演奏してみる前に時間を知りたい|演奏時間を理論計算するExcelツールを作りました
コンクールや演奏会では、演奏時間が重要になる場面があります。
特にコンクールでは制限時間が決まっているため、
「この曲は実際に何分くらいかかるのか」
「カットしたら制限時間に収まるのか」
「複数曲を続けて演奏したら合計で何分になるのか」
といったことを、選曲や構成を考える段階で確認したくなることがあります。
もちろん、最終的には実際に演奏して時間を測る必要があります。
ただ、毎回最初から通して演奏しないと時間が分からないのは、なかなか大変です。
そこで今回は、小節数とテンポから、理論上の演奏時間を計算する方法をまとめます。
あわせて、私が作成した 演奏時間計算用のExcelツール についても紹介します。
演奏時間は理論上計算できる
演奏時間は、ざっくり言えば次の式で計算できます。
演奏時間(秒)
= 小節数 × 1小節あたりの拍数 × 60 ÷ テンポ
たとえば、次のような曲があるとします。
4/4拍子
120小節
テンポ ♩=120
4/4拍子なので、1小節は4拍です。
この場合、
120小節 × 4拍 × 60 ÷ 120 = 240秒
となります。
240秒は、つまり
4分00秒
です。
このように、テンポと小節数が分かれば、実際に演奏する前でも理論上の演奏時間を出すことができます。
ただし、これはあくまで「理論上の時間」
ここで出る時間は、あくまで理論上の時間です。
実際の演奏では、
フェルマータ
rit.
accel.
曲間
指揮者の間
テンポの揺れ
最後の余韻
などによって、時間は変わります。
そのため、この計算は「実測の代わり」ではなく、
選曲・カット・構成を考えるための目安として使うのがよいと思います。
Excelで簡易計算ツールを作る
ここでは、まず一番わかりやすい
4/4拍子・♩基準 の簡易版を作ってみます。
4/4拍子で、テンポが ♩=〇〇 の場合は、1小節を4拍として計算します。
Excelには、次のような項目を用意します。
項目/内容
曲名:曲名や番号を入力します
テンポ/BPM:♩=120 なら「120」と入力します
小節数:曲や区間の小節数を入力します
追加秒:フェルマータや曲間などを加算します
理論秒数:Excelの式で自動計算します
表示時間:〇分〇秒の形で表示します

ここに、テンポや小節数を入力していきます。
理論秒数を計算する式
4/4拍子専用の簡易版であれば、計算式はとてもシンプルです。
小節数 × 4 × 60 ÷ テンポ + 追加秒
たとえば、Excelで次のようなセルを使うとします。
セルの内容
B5:テンポ/BPM
B7:小節数
B10:追加秒
B12:理論秒数
この場合、B12には次の式を入れます。
=IF(OR(B5="",B7=""),"",B7*4*60/B5+IF(B10="",0,B10))この式では、テンポや小節数が空欄のときは何も表示しないようにしています。
追加秒が空欄の場合は、0秒として扱います。

秒数を「〇分〇秒」で表示する
理論秒数が出ても、秒数だけでは少し分かりにくいです。
たとえば、240秒と表示されるよりも、
4分00秒と表示された方が直感的に分かります。
そこで、表示時間のセルには次の式を入れます。
=IF(B12="","",INT(B12/60)&"分"&TEXT(MOD(B12,60),"00")&"秒")この式を使うと、B12に240と出ている場合、
4分00秒
と表示されます。

複数曲の合計も出せる
同じ仕組みを横にコピーすれば、複数曲の演奏時間も計算できます。
たとえば、
1曲目
2曲目
3曲目
4曲目
5曲目
のように横に並べて、それぞれの理論秒数を出します。
そのうえで、合計欄に次のような式を入れます。
=SUM(B12,D12,F12,H12,J12)これで、複数曲の合計秒数を出すことができます。
さらに、合計秒数も「〇分〇秒」に変換すれば、全体の演奏時間が見やすくなります。

4/4拍子だけなら、この方法で十分使える
ここまでの方法で、
4/4拍子・♩基準の曲 であれば、Excelで理論上の演奏時間を計算できます。
特に、
だいたい何分くらいか知りたい
カット案を考えたい
コンクールの制限時間に収まりそうか確認したい
複数曲の合計時間をざっくり見たい
という場面では、かなり便利です。
6/8拍子や付点基準になると少し複雑
ただし、実際の楽曲では4/4拍子だけではありません。
特に注意が必要なのが、6/8拍子です。
6/8拍子の場合、テンポの基準によって計算が変わります。
拍子テンポ表記1小節のカウント6/8♪=12066/8♩.=1202
同じ6/8拍子でも、
8分音符基準なのか、付点4分音符基準なのかで、1小節の数え方が変わります。
そのため、6/8拍子や付点4分音符基準まで正確に扱おうとすると、
「テンポ基準」を考慮した計算が必要になります。
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