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こんにちは、「笑顔工学」の専門家、木村光範です。
「笑顔工学」についてはこちらの記事をご覧ください。

最近、情報は「読むもの」というより、
食べるものに近いのではないかと思うようになりました。

私たちは毎日、スマートフォンを開き、
ニュースを見て、SNSを眺め、動画を少し見て、AIに質問をします。

そのたびに、頭の中に情報を入れています。

これは、食事とよく似ています。

身体に入れるものが体調をつくるように、
頭と心に入れる情報が、その日の気分や判断をつくっていきます

だから、情報をたくさん持っている人が賢いのではなく、
情報をどう食べているかが、
その人の知性や人柄に表れる時代になっているのだと思います。

味の濃い情報ほど、つい食べたくなります

食べ物には、味の濃いものがあります。

しょっぱいもの、甘いもの、脂っこいもの、刺激の強いものは、
身体に良いかどうかとは別に、つい手が伸びてしまいます。

情報にも、味の濃いものがあります。

怒りを誘う情報。
不安を煽る情報。
誰かを悪者にする情報。
「これを知らないと損をする」と迫ってくる情報。

こういう情報は、とても強い味がします。

そして、人間の脳はこの強い味に反応しやすいようにできています。

前回の記事でも、ネガティビティ・バイアスについて紹介しました。

怒りの感情が喜びよりも伝わりやすいということは、
人間が危険を早く察知して生き延びるために
身につけてきた反応でもあります。

つまり、ネガティブな情報に引っ張られるのは、
意志が弱いからではありません。

人間として自然な反応が、
現代の情報空間では少し効きすぎてしまっている
のです。

前回の記事では「言葉をどう整えるか」について書きましたが、
今回はその前段階として、「どんな情報を自分の中に入れるか」について、
もう少し考えてみます。

AI時代は、情報の味付けがうますぎる

ここにAIが加わると、さらに面白くもあり、少し怖くもあります。

AIは文章を整えるのが得意です。

わかりやすくすることもできますし、
やわらかくすることもできますし、
反対に、もっと強く、もっと刺さるように、
もっと反応されるようにすることもできます。

つまりAIは、情報の味付けがとても上手なのです。

「もっと目を引く見出しにしてください」
「もっと強い表現にしてください」
「もっと拡散される投稿にしてください」

そう頼めば、AIはそれらしい言葉をすぐに出してくれます。

しかし、ここで気をつけなければならないのは、
おいしそうに見える情報が、必ずしも心に良い情報とは限らない
ということです。

毎日、味の濃い情報ばかり食べていると、
知らないうちに心の味覚が鈍くなります。

普通の言葉では物足りなくなり、
穏やかな意見では刺激が足りなくなり、
誰かを責める言葉に慣れてしまいます。

これが、AI時代の情報の怖さだと思います。

情報は、よく噛まないと消化できません

食事では、よく噛むことが大切です。

よく噛むことで、味がわかり、身体に負担をかけずに消化できます。

情報も同じです。

見た瞬間に反応して、すぐに飲み込んで、すぐに誰かへ渡してしまうと、その情報が自分の中で消化される前に広がってしまいます。

だから、ネガティブな情報ほど、少しだけ噛んだほうがよいです。

これは本当に事実なのか。
誰が言っているのか。
一次情報はあるのか。
自分は事実に反応しているのか、感情に反応しているのか。
この情報を共有したあと、人は前に進めるのか。

こう考えることは、情報を疑うことではありません。

情報を大切に扱うことです。

噛まずに飲み込むと、身体に悪いことがあります。

考えずに受け取ると、心にも悪いことがあります。

AIは料理人ではなく、毒見役にもなります

AIに文章を作ってもらうことは便利です。
しかし、それだけでは、AIに味付けを任せきりにしてしまいます。

むしろ大切なのは、AIを毒見役として使うことです。

この文章は煽りすぎていませんか。
事実と推測が混ざっていませんか。
誰かを必要以上に悪者にしていませんか。
もっと落ち着いた表現にできますか。
読んだ人が不安になるだけで終わっていませんか。

こう聞くと、AIは文章の温度を少し整えてくれます。

AIに「もっと強く」と頼む人は多いと思います。

でも、これから本当に大切なのは、
AIに「もっと信頼される言葉にして」と頼むこと
ではないでしょうか。

情報の偏食は、人間関係も偏らせます

食べ物の偏食が身体に影響するように、
情報の偏食は人間関係に影響します。

自分と同じ意見ばかり見ていると、
自分と違う意見の人がだんだん理解できなくなります。

誰かを責める情報ばかり見ていると、人を信じる力が弱くなります。

怒りの情報ばかり見ていると、
日常の小さな幸せに気づきにくくなります。

これは、かなり怖いことです。

なぜなら、情報の偏食は、
自分ではなかなか気づけないからです。

食事なら、身体が重い、胃が疲れる、体調が悪いという形で
気づけることがあります。

でも情報の場合は、いつの間にか言葉がきつくなり、
表情が硬くなり、人との会話が攻撃的になってから気づくことがあります。

だからこそ、情報にもバランスが必要です。

自分に近い意見だけでなく、少し違う意見も見る。
怒りの情報だけでなく、温かい情報も入れる。
速い情報だけでなく、ゆっくり考えられる本や対話にも触れる。

これは、AI時代の健康管理なのだと思います。

情報を食べたあとは、どんな顔になっているかを見ます

私が一番大切にしたいのは、ここです。

ある情報を見たあと、自分はどんな顔になっているのか。

眉間にしわが寄っているのか。
誰かを責めたくなっているのか。
不安だけが増えているのか。
それとも、少し考えが深まり、次の一歩が見えているのか。

情報の価値は、知識量だけでは決まりません。

その情報を食べたあと、
自分がどんな人間になっているか
が大切です。

怒りは速く届きます。
不安も速く広がります。
でも、信頼はゆっくり育ちます。

だからこそ、私は速く広がる情報だけを追いかけるのではなく、
食べたあとに心が整う情報を大切にしたいと思います。

AI時代に必要なのは、情報をたくさん集める力だけではありません。

情報を選び、噛み、消化し、人を笑顔にする形で出していく力です。
それが、これからの時代の「情報の食べ方」なのだと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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