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【ハンガリーのロマンツェーロ】フランツ・リストのピアノ曲紹介

この記事ではハンガリーのロマンツェーロを紹介します。


ハンガリーのロマンツェーロ S.241a

タイトルは「ハンガリーの旋律集成」の意。ハンガリーの当時の有名/無名作曲家の舞踏用軽音楽を装飾、和声付けなどを施したもの。1853年作。自筆譜はバイロイトのリヒャルト・ワーグナー博物館に保管されていた。不完全な状態のものもいくつかありレスリー・ハワードが補筆。ピアノ技法の観点で言うと「ハンガリー狂詩曲」はリストの語法満載の作品であるのに対し、こちらはシンプルなアレンジ。ゲーザ・パップが「知られざる徴兵舞曲 - フェレンツ・リストのトランスクリプション "ハンガリーのロマンツェーロ"」という論文を発表し世に知られることになるが、その論文をハワードは高く評価。
演奏は全てウォーレン・リー。ここではハワード校訂版を演奏。

第1番 S.241a/1

アンタル・チェルマークの作った主題による。


第2番 S.241a/2

「チェルマーク」と表示されているが原典は不明。


第3番 S.241a/3

2つの旋律を基にしている。第1旋律はヤーノシュ・ビハーリによるものだが、第2旋律の出典は不明。


第4番 S.241a/4

原典はチェルマークによる民謡のアレンジ。


第5番 S.241a/5

ガーボル・マートライの主題による。


第6番 "大主教即位のために" S.241a/6

ビハーリによる「大主教即位のための旋律」を基にしている。


第7番 S.241a/7

チェルマークによる「ハンガリー緩徐送別歌」で始まるが、後半の原典は不明。


第8番 S.241a/8

ビハーリの旋律「徴兵舞曲」による。リストは初期の作品「ラースロー・ファーイとヤーノシュ・ビハーリによる2つのハンガリー徴兵舞曲 "思い出に" S.241」の第2曲にて同じ旋律を編曲している。


第9番 S.241a/9

チェルマークの旋律による。


第10番 S.241a/10

小型ラプソディー。第1旋律はベーニ・エグレッシの「コルネリアのために」。第2旋律は不明。


第11番 "マコーのチャールダーシュ" S.241a/11

同じくラプソディー形式で、この曲集の中では最大の曲。ヤーノシュ・トラヴニクによる「マコーのチャールダーシュ」に基づいた作品。ただそれぞれの旋律自体はトラヴニクのオリジナルではなく、ハンガリー民謡を基にしている。ちなみに後半部の旋律は「ハンガリー舞曲 第9番」でブラームスが使用している。


第12番 S.241a/12

原典不明。


第13番 S.241a/13

原典不明。


第14番 S.241a/14

ヤーノシュ・ラヴォッタの「パンノニアを求めて」を基にしている。


第15番 S.241a/15

リスト自身の書き込みは「ビハーリ」となっているが、パップによると実際の旋律はマールク・ロージャヴェルジによるものとのこと。


第16番 S.241a/16

ヨーセフ・ゾンブの作品が基になっていると言われているが、詳細は不明。


第17番 S.241a/17

最初の主題はビハーリのもので、後半はヤンチ・ポルトゥラーシュ・ローツィの旋律。


第18番 S.241a/18

原典はビハーリによるものと書かれているが、イグナーツ・ルジッカの旋律によるものと推測されている。



【関連作品】

ラースロー・ファーイとヤーノシュ・ビハーリによる2つのハンガリー徴兵舞曲 "思い出に" S.241

リストがハンガリーにちなんだ主題を素材にした最初期の作品。1828年作。「思い出に」というタイトルをつけられることもあるが、それは自筆譜の最後に「Zum Andenken(思い出に)」と記入されているから。自筆譜が判読困難な状態で、特に繰り返しの指示などがはっきり判明していない。エリーゼ・マッハ版と新リスト全集版の楽譜でかなりの違いがみられる。ここでハワードはそれらを参考にしつつ、自身の見識にしたがい演奏している。

第1番 S.241/1

ラースロー・ファーイの主題による。


第2番 S.241/2

ヤーノシュ・ビハーリの主題による。リストは後年「ハンガリーのロマンツェーロ 第8番」で同じ旋律を使用している。



● 楽譜紹介

新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています


・ハンガリーのロマンツェーロ S.241a (第2、3、5~11番)

・ラースロー・ファーイとヤーノシュ・ビハーリによる2つのハンガリー徴兵舞曲 "思い出に" S.241
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それではみなさま良い一日を



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