【タフティ】という巨大な概念ーー著者インタビュー「あとがき」から読み解く
今回は、ヴァヂム・ゼランドの「タフティ」についてのインタビューをご紹介します。
昨年末に、このnoteで2009〜2010年の著者インタビューを4回に渡りご紹介し、その後、全文翻訳をニュースレターで配信してきました。その配信が先日一区切りとなり、次は「タフティ」に関するインタビューの翻訳を連載としてお届けする予定です。
(前の連載を読んでいない方でも、こちらは独立して読んでいただける内容ですのでご安心ください)
※インタビュー記事をまとめたマガジンはこちら↓です
今回はその連載に先だって、インタビュー本文ではなく「あとがき」を先にご紹介したいと思います。
なぜ先に「あとがき」なのか
このタフティ・インタビューは
・ゼランド公式サイト(オリジナル)
・トランサーフィン・センターのサイト(再編集・加筆あり)
の両方に掲載されています。
編集者名や媒体などの記載がないため、書籍出版後におそらく大量に寄せられたであろう質問に対して、ゼランド側が整理・回答するというかたちでまとめられ、公式サイト上で公開されたものと考えられます(時期は2017年後半〜2018年)。
※ちなみに、著者ではなくタフティ自身への質問は、2019年刊行の書籍『О чем не сказала Тафти(タフティが語らなかったこと)』にまとめられています。
ここで注目すべきは、後から公開された「センター版」のみに追加された「あとがき」の存在です。
「あとがき」で何が語られているのか
公式サイト版には存在しないこの「あとがき」でゼランドは、タフティという存在について、非常に踏み込んだ説明をしています。
具体的にはーー
・タフティの「アバター」という概念
・タフティ動画シリーズの制作秘話
・タチヤナ・サマリナとタフティの関係性
・タフティの情報を受け取る「チャネル」について
ーーといった内容です。
タフティという存在は、その性質上、解釈が先行しやすく、誤解や過剰な意味づけが生まれやすい領域でもあります。この「あとがき」は、そうした状況に対して、ゼランド自身が一定の整理と境界線を与え、読者の理解を導くためのものだと考えられます。
これは、あくまで私なりの解釈ですが、インタビュー本文に入る前にまず読んでおく価値があると判断した理由のひとつです。
これから始まるニュースレターでの連載や、ニュースレター読者でない方にも、タフティ関連の書籍・動画・コンテンツを、より深く受け取っていただくための「補助線」として、まずはこの「あとがき」の翻訳・解説から始めていきたいと思います。
「※」をつけたパラグラフが「解説」の部分です。
あとがき…
ヴァヂム・ゼランドからのメッセージ
タフティのアバター
親愛なる読者の皆さまへ
タフティの動画・シーズン第1期(первый сезон видео Тафти)が終了しました。多くの方が、誰がタフティ役を演じたのかを当てました。ただし、当てられなかったことがあります。それは、この役が演じられたものではなかった(НЕ СЫГРАНА)ということです。タフティを演じることは不可能です――それはすでに検証済みです。同じように、タフティ自身なしに『タフティ女神官(Тафти жрица)』や『女神官イトファト(жрица Итфат)』を書くことも不可能です。
※タフティの動画「シーズン1」
下記リンク先のYoutubeチャンネル【Тафти Итфат】で公開された動画シリーズで、エピソード1〜10(各10分前後)あります。書籍の重要ポイントを抜粋し、タフティが語る形式の動画シリーズです。全編ロシア語ですが、雰囲気を感じるだけでも十分に価値があります。(エピソード10のみ英語字幕版があります)
※「演じた(のではないが)」のは、タチヤナ・サマリナ(前回の記事でも触れた、トランサーフィン・センター創設者で主任講師)
※その後、シーズン2も作成されていて、そちらは書籍『タフティ2 出来事のコントロール』からの内容。トランサーフィン・センターのYoutubeチャンネルにアップされています。
※『タフティ女神官(Тафти жрица)』:タフティシリーズの1作目。日本語版は「タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド」
※『女神官イトファト(жрица Итфат)』:小説版タフティ。メタリアリティ世界でタフティや仲間たちが、「現実」の正体を求めて冒険する物語。
(この2冊は、名前もタイトルも「鏡」になっています。)

リハーサルでは、タチヤナ・サマリナは何もうまくできませんでした。しかし本番撮影の瞬間が訪れたとき、私たちは本物のタフティ(НАСТОЯЩАЯ ТАФТИ)を目にしたのです。まるでタフティ自身が来て、アバター(аватар)のようにタチヤナの中に入ったかのような感覚でした。撮影チーム全員が、この現象に文字通り圧倒されました。
撮影中ずっと、私たちは何か魔術的な儀式に参加しているような感覚を抱いていました。それも、演出ではなく本物の儀式です。すでに撮影された映像では、私たちが体験していたあの雰囲気――まるで聖なる儀式の中にいるような状態――を伝えることはできません。私たちは魅了されたようにタフティを見つめていました。そして彼女自身も、ある種のトランス状態にあったようです。
なぜこのようなことが可能なのでしょうか。それは、タフティが作り話の人物ではないからです。紀元前10世紀、彼女はエジプトのイシス神殿の女神官(жрица храма Изиды в Египте)でした。彼女の生没年(紀元前970年ー911年)さえ知られています。古代の写本のどこかに彼女の記録が残っているかもしれませんが、私はそのような資料にアクセスできません。私が持っているのは、タフティのチャネル(канал Тафти)だけであり、そこから情報が来るのです。
私はタフティと口頭で会話することはできません。しかし、感情的な接触はあります。たとえば、彼女が世に出る前、自分がどのように受け止められるかについて非常に心配していたことを私は知っています。そして今も、誤解や拒絶に直面すると心を痛めています。どのような方法で彼女が情報を伝えているのか、私自身にも分かりません。これもまた一種のトランスです。
※аватар:アバター
「アバター」という言葉は本来、神が地上に現れる「化身(具現)」を指す宗教的概念ですが、現代では、仮想空間における「操作主体の表現」という意味でも使われています。
ゼランドにとってのアバターとは、「高次の知性が、この世界の物理法則に干渉するために借りている、実体を持ったインターフェース」を指します。「タチヤナ=タフティそのもの」という素朴な一体化ではなく、タチヤナという人間を、後述する「連結の環(связующее звено)」として使い、タフティの持つ知識・概念を私たちの現実に「降ろしている」状態、と解釈するのが最も的確でしょう。
※жрица:жрец(生贄(いけにえ)を捧げて儀式を行う)祭司 の女性形
辞書では上記のような説明です。キリスト教的な聖職者ではない、古代の宗教における神への奉仕者という意味です。
日本語で表現するにはなかなかぴったりくる一語がないな…ということを、読み始めたときからずっと感じていて、note記事で触れる時にも、表記のゆれがありました。今回、改めて訳語を検討してみて、語義や歴史的な整合性、そしてわかりやすさも考慮して、今後は「女神官」に統一して表記していくことにしました。(出版されている日本語版では「巫女」となっています)
※храм Изиды:イシスの神殿
ここで言及される「イシス」とは、古代エジプトにおいて広く崇拝されていた女神であり、母性・再生・魔術といった性質を併せ持つ存在です。イシス信仰はエジプト国内にとどまらず、後の時代には地中海世界にも広がり、比較的長い期間にわたって影響を持ち続けました。
※канал Тафти:タフティのチャネル
「канал(英語のchannelに相当)」という言葉を出していますが、ゼランドは情報の受け取り方について明確な説明はしておらず、「何が起きているのか自分でも説明できない」と繰り返しています。

本は二冊ともトランス状態で書かれました(И обе книги писались в трансе)。私の理性だけでは、あのようなものを創り出すことはできなかったでしょう。私はこれらの本を見ると、それらが自分によって書かれたという感覚がありません。
※писались в трансе:トランス状態で書かれた
「(私が)書いた」ではなく、受動態の意味になる再帰動詞〔писаться〕を使って「(本が)書かれた」と表現しています。
タフティについて今お伝えできるのは、ここまでです。重要なのは、彼女が今も何らかの不可解な形で存在しているということです。本当に。どのような形で、どの世界に存在しているのかは、推測することさえできません。そのようなことは、私たちの理解や知覚の外にあります。
「なぜタチヤナなのか?」という疑問を抱く人もいるでしょう。答えは、「タフティ自身が彼女を選んだから」です。女優ではこの「役」は務まりません。これは単なる役ではありません。「知識」を導き、伝える能力が必要です。さらに、二人にはどこか似ているところがあり、捉えがたい共通性があります。タチヤナのタフティとのつながりは、私よりも強く現れているほどです。これは事実です。
私はタフティのチャネルを通じて情報を受け取ります。そしてタチヤナは、タフティが私たちの世界と接触できるための連結の環(связующее звено)となっています。タチヤナがタフティの状態に入るとき、タフティが彼女の中に入り、タチヤナはある種の具現化――アバターとなるのです。
※связующее звено:連結の環
・связующее:繋ぐ、連結する
・звено:①(鎖の)環 ②構成部品、一環 ③(組織の)最小単位、班
この表現のポイントは「架け橋」的な存在ではなく、連なった「鎖」の一つの「環」だと言っている点です。単なる媒介・通路ではなく、構造の一部として組み込まれている、関係性の中に組み込まれた接続点というニュアンスがあります。タチヤナが「タフティと現実世界をつなぐ存在」として、構造的に機能している、「通訳」や「代弁者」ではなく、「接続そのもの」を担う“リンク”であるということを言っています。

もっとも、日常のタチヤナはまったく別人であり、それは二枚の写真を見ればわかります。しかし、タフティもまたさまざまな側面を持っています。彼女の性格(характер)は、書籍『女神官イトファト』(2018年2月前半刊行予定)で最もよく表現されています。
※характер:性格
カタツムリたちを教え導く辛口な女神官ではなく、迷ったり恐れたり喜んだり優しかったりする人間らしいタフティの姿が読めるのが、小説版タフティ『女神官イトファト』です。
ニュースレターでは、公式版ゼランドインタビュー【書籍「タフティ女神官」について】の翻訳をお届けしていきます。
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noteでは次回から、じぶんトランサーフィン«Трансерфинг себя»に戻り、【第3章:効果的な動き】の続きを読んでいきます。
※以前、ゼランドが「日本でのタフティ現象」について触れたSNS投稿(を公式サイトに再掲したもの)を翻訳・解説しました。これは2025年1月の投稿ですが、誤解や批判的な意見に対しての著者の回答は一貫していますね。↓この記事ではタフティをメリー・ポピンズに例えてみるという新しい比喩が登場していて興味深いです。
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