見出し画像

たびごころ。〈静岡〉雨の修善寺

旅立つほんの一週間ほどまえに、実家に立ち寄ったときのこと。

「温泉行きたい」

母が言ったか、わたしが言ったか覚えていないが、温泉好き一家なので季節問わず大概だれかが同じ言葉をつぶやいている。
遠出をするほどには休めず、近場でどこかいいところはないかとぼんやりスマホを眺めているときに思い浮かんだのが修善寺。

わたし自身は修善寺に一度も行ったことがなかったのだが、両親が以前に泊まって気に入ったと言っていた宿があったことを思い出した。
父はちょうど友人との旅行予定が入っていたようで、珍しく母とふたりの旅行になった。

たまたま土日だけぽっかりと宿が空いていたので、即予約。
こうして、一週間後に一泊温泉旅行があっという間に決まった。

梅雨シーズンなので覚悟はしていたけれど、土日の天気は両日ともに雨。
幸いだったのは、真夏日ではなかったこと。
特に土曜日はずいぶん過ごしやすい気温だった。

今回はいつものように写真多めに加えて、ちょっと頑張って調べた解説付き(といっても参照サイトから引っ張ってきただけ)。写真だけさらっと見てもよし、気になる方は修善寺のサイトで見るもよし、です。

東京駅から修善寺まで

電車で行く場合、新幹線を使うか特急踊り子号を使うかのどちらかになる。
今回は修善寺まで乗り換えなしで行ける特急踊り子号を選択。
東京駅→修善寺駅まで一本で、修善寺駅からはバスで修善寺温泉駅まで10分ほど。

さて、その修善寺温泉のバス停からてくてく歩いていくと、しいたけ(どんこ)を売っているお店があり、さっそく母がふらふらと吸い寄せられてお買い上げ。
そしてその近くに、日枝神社を発見。

日枝神社

日枝神社

修禅寺の東隣にある静かな佇まいの神社。鳥居をくぐるとマキ、ケヤキ、スギの見事な老大樹が一本ずつ並び、参道をおおっています。ケヤキの巨木の根元には信功院跡の表示と石の庚申塔がひっそりと、源範頼の悲劇の跡をしのばせます。
 境内には県の天然記念物に指定されているイチイカシの巨木と、二本の杉の間を通ると子宝に恵まれるという言い伝えがある樹齢800年の「子宝の杉」があります。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

境内には夫婦杉もあったが、全体的にこじんまりとした雰囲気を受ける神社。

写真からもわかるように、どんより曇り空(雨はパラパラ降ったりやんだり)
修善寺近くの渡月橋(とげつばし)
渡月橋から見た虎渓橋(こけいばし)
土曜日だけどそれほど人はおらず

お昼時だったから、どこかで食べようかと探しているところに修善寺が見えてきたので、寄り道。

修善寺

修禅寺

弘法大師空海が大同2年(807年)に開基したと伝わる古刹。源頼家が幽閉され非業の死を遂げ、岡本綺堂の戯曲「修善寺物語」で有名になった頼家ゆかりの古面や、北条政子が寄進した放光般若波羅密教などが宝物館に納められています。

【修禅寺の変遷】
鎌倉初期になって建長年間(1250年頃)に蘭溪道隆(臨済宗鎌倉建長寺開山の宋禅僧)が住し、桂谷の風致が支那の廬山に似ているところから当時は肖廬山と号した。 南北朝時代の康安元年(1361年)になって畠山国清と足利基氏との戦禍を受け、応永9年(1402年)には火災を蒙り、永徳元年(1489年)に至り、韮山城主の北条早雲が外護者として再興し、叔父の隆溪繁紹(遠州石雲院)が住して曹洞宗に改宗され山号も福地山と改められ今日に至る。
宝物館(瑞宝蔵)には修禅寺物語ゆかりの古面などが展示。
手水場は龍の口から温泉が流れる。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より
初・修善寺
晴れていたらなぁ
この手水舎、温泉なのです
あったかい!

独狐とっこの湯

独鈷の湯 (入浴不可)

諸国を行脚中の弘法大師が、桂川で病父を洗う少年を見て心うたれ、独鈷杵(仏具)で川の岩を打ち霊湯を湧出させ、父子に温泉療法を伝授したという、修善寺温泉発祥の湯です。
※独鈷の湯は、法律にのっとった浴場ではありませんので入浴できません。
※足湯としてもご利用できません。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より
独狐の湯の奥に見えるのは、本当に入れる足湯
今は入浴禁止
弘法大師かな?
手にしているのが独狐のようだ

手打ち十割そば 胡々ここ

いくつかお蕎麦屋さんがあり、うろうろと探していたところに発見した胡々さん。ちょうど入れそうだったので、しばし待つ。
この斜め向かいにも蕎麦屋さんがあり、こちらは行列していた。

十割そば
お塩で食べるそばがとてもおいしかった

竹林の小径

満腹になったところで散策再開。
このお店の写真のちょうど右側に竹林につながる道があり、そのまま進む。
色々なところに標識が立っているので迷わずに済むのがありがたい。

わたしは知らなかったのだが、修善寺といえば竹林も有名らしく、ここはそれなりに人がいた。とはいっても、京都や鎌倉ほどの人ではないけれど。

竹林の小径

温泉街の中心部を流れる桂川に沿う遊歩道。とっこの湯から続く小径を歩いていくと、茶処や昔懐かしい火の見櫓が散策する人々の目を楽しませ、竹林の中央では大きな竹製の円形ベンチで風を感じることが出来ます。日没後はライトアップされ、夜の散策も堪能できます。
(平成9年度都市景観最優秀賞受賞)

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より
人がいない瞬間をパチリ
濡れていなかったら座って景色を眺めたかった
まだ若い竹なのか、皮が残っている
これを見た母、「あら、お洋服着てるわね」
お 洋 服 着 て る わ ね!?
初めて聞く表現だ(笑)

楓橋かえでばし

このnoteを書くにあたって調べて初めて知ったのだが、修善寺にかかっている橋には恋にまつわるご利益があったらしい。

恋の橋めぐり

修善寺温泉を流れる桂川にかかる5つの橋には、それぞれに恋にまつわるご利益があるといわれています。願いをかけながら橋を渡って、想いを成就させて下さい。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より
緑の中の楓橋
赤い橋と緑って相性がよくて好き
橋の赤がとても映える

ちなみに、竹林の小径の途中にはしゅぜんじ回廊というギャラリーがある。
わたしが行った時は、独狐の湯の歴史を綴った写真が飾られていた。
いつのものか分からないほど古い写真もあり、上に載せたようなきちんとしたものではなく、川のど真ん中に、申し訳程度の立板だけがあるなかで入浴している写真だった。
当時は混浴が当たり前だったのかは分からないが、いまの感覚からすると信じられない。ちょっとびっくりな光景であった。

調べてみると、季節によっても飾られる写真が違うようだ。

しゅぜんじ回廊

竹林の小径の途中にある和風ギャラリーです。年間を通して修善寺の歳時記の写真展など、修善寺ゆかりの企画展が開催されています。散策時にはぜひ御立ち寄りください。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

指月殿しげつでん

旅館に入れるのは15時。
まだ時間があるしということで、マップに書かれていた場所を巡ってみることにした。その一つがこの指月殿。
「しづきでん」かと思っていたら「しげつでん」だった。

指月殿

修禅寺に対面した鹿山の麓に位置する指月殿は、北条政子が息子・頼家の冥福を祈り菩提所として建立したものです。数千巻の経文を寄進し菩提を弔ったといわれていますが大半は散失し、現存するものはわずか8巻。そのうちの第23巻が静岡県指定文化財として修禅寺宝物館に置かれています。
この建物は伊豆最古の木造建築といわれており、本尊の釈迦如来像は、禅宗式という珍しい形で、持物のないはずの釈迦像が右手に蓮の花を持っているのが特徴です。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

わたしは歴史はさっぱりなのだが、母が詳しいので解説を聞き流しながら写真を撮っていく。

雨の日だからか、より湿度が濃く、静かだった

この指月殿の境内には、源頼家の墓と十三士の墓がある。
なんとなく写真を撮る気にならなかったのは、どちらもあまりに悲しいお話だったからかもしれない。

源頼家の墓

指月殿境内に頼家の墓があります。父頼朝の後を継いで、18歳で鎌倉幕府の二代将軍になった頼家は、やがて政争に巻き込まれ修禅寺に幽閉された後、北条時政の手により23歳という若さで、当時修禅寺門前の虎溪橋際にあった筥湯で暗殺されました。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

十三士の墓

源頼家の墓の側に十三士の墓があります。源頼家の家臣十三人が、頼家が殺された6日後に再起を期して謀叛を企てたものの、挙兵前に発見され殺されたと伝えられ、その家臣の霊を祀ってあるといいます。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

そういえば、源頼家の墓のそばに「お伺い石」というものが置かれていて、想いを込めて持ち上げてくださいとあった。
軽く感じたら想いが伝わると言われており、重く感じたら改めて願いが叶うように指月殿に祈願してくださいとのことだった。

意を決して持ち上げたところ──、とても重かった(笑)
残念。

湿気が多い土地なのか、苔がすくすく成長している
夜になると竹林のライトアップをしているようだが、夜にここにくるのは少し怖いかもしれない

泊まれる廃墟 ぐんじょう

さて、梓月殿から修善寺の方へ戻ろうと、来た道とは違う道から降りていくことにした。すると、何やら通り抜けられそうな場所を見つけて、面白そうなので入ってみる。

鰻屋さんとカフェの看板らしきものが見える
人っこ一人いなかったのだが、雰囲気はとても好き
振り返ると屋根から垂れ下がる緑
たくさん咲いていた花
ペラペラヨメナというらしい
なに、その可愛い名前

あとから調べて知ったのは、この場所が「泊まれる廃墟 ぐんじょう」ということ。廃旅館が素泊まりの宿として生まれ変わったそうだ。

吊るされていたランプが素敵
青い壁が印象的だった
わたしが撮っている場所のちょうど右側には焙煎体験のできるコーヒー屋さんがあった
空いていたのは天気が悪かったせいかな?
坂の少し下から見上げるように撮ったこの写真はお気に入り
梓月殿から桂川と独狐の湯が見える広場へと戻ってきた
独狐の湯公園だったようだ
ネジバナがたくさん咲いていて、つい何枚も撮る
名前の通り、ねじねじしてて可愛いお花だ
さて、戻ってきた
チェックインまでまだ少しあるからお土産さがし

今回のお宿 新井旅館

両親が昔泊まったことのあるという新井旅館。
とくに天平風呂というお風呂が有名とのことで楽しみにしていた。昔ながらの旅館な佇まいで、とても立派だったし、居心地もとても良かった。

温泉もお庭もとても素敵。

旅館の入り口
斜めっているのは気にしない
入ってすぐに見えるお庭
吹きさらしなので真夏と真冬は辛いかもしれない
まあ伊豆はあたたかいというから、案外行けるかもしれない
なにもあげなくても、ただ立っているだけで寄ってくる錦鯉たち(笑)
廊下も雰囲気があってよい
お部屋に行く途中にあるお庭
この写真とをっているこの場所から、鯉に餌をあげられる(このそばに100円で売っている)
2階から
廊下
落ち着く

お風呂は全部で6つ。
そのうちの1つは有料の貸し切り風呂。
男女入れ替え制で、それぞれ時間が決まっているので、さっそくご飯前に入れるお風呂をハシゴ。
でも、時間が合わずに一つ入りそびれてしまった。

夜の廊下
宿泊者はたくさんいたはずなのに、とても静かだった
夜から雨が強くなりはじめる
誰もいないのをいいことに写真を撮りまくる

晴れていれば竹林のライトアップや、その近くの赤蛙公園で行われていたほたるの夕べに行きたかったところだったが、夜になるにつれて雨足はかなり強まってきて、出かけられる雰囲気ではなかったため断念。

今回泊まったお部屋は、ちょうど川と竹林が見えるところだったので、遠目から楽しんだ。

翌日

わたしは気づかなかったが、夜中はかなり雨の音がしていたようだ。
(基本的に一度寝るとちょっとやそっとの物音では起きない人間)

午後には晴れるとの予報だったが、残念ながらお昼頃の電車で帰る予定だったから晴れ間は期待できなさそうだ。

雨が降った翌日の朝
濁流になっとる

朝風呂に行き、チェックイン間際までお宿でごろっとする。
いい宿に泊まる時はアクティブよりも宿で過ごす時間を多めに取る。贅沢な時間という感じ。
11時にチェックアウトして、日持ちしないお土産を買いがてら、ちょっとだけ散歩。

昨日写真を撮っていて良かった
濁流具合がすごい

今回は入らなかったが、日帰り温泉の筥湯はこゆというのが近くにある。
また来たときに行ってみたいところ。

筥湯(はこゆ)

伊豆最古の温泉場として栄えてきた修善寺温泉。
かつては河原沿いに7つの外湯があり、それぞれが浴客で賑わっていましたが、 昭和20年代には『独鈷(とっこ)の湯』だけとなっていて、往時を偲ばせるのみとなってしまいました。

この筥湯は、再び修善寺温泉でお客さまに外湯めぐりをしてもらい、大いに温泉を楽しんでいただこうと、高さ12mの仰空楼(望楼)を併設して造られました。

修善寺温泉 外湯『筥湯(はこゆ)』を存分にお楽しみください。

『筥湯』とはその昔、鎌倉幕府二代将軍源頼家が入浴していたという伝説の温泉です。
内風呂のみで、極めてシンプルですが、檜造りの浴槽からは溢れる温泉に檜の香りがいっぱい・・・。
晴れた日には、天窓から光のシャワーがキラキラと降り注ぎます。
ゆったり のんびりと温泉情緒をお楽しみ下さい。

修善寺温泉サイト(https://www.shuzenji-kankou.com/enjoy.html)より

隣接している仰空楼ぎょうくうろうにも登ってみた。
前日の雨で、足元が濡れていたから写真は撮っていないけれど、晴れていたらもっと綺麗な修善寺の景色が見られただろうなと思う。

この仰空楼は、修善寺を愛した文豪・夏目漱石の漢詩にちなんで、その漢詩は修善寺自然公園の夏目漱石文学碑の碑文にもなっているそうだ。

旅の終わり

一泊2日の旅行というのはあっという間で、すぐに終わってしまう。
残念だけど、また来ようという気持ちにもなる。

土日なのに人が少なかったのはたまたまなのか、熱海に人が取られているからなのかは分からないが(熱海で降りていく人の量がえげつなかった)、これくらいのんびりできるほうが個人的にはありがたい。

お昼頃出発する電車だったので、お昼ご飯は車内で食べる。
修善寺駅のそば(ちょうど電車の写真の右側)に、「武士たけしのあじ寿司」というお店があり、そのあじ寿司が本当においしかった。
これもまた食べたいご飯のひとつとなった。


今回、調べながら書いていたこともあって、解説付きな旅写真となったが、すごく長くなってしまったから、次からはもっと考えよう(笑)

初めて修善寺に訪れたが、ここは温泉をゆっくり楽しみたいな、という人に向いている場所かなと思う。
アクティブに動き回りたい、色々体験したいよりも、時間をゆるっと使って宿でまったりというのが心地いい。修善寺は秋が人気だそうだから、その時期も気になるところ。

というわけで、ここまで読んでくれた人がいたならば、本当にありがとうございます。
久しぶりの温泉旅はゆっくりまったり癒し旅でした。
次はどこへ行こうかな。

いいなと思ったら応援しよう!

mitsuki sora よろしければ応援お願いします。 いただいたチップは写真を撮るときの活動費に使わせていただきます!