多めにしたい。
体調に合わせて油を少なくしたい。
子ども向けに辛さを抑えたい。

そう思うたびに料理人を呼ばなければならないとしたら、
どうでしょうか。

ちょっとした調整なのに、時間がかかります。
説明しなければ伝わりません。
お願いするたびにお金もかかります。

システムも同じです。

この項目を少し変えたい。
帳票の順番を入れ替えたい。
この確認作業を省きたい。
このデータを別の見方で見たい。

こうした小さな改善のたびに、
外注先に説明し、見積を取り、日程を調整し、修正を待つことになります。

それでは、会社の動きは遅くなります。

現場の小さな違和感は、すぐに整えたほうが良いのです。
その積み重ねが、仕事のしやすさをつくり、
お客様への価値を高めていきます。

全部素材から作るのは大変

ただし、ここで大切なのは、
内製化を「全部自分たちで作ること」と誤解しないことです。

毎日の食事を考えても、すべてを素材から作るのは大変です。

野菜を洗う。
肉や魚を下ごしらえする。
出汁を取る。
調味料を合わせる。
火加減を見る。
片づける。

これを毎日完璧にやろうとしたら、続きません。

だから、惣菜を買うこともあります。
冷凍食品を使うこともあります。
カット野菜を使うこともあります。
レトルトや市販のだしを使うこともあります。

それは手抜きではありません。

限られた時間の中で、家族や自分に合った食事を整えるための知恵です。

システムも同じです。

すべてをゼロから開発する必要はありません。

Google Workspaceを使う。
Notionを使う。
kintoneを使う。
既存のクラウドサービスを使う。
AIを使う。
テンプレートを使う。
外部の専門家が作った仕組みを一部取り入れる。

これらは、いわば惣菜や冷凍食品です。

大切なのは、それをそのまま並べるだけで終わらせないことです。

自社の業務に合わせて、少し味を整える。
現場の流れに合わせて、組み合わせる。
必要なところだけ手を加える。
足りないところを補う。

これが、現実的な内製化だと思います。

自炊できる会社は、変化に強い

これからの会社には、「自炊できる力」が必要です。

ここで言う自炊とは、すべてのシステムを自社でゼロから作ることではありません。

日々の業務を自分たちで理解する。
データの流れを自分たちで把握する。
小さな改善を自分たちで試す。
既存のツールやAIを使って、現場に合う形に整える。

そういう力です。

Googleスプレッドシートを少し工夫する。
フォームで入力を集める。
AIに業務整理を手伝わせる。
簡単な自動化を試す。
帳票を現場の声に合わせて見直す。

これは、毎日を支える家庭料理に近いものです。

豪華ではないかもしれません。
完璧ではないかもしれません。
でも、自分たちの体に合っています。
今日の体調に合わせて、すぐ変えられます。

会社にとって大切なのは、この感覚です。

自分たちの仕事を、自分たちで味見できること。

これが、デジタル時代の内製化の本質だと思います。

料理がうまいことと、飲食店を開くことは違う

もう一つ、勘違いしてはいけないことがあります。

自炊ができるようになったからといって、
飲食店を開けるわけではありません。

家庭料理がうまいことと、
飲食店を経営することは違います。

飲食店には、衛生管理があります。
仕入れがあります。
原価計算があります。
人の採用と教育があります。
安定して同じ品質を出す仕組みがあります。

システムも同じです。

社内で小さな改善ができることと、
本格的なシステムを安全に設計し、運用し、
事業として提供することは違います。

セキュリティ。
バックアップ。
権限管理。
障害対応。
法令対応。
保守体制。
長期的な設計。

これらは、やはり専門家の力が必要です。

だから、内製化とは「外注をやめること」ではありません。

自分たちで味を見る力を持ったうえで、
プロに任せるところを正しく任せること
です。

丸投げではなく、共同調理する

これからのシステム開発は、
外注か内製かの二択ではありません。

大切なのは、共同調理です。

会社は、自分たちの業務の味を知っています。
現場の困りごとをすぐにキャッチできます。
お客様との関係を知っています。
何を大切にしたいかを知っています。

外部の専門家は、技術を知っています。
設計の要諦がわかります。
安全な運用を知っています。
他社の事例や落とし穴を知っています。

この両方が合わさると、良いシステムになります。

逆に、会社が何も考えずに
「おいしいものを作ってください」と丸投げすると、
見た目はきれいでも、
現場の体に合わないシステムができてしまうことがあります。

機能はたくさんある。
画面も立派。
でも、現場では使いにくい。
少し変えるにもお金がかかる。
結局、誰も続けられない。

これは、とてももったいないことです。

AI時代は、会社が台所に立てる時代

AIやノーコード、ローコードの進化によって、
会社は以前より簡単に「台所に立てる」
ようになりました。

専門的なコードを書けなくても、業務を整理できます。
AIに相談しながら、
帳票や画面の案を考えることもできます。
簡単な自動化なら、現場主導で試すこともできます。

ただし、台所に立てるようになったからといって、
何でも自分で抱え込む必要はありません。

冷凍食品をうまく使う。
惣菜を組み合わせる。
プロの料理を取り入れる。
自分たちで最後の味を整える。

この感覚が大切です。

AI時代の内製化とは、
全部を自分で作ることではありません。

既にあるものを賢く使い、
自社に合う形に整える力
です。

経営者は、味の責任者である

最終的に、会社のシステムの味を決めるのは
経営者です。

どんな業務を大切にするのか。
どこまで効率化するのか。
どこに人の温かさを残すのか。
どの情報を見えるようにするのか。
どんな働き方を実現したいのか。

これは、外注先だけでは決められません。

外注先は料理を作ってくれるかもしれません。
クラウドサービスは便利な材料を提供してくれるかもしれません。
AIは下ごしらえを手伝ってくれるかもしれません。

しかし、何をおいしいと感じるか。
誰に食べてもらいたいか。
どんな食卓にしたいか。

それは、会社自身が決めることです。

だからこそ、経営者はシステムを
他人事にしてはいけないのです。

プログラムを書ける必要はありません。
しかし、自社の業務の流れ、自社のデータ、自社の現場の困りごとには関心を持つ必要があります。

それが、デジタル時代の経営責任だと思います。

自分たちで味を見て、プロとつくる

システムを外注に丸投げするのは、毎日すべてを外食にするようなものです。

便利ではあります。
しかし、自分たちの体に合った味にはなりにくい。

一方で、すべてを素材から作る必要もありません。

惣菜を使っていい。
冷凍食品を使っていい。
便利な道具を使っていい。
プロの力を借りていい。

大切なのは、最後に自分たちで味を見ることです。

何が合っているのか。
何が重たいのか。
何を変えたいのか。
何を守りたいのか。

その感覚を持ったうえで、専門家と一緒につくる。

丸投げではなく、共同調理する。

これからのDXは、そういう形になっていくのだと思います。

自分たちで味を見られる会社は、強い。
既にあるものをうまく使える会社は、賢い。
必要なところでプロの力を借りられる会社は、もっと強い。

システムは、会社の食事です。

毎日食べるものだからこそ、誰かに任せきりにするのではなく、自分たちの手と舌と心で、ちゃんと味を見ていきたいものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を少しでも良いと思っていただいたら「♡」を押して応援お願いします!noteのアカウントが無くても押せますので、気軽に押していただければ助かります!私の笑顔の画像が出ます(笑)

もちろん、フォロー、フィードバックなどをいただければ、さらに喜びます。よろしくお願いします!

いいなと思ったら応援しよう!