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【行進曲】フランツ・リストのピアノ曲紹介

この記事ではリストの行進曲を紹介します。リストの行進曲はその多くが祝典などの行事のために作られました。


ハンガリー様式の英雄行進曲 S.231

1840年にポルトガル国王のために作られた。交響詩「ハンガリー」の原型。管弦楽稿もあり。ブゾーニ編曲版も存在する。
演奏はトーマス・ウェイクフィールド。


第2ハンガリー行進曲 - ハンガリー突撃行進曲 〔第1稿〕 S.232

「ハンガリー様式の英雄行進曲」の続編として作曲される。1843年作。こちらも管弦楽稿がある。


ハンガリー突撃行進曲 〔第2稿〕 S.524

「ハンガリー様式の英雄行進曲」の続編の改訂稿で、こちらも「第2ハンガリー行進曲」とも言われる。1875年改訂。


英雄行進曲 S.510

リスト自身の男声合唱曲「労働者の合唱」のトランスクリプション。1848年以前に書かれた。ちなみにアントン・ヴェーベルンはその合唱曲を編曲している。


芸術家のための祝祭行進 〔第1稿〕 S.520i

シラー生誕祭に寄せて書いた作品の初稿。1857年か1860年に書かれた。ちなみに祝祭行進とは現代風に言うとパレードのこと。


シラー祭のための祝祭行進 S.520ii

シラー生誕100年祭に寄せて。改訂されたのは1883年。リストはシラーの詩に触発され交響詩「理想」を書いたが、その交響詩の主題も引用している。ちなみにマイアベーアもこの生誕祭に寄せて作品を書いているが、リストはそのマイアベーアの作品もピアノ独奏編曲している。
演奏はセルジオ・モンテイロ。


ゲーテ生誕100年祭への祝典行進曲 〔第1稿〕 S.227

ゲーテ生誕祭のために書いた曲で、通称「ゲーテ行進曲」。1849年作。


ゲーテ祝典行進曲 〔第2稿〕 S.521

ゲーテ行進曲の改訂稿。1857年と1872年に改訂された。管弦楽稿やピアノ連弾など様々な稿あり。


E.Hz.S-C-Gの動機による第2祝典行進曲 S.522

別名「コーブルク祝典行進曲」。1857年作。E.Hz.S-C-Gとはザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンストの略(Ernst, Herzog von Sachsen-Coburg-Gotha)。主題はアマチュア音楽家でもあったそのエルンストII世のオペラ「ディアナ・フォン・ゾーランゲ」より。
演奏はハン・チェン。


忠誠行進曲 〔第2稿〕 S.228ii

ザクセン大公カール・アレクサンダーの就任式のために。1853年から1858年にかけて作られた。旋律の一部をのちに「ワイマール民謡第2番」へ転用する。


巌から海へ! - ドイツ戦勝行進曲 S.229

リストの行進曲の多くは式典用などの何らかの用途があるが、この曲は特に用途はない。およそ1853年から1856年にかけて作られた。


ビューロー行進曲 S.230

リストの弟子ハンス・フォン・ビューローを讃えて。1883年作。曲の内容は大したことない。あるリストの弟子がこれを管弦楽編曲したが、ビューローはそれを演奏することを拒否した。さまざまな稿あり。


ハンガリー急行軍行進曲 S.233

セクサルド出版の依頼で作曲された。1870年作。「ハンガリー快速行進曲」とも訳される。


戴冠式のためのハンガリー行進曲 (1867年6月8日オーフェン=ペシュトにて) S.523

1867年のハンガリーの戴冠式のために着想したものだが、1870年まで完成しなかった。


祝典前奏曲 S.226

リストの自筆譜には「壮大な前奏曲」というタイトルもかかれている。1856年作。アカデミックな行進曲。
演奏はアンナ・マリア・スタンチク。


葬送行進曲 S.226a

父アダム・リストの死に直面した時に作曲された。この作品はブーローニュにて1827年8月30日に書かれたが、これは父の死の二日後にあたる。専門家曰く、英雄的表現はベートーヴェンの影響を覗かせる。


ハンガリー行進曲 S.229a

詳細不明の未出版の小品。1859年作。


戦勝行進曲 S.233a

詳細不明。およそ1870年頃作られたと思われる。ハワードは「リストはこの曲が世に出ることを望んでいなかったのではないか。少なくともこの稿の状態では」と推測している。


ハンガリー行進曲 S.233b

マルリーにて書かれた小品。1844年作。自筆譜はロシアで発見された。研究家たちは主題はリスト自身のオリジナルだと推測している。


騎兵急行行進曲 S.460

何らかの作品のトランスクリプションと思われる。出来の良い曲ではないと思い、後ろめたさを感じながらリストは1870年に出版社へ送った。後世の研究家たちはこの出版譜を見つけることができなかったが、研究家のマイケル・ショートが33年間の探索の末、ニュージーランドのクライストチャーチの図書館で楽譜を発見したとのこと。


2つのハンガリー風行進曲 S.693

ワイマールに保管されているこの作品の自筆譜にはタイトルはない。1840年頃に作られたと推測されている。リストの作品カタログによっては「2つのハンガリー的性格のピアノ小品」とも呼ばれる。1954年にイギリス・リスト協会が初版(その際に第2番はルイス・ケントナーによる演奏会用コーダが付けられた)。「ハンガリー様式の英雄行進曲」と同時期の作品であり、ハワードはこれらとの関連を指摘している。

第1番 S.693/1

レスリー・ハワードの補筆版。


第2番 S.693/2

演奏はフランス・クリダ。


第2番 〔ハワード補筆版〕 S.693/2

レスリー・ハワードの補筆版。



【関連作品】

忠誠行進曲 〔第1稿〕 S.228i

この「忠誠行進曲」のピアノ独奏稿第1稿はフェルッチョ・ブゾーニが管弦楽稿と誤って認定してしまい、リストの作品カタログには登録されなかった。1853年作。この自筆譜はパリのフランス国立図書館に所蔵されている。第2稿では「ワイマール民謡 第2番 S.542ii」の主題と共通のものが現れるが、この第1稿ではその主題はまだない。


ビューロー行進曲 〔草稿〕 S.229b

1883年作。この草稿の自筆譜は乱雑に書かれていて、リストの創作の苦労を示している。内容も良くないとのこと。


アルバムの綴り "行進曲のテンポ" S.167o

リストが他人のために書き留め贈呈した、ちょっとした譜面。1845年作。「ゲーテ行進曲」の旋律を引用している。


ハンガリー - 交響詩 第9番 S.511e

リストの交響詩第9番「ハンガリー」をフリードリヒ・シュピロがピアノ独奏編曲した。その編曲の出版譜にリスト本人が変更を加え生まれ変わったもの。およそ1872年完成。しかしこの稿は未出版に終わった。この稿のホログラムはワイマールに所蔵されている。この第9交響詩の基となった作品はピアノ独奏曲「ハンガリー様式の英雄行進曲 S.231」だが、それだけでなく他のハンガリーに因んだ素材(民謡など)も使用している。 


ワイマール民謡 第1番 S.542i

カール・アウグスト記念碑の定礎式のために作られた合唱曲のピアノ独奏稿。1857年作。合唱曲の詩はコルネリウスによる。


ワイマール民謡 第2番 S.542ii

「忠誠行進曲」の主題を発展させて作った曲。1873年作。


アルバムの綴り "芸術家に寄す I" S.166t/1

原曲の合唱曲「芸術家に寄す S.70」は「シラー祭のための祝祭行進 S.520ii」の関連作品。1870年作。


アルバムの綴り "芸術家に寄す II" S.166t/2

同じく「シラー祭のための祝祭行進 S.520ii」の関連作品。およそ1870年ごろ作られた。



● 楽譜紹介

新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています

・ハンガリー様式の英雄行進曲 S.231
・ハンガリー行進曲 S.233b
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・ゲーテ祝典行進曲 〔第2稿〕 S.521
・戦勝行進曲 S.233a
・ハンガリー急行軍行進曲 S.233
・ビューロー行進曲 S.230
・ゲーテ生誕100年祭への祝典行進曲 〔第1稿〕 S.227

・英雄行進曲 S.510
・忠誠行進曲 〔第2稿〕 S.228ii
・巌から海へ! - ドイツ戦勝行進曲 S.229
・E.Hz.S-C-Gの動機による第2祝典行進曲 S.522
・ワイマール民謡 第1番 S.542i
・ワイマール民謡 第2番 S.542ii
・芸術家のための祝祭行進 S.520
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・戴冠式のためのハンガリー行進曲 (1867年6月8日オーフェン=ペシュトにて) S.523
・ハンガリー突撃行進曲 〔第2稿〕 S.524
・第2ハンガリー行進曲 - ハンガリー突撃行進曲 〔第1稿〕 S.232
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それではみなさま良い一日を



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