AIで「自分の分身」を作ると、仕事が変革する
こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
「笑顔工学」についてはこちらの記事をご覧ください。
生成AIを仕事で使う、というと、
多くの人は文章作成や調べものを思い浮かべるかもしれません。
メールの文章を整えたり、企画書のたたき台を作ったり、
アイディアの壁打ち相手になったりと、
これだけでも十分便利です。
しかし、生成AIの本当の価値は、
もう少し先にあると感じます。
それは、AIを使って「自分の分身」をつくることです。
分身とは、何でもできるロボットではない
ここで言う分身とは、
人間の代わりにすべてを判断してくれる存在ではありません。
自分の仕事の一部を、同じような考え方で、
何度も、早く、正確に手伝ってくれる小さな仕組みのことです。
たとえば、
毎日見るCSVを読み込んで、必要な数字だけ集計してくれる。
Googleスプレッドシートに入力内容を自動で追記してくれる。
条件に合った行だけを拾い出して、メールで知らせてくれる。
日報や売上データを、担当者別・商品別・日付別にまとめてくれる。
毎回手作業で作っていた資料を、自動で整えてくれる。
こういう小さなプログラムや自動化は、まさに「自分の分身」です。
自分が毎日やっていた確認や転記や集計を、
簡単に、自動的にやってくれる仕組みを、AIを活用して作ることで、
仕事は大きく変革していきます。
小さな分身が、現場の時間を取り戻す
仕事の中には、
「人間が本当にやるべきこと」と
「できれば仕組みに任せたいこと」があります。
お客様の話を聴く。
社員の不安に気づく。
現場の違和感を受け止める。
新しい分野に参入することを考える。
人と人の関係を深める。
これらは人間がやるべきことでしょう。
一方で、転記、集計、並べ替え、確認、通知、
定型資料の作成などは、できるだけ仕組みに任せた方が良い仕事です。
ところが多くの現場では、
この「任せたい仕事」に人間の時間が取られています。
だから、人間が、
人と向き合う時間がなくなり、考える時間がなくなり、
改善に手が付けられなくなっていきます。
そこで、AIで小さな分身をつくるのです。
分身が手作業を減らしてくれれば、
人間は人間にしかできない仕事に戻れます。
AIコーディングで、分身づくりが身近になった
以前は、こうした小さな仕組みを作るにも壁がありました。
プログラミング言語の知識や、ツールの知識が必要でした。何かうまく動かないときは、自分で対処法を調べて解決する必要ががありました。外注すると時間とお金もかかってしまいました。
その結果、「面倒だけど手作業でやる」が続いてきました。
しかし、生成AIの登場で、この状況は大きく変わっています。
Claude CodeやOpenAI Codexのような
AIコーディングエージェントを使えば、
自然な言葉で頼むことができます。
「このCSVを読み込んで、担当者別に集計する仕組を作ってください」
「このスプレッドシートに、フォームの回答を自動で追記するプログラムを作ってください」
「未対応の行があったら、毎朝メールで通知するような仕掛けを作ってください」
「日報データを月別・商品別に集計してグラフ表示するExcelマクロを作ってください」
こう頼めば、AIがコードのたたき台を作ってくれます。
場合によっては、ファイルを編集し、修正し、
テストの補助までしてくれます。
これは、非常に大きな変化です。
プログラムを書ける人だけが改善できる時代から、
「こうなったら助かる」と考えた人が、
自分の分身を作れる時代に入りつつあるのです。
ただし、分身に責任まで渡してはいけない
ここで、絶対に忘れてはいけないことがあります。
AIが作ったプログラムは、必ず人が確認する、ということです。
これは鉄則です。
AIは便利です。かなり動くものも作ってくれます。
しかし、AIは責任を取りません。
最終的に動作確認をするのは人間です。
テストデータで確認するのも人間です。
本番で使うかどうかを判断するのも人間です。
何かあったときに責任を引き受けるのも人間です。
特に、金額、契約、個人情報、医療、介護、安全、品質に関わる処理は慎重に扱わなければなりません。
AIが作ったから大丈夫。
一度動いたから大丈夫。
それっぽいから大丈夫。
これは危険です。
AIで分身を作ることは、責任を手放すことではありません。むしろ、自分が責任を持つ範囲を明確にしたうえで、任せられる仕事を任せることです。
このようなレビューのときには、専門家の活用も考慮に入れると良いと思います。ゼロから専門家に頼むより、かかる費用は1桁少ないはずです。
分身が増えると、経営者の仕事も変わる
AIで分身を作ると、経営者や管理職の仕事も変わります。
今までは、目の前の処理に追われていたかもしれません。
数字を集め、資料を作り、状況をを確認し、報告をまとめ、各所に同じような説明をしていっていましたが、こうした仕事の一部を分身に任せることができれば、経営者は本来の仕事に戻れます。
すなわち、人を見ること、現場を見ること、未来を考えること、方針を決めること、仲間の可能性を引き出すこと、お客様に向き合うこと、などに時間が使えるようになるのです。
私は、ここにAI時代の大きな可能性があると思っています。
すなわち、AIは、人間を不要にするものではありません。
人間が人間らしい仕事に戻るための道具なのです。
まとめ
AI時代の仕事術は、ただAIに質問することだけではありません。
自分の仕事を見つめ直し、繰り返し作業を見つけ、
小さな分身を作り、人が確認し、
少しずつ改善していくことがポイントです。
大きなことをいきなりしようとしては、
うまくいきません。
まずは、小さな分身を作れるということを知って、実践してみることです。
これだけで、仕事の景色が変わってくるものです。
AIで経営は変わります。
AIで仕事も変わります。
しかし、AIが勝手に変えてくれるのではありません。
現場を良くしたいという思いや、人を大切にする姿勢、責任を引き受ける覚悟、小さく試して改善する実践、というものを、まずは経営者自身が持ち、組織に関わる皆が持つ状態であることが前提で、
そこにAIが加わったとき、仕事は大きく前に進むのです。
AIで「自分の分身」をつくるというのは、人間が人間らしい仕事に戻るための、新しい一歩なのだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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