【モーツァルト作品編曲】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事ではモーツァルトに関連する次の曲を紹介します。
「ドン・ジョヴァンニ」の回想 - 大幻想曲 (モーツァルト) S.418
モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を基にしたリストのオペラファンタジーの代表作のひとつで、演奏される機会も多い。作家バーナード・ショーも非常に高く評価していた。1841年作。
演奏しているのはグリゴリー・ギンズブルグで、こちらは通常多くの演奏家が演奏するバージョン。ロシアの高名なピアノ教師ゲンリヒ・ネイガウスはこの曲について「ギンズブルグは例外として、自動演奏ピアノでなければ誰もミスなしでは演奏できないであろう」と言っている。
「ドン・ジョヴァンニ」の回想 - 大幻想曲 (モーツァルト) 〔完全版〕 S.418
同曲には1877年に書かれた追加パッセージがある。ここでのニコライ・ペトロフはそれらの加筆を含めた完全な形で演奏している。
システィーナ礼拝堂にて - アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス 〔第1稿〕 S.461i
ワイマールのゲーテ=シラー・アルヒーフに所蔵されている「システィーナ礼拝堂にて」の未発表の草稿。1862年作。第2稿とかなりの違いがみられる。ここでマーティン・カズンが演奏しているのはレスリー・ハワード校訂版。
システィーナ礼拝堂にて - アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス 〔第2稿〕 S.461ii
フランツ・リストがシスティーナ礼拝堂で聴いた2つモテットを基に作った作品。1862年作。グレゴリオ・アレグリによるミゼレーレ(神よ、我を憐れみ給え)とモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス(めでたし、まことの御体よ)による。ミゼレーレを主題とするパッサカリアとアヴェ・ヴェルム・コルプスのトランスクリプションを織り交ぜた作品。ちなみに門外不出だったアレグリのミゼレーレが外部に漏れたのは当時14歳だったモーツァルトが耳で覚えて持ち出したから。管弦楽稿(未出版)、ピアノ連弾稿、オルガン稿あり。ちなみにチャイコフスキーは自身の「管弦楽組曲 第4番 モーツァルティアーナ Op.61」の第3曲にて、このリストの編曲版を基に管弦楽編曲している。
演奏はヴァレリー・トライオン。
アヴェ・ヴェルム・コルプス (モーツァルト) S.461a
リストはモーツァルトのモテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(めでたし、まことの御体よ)を単独でも編曲していた。およそ1861年頃作曲。
演奏は藤田真央。
「レクイエム」の主題による2つのトランスクリプション (モーツァルト) S.550
モーツァルトの「レクイエム」のセクエンツィアの最終2楽章のトランスクリプション。1865年初版。
第1曲 コンフターティス・マレディクティス S.550/1
「コンフターティス・マレディクティス」(呪われたる者どもを罰し)のトランスクリプション。
演奏はイレーネ・ルッソ。
第2曲 ラクリモーサ S.550/1
「ラクリモーサ」(涙の日)のトランスクリプション。ラクリモーサは完成せず、ジュースマイヤーがモーツァルトの死後に補筆した。
演奏はイレーネ・ルッソ。
「フィガロ」と「ドン・ジョヴァンニ」の主題による幻想曲 (モーツァルト) 〔ハワード補筆版〕 S.697
モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」の素材を使用したオペラファンタジー。1842年作。未完成だったためレスリー・ハワードが補筆し完成させた。
演奏はマリアム・バタシヴィリ。
その他
アルバムの綴り "ああ、ママに言うわ" S.163b
有名なフランス民謡の旋律を使用した楽想。日本ではキラキラ星として有名。
「ドン・ジョヴァンニ」の回想 〔2台ピアノ稿〕 (モーツァルト) S.656
リストによる「ドン・ジョヴァンニの回想」の2台ピアノバージョン。1877年に初版。
演奏はマルタ・アルゲリッチとミシェル・ベロフ。
「魔笛」より二人の兵士の歌 "苦難をもってこの道を来たるもの" (モーツァルト) S.634a
ピアノ連弾作品。アメリカ議会図書館に所蔵されているこの曲の自筆譜にはタイトルも日付も書いていない。
演奏はレスリー・ハワードとフィリップ・ムーア。
「ドン・ジョヴァンニ」の回想 〔ブゾーニ批判校訂版〕
ブゾーニが1918年に校訂したもの。2台ピアノ稿のパッセージなども参照している。ブゾーニは「ドン・ジョヴァンニの回想」について「ピアニズムの極致としての象徴的重要さがある」と言っている。
演奏はマッティ・ラエカッリオ。
「フィガロの結婚」の2つの動機による幻想曲 〔ブゾーニ編〕
リストによる「フィガロとドン・ジョヴァンニの主題による幻想曲S.697」のドン・ジョヴァンニの部分を大幅に取り除き、ブゾーニがフィガロファンタジーとして再編集したもの。
このエミール・ギレリスによる演奏は、顎が外れそうなほど凄まじい演奏です。
メユールのオペラ「ジョゼフ」のロマンスによる5つの変奏曲 (F.X.モーツァルト) S.747a
以前はリストによるものと思われた作品だが、実際はフランツ・クサヴァー・モーツァルトの作品だと後に判明した。以前はS.147aというサール番号が付けられていた。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・「ドン・ジョヴァンニ」の回想 - 大幻想曲 S.418
・システィーナ礼拝堂にて - アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス 〔第2稿〕 S.461ii
・「レクイエム」の主題による2つのトランスクリプション S.550
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・「フィガロ」と「ドン・ジョヴァンニ」の主題による幻想曲 S.697
それではみなさま良い一日を
