こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
「笑顔工学」についてはこちらの記事をご覧ください。
私は「千年企業」を研究しています。
永続する仕組みを有する企業のことを「千年企業」と呼んでいます。
永く続くことに大きな価値があり、
その価値を、情報技術も活用しながら、
どのように創造していくのか、ということが
私の使命と思い、活動をしています。
さて、千年企業について考えるときに、
どうしても「何を残すか」という話になりがちです。
理念を残す。
技術を残す。
信用を残す。
文化を残す。
もちろん、それは大切です。
しかし私は、何を捨てるか、も、とても大切だと考えます。
千年企業は、何も変えずに残り続ける企業ではありません。
本当に残すべきものを残すために、
変えるべきものを変え、
手放すべきものを手放してきた企業なのだと思います。
私はこれを、会社の「代謝」と呼びたいと思います。
人間の身体は、同じ自分でありながら、日々入れ替わっています。
古いものは排出され、新しいものが取り込まれ、
血液が巡ることで健康が保たれます。
これを医学用語では代謝と呼びます。
会社も同じです。
働く人は変わります。
お客様も変わります。
道具も変わります。
社会の常識も変わります。
それでも、その会社らしさが残っていきます。
50年も経てば、会社のすべての人が入れ替わります。
それでも同じ会社として生き続けることが
千年企業の智慧です。
中小企業の現場には、長年使われてきた帳票、
Excel、紙の書類、会議、独自ルールがたくさんあります。
それぞれには、できた当時の理由があります。
誰かが困らないように、ミスを防ぐために、現場が回るように、
その時に最適なものを選択していった経緯があります。
ですから、古いものを単純に否定してはいけません。
しかし、最初は人を助けるために作った仕組みが、
いつの間にか人を縛るものに変わってしまうことがあります。
確認のための確認。
誰も見ていない資料。
意味が曖昧な入力項目。
責任を避けるためだけの承認。
こうしたものが積み重なると、会社の動きは少しずつ重くなります。
DXとは、単に新しいシステムを入れることではありません。
会社の中に溜まった詰まりを見つけ、
流れを良くすること
でもあります。
大切なのは、古いものを捨てる前に、感謝することです。
「今まで会社を支えてくれてありがとう」
「この仕組みのおかげで助かった時代があった」
「でも、これからは別の形にしていこう」
この順番があると、変革は冷たいものではなくなります。
捨てることは、否定ではありません。
本当に大切なものを未来に残すための、温かい決断です。
データも同じです。
売上データ、顧客データ、勤怠データ、業務記録。
データは経営の大切な資産です。
しかし、溜めるだけでは価値になりません。
見ないデータ。
意味が不明なデータ。
重複したデータ。
判断に使われないデータ。
それらが増えると、会社は賢くなるどころか、迷いやすくなります。
データ駆動型経営とは、何でも数値化することではありません。
見るべきものを見えるようにし、見なくてよいものを整理することです。
千年企業は、古い会社ではありません。
むしろ、若返り続ける会社です。
過去に感謝しながら、未来のために変わる。
伝統を守りながら、時代に合わせて形を変える。
人を幸せにするために、仕組みを入れ替える。
経営者の仕事は、会社の流れを見ることです。
情報は流れているか。
感謝は流れているか。
学びは流れているか。
人の想いは滞っていないか。
会社にも、代謝があります。
この視点を持つことで、
DXも、組織改革も、人材育成も、
もっと温かく、本質的なものになるのではないでしょうか。
変えることは、壊すことではない。
捨てることは、忘れることではない。
本当に大切なものを未来に残すために、
今日、少しだけ会社の流れを良くしてみる。
そこから、千年経営は始まるのだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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