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【ロシア関連】フランツ・リストのピアノ曲紹介

この記事ではロシアの作曲家の作品の編曲やロシアに関連する曲を紹介します。


2つのロシアの旋律 (アラベスク) S.250

この2曲は一緒に出版されたが特に関連はない。1842年作。

第1曲 ナイチンゲール 〔第2稿〕 (アリャビエフ) S.250/1

アリャビエフによる歌曲「ナイチンゲール」のトランスクリプション。かつてアンコールピースとしてよく演奏されていたが現在はあまり演奏される機会は無い。タイトルはフランス語風に「ロシニョール」と言ったり、日本語風に「夜鳴きうぐいす」と言うこともある。
演奏はエレーナ・ベクマン=シチェルビナ。


第2曲 ボヘミアの歌 (ブラコフ) S.250/2

原曲はピョートル・ペトロヴィチ・ブラコフという人物の作品らしいが、そのブラコフという人物の詳細は不明。変奏曲形式。
演奏はアレクサンダー・ドッシン。


ナイチンゲール - ロシアの旋律 〔第1稿〕 (アリャビエフ) S.249d

アリャビエフの歌曲の編曲の初稿。第2稿に比べると原曲により忠実。1842年作。
演奏はグリゴリー・ギンズブルグ。


別れ - ロシア民謡 S.251

リストの弟子でロシア人のアレクサンドル・ジロティがリストへ教えたロシア民謡の編曲。この作品はジロティへ献呈。1885年作。
演奏はエルネ・セゲディ。


「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ (チャイコフスキー) S.429

チャイコフスキーのオペラ「エフゲニー・オネーギン」の第3幕のポロネーズのトランスクリプション。1879年作。後進の支援にも余念がなかったリストはワイマールで「エフゲニー・オネーギン」が上演されるよう手配した。
グリゴリー・ギンズブルグの名演でどうぞ。


チェルノモール行進曲 (「ルスランとリュドミラ」より) 〔第2稿〕 (グリンカ) S.406ii

黒魔術師チェルノモールの行進曲。1875年に改訂された。
演奏はイシュトヴァーン・セーケイ。


タランテラ (キュイ) S.482

キュイの書いた管弦楽曲「タランテラ」のトランスクリプション。1885年作。
演奏はイシュトヴァーン・セーケイ。


タランテラ (ダルゴムイシスキー) S.483

ダルゴムイシスキーのピアノ連弾曲「スラヴのタランテラ」の2手用トランスクリプション。リストは単に「タランテラ」というタイトルを付けている。1879年作。
演奏はイシュトヴァーン・セーケイ。


ロシアのギャロップ 〔第2稿〕 (ブルハーコフ) S.478ii

コンスタンティン・ブルハーコフの作品の編曲。第1稿の数ヵ月後にこの第2稿が作られる。1844年作。
演奏はアレクサンダー・ドッシン。


ああ、このままなら! - アントン・ルビンシテインの歌曲 S.554/1

ペルシャの詩人ミルザ・シャフィの詩をルビンシテインが歌曲にしたもの。その歌曲のトランスクリプション。1880年作。その歌曲はドイツ語版もあるがそれをドイツ語訳したのはボーデンシュテット。原曲はオペラ歌手フョードル・シャリアピンの録音で有名になった。
演奏はイシュトヴァーン・セーケイ。


アスラ - アントン・ルビンシテインの歌曲 S.554/2

ハイネの詩にルビンシテインが作曲した歌曲のトランスクリプション。1880年作。アスラとは「アスラ族」という一族の名称。
演奏はイシュトヴァーン・セーケイ。


ルビンシテインの「"間違った音符による" 練習曲 」への序奏とコーダ S.554a

リストサークルの一員だったアントン・ルビンシテインの「間違った音符による練習曲(ハ長調)」に序奏とコーダを付け加えたもの。およそ1880年頃に作られたと推測されている。当初誤って「スタッカート練習曲 Op.23/2」への追加と言及された。未出版であり自筆譜はアメリカ議会図書館に所蔵されている。リストは追加のみではなく、この曲自体の編曲もしようとしていたという説もある。


彼女を愛していた - ロマンス 〔第2稿〕 (ウィルホルスキー) S.577ii

ウィルホルスキーの歌曲の忠実なトランスクリプション。1843年作。ウィルホルスキーはロシアの歌手、作曲家でショパンやリストの知人でもあった。
演奏はプラクセディス・ジュヌヴィエーヴ・フグ。




【関連作品】

「ルスランとリュドミラ」のチェルノモール行進曲 〔第1稿〕 (グリンカ) S.406i

グリンカのオペラ「ルスランとリュドミラ」より。1843年作。最終稿よりこの初稿の方が技巧的に複雑。


ブルハーコフのギャロップ 〔第1稿〕 S.478i

コンスタンティン・ブルハーコフの「ロシアのギャロップ」の編曲の初稿。1843年から1844年にかけて作られた。


彼女を愛していた "ロマンス" 〔第1稿〕 (ウィルホルスキー) S.577i

ミヒャエル・ウィルホルスキーの作品の編曲の第1稿。1842年作。第2稿に比べると過度な装飾がなされている。


彼女を愛していた - ロマンス 〔第1中間稿〕 (ウィルホルスキー) S.577i bis

ウィルホルスキーの「ロマンス」のリストによる編曲は第1稿と第2稿が知られていたが、その二つの稿の間に書かれた中間稿が二つ新たに判明した。こちらはおよそ1842年作。


彼女を愛していた - ロマンス 〔第2中間稿〕 (ウィルホルスキー) S.577i ter

ウィルホルスキーの「ロマンス」のリストによる編曲は第1稿と第2稿が知られていたが、その2つの稿の間に書かれた中間稿が2つ新たに判明した。これはその二つ目で、およそ1843年作。


アルバムの綴り "アジタート" (彼女を愛していた) S.167l

リストが他人のために書き留め贈呈した、ちょっとした譜面。1849年作。ウィルホルスキーのロマンスの旋律を引用している。




【その他】

ボロディンのポルカへの前奏曲 S.207a

ボロディン、リャードフ、キュイ、リムスキー=コルサコフの合作「パラフレーズ:お気に入りの主題と助奏による24の変奏曲と15の小品」というピアノ連弾作品の中にボロディンのポルカがある。そのポルカへリストが変奏曲形式の前奏曲を書き、その曲集に組み込まれる。しかしリストの作曲したこの前奏曲は連弾作品ではなく独奏曲。1880年作。ちなみにその曲集の主題は俗に「チョップスティックス」と呼ばれる。



リヒテルによるチェルノモール行進曲

ロシアで制作されたグリンカの伝記映画にて、ピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルがリスト役で登場し、チェルノモール行進曲を演奏しています。リヒテルは編曲モノを原曲への冒涜として、演奏することを避けていました。リスト作品で言えばシューベルトの魔王を例外的に演奏しています。このチェルノモール行進曲は編曲モノであり、演奏される機会も稀で、そういう意味でもこの映像は貴重。




● 楽譜紹介

新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています

・2つのロシアの旋律 (アラベスク) S.250
・彼女を愛していた - ロマンス 〔第2稿〕 (ウィルホルスキー) S.577ii
・ロシアのギャロップ 〔第2稿〕 (ブルハーコフ) S.478ii
・チェルノモール行進曲 〔第2稿〕 (グリンカ) S.406ii
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・「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ (チャイコフスキー) S.429
・ボロディンのポルカへの前奏曲 S.207a
・ああ、このままなら! - アントン・ルビンシテインの歌曲 S.554/1
・アスラ - アントン・ルビンシテインの歌曲 S.554/2
・別れ - ロシア民謡 S.251
・タランテラ (キュイ) S.482

・タランテラ (ダルゴムイシスキー) S.483

・ナイチンゲール - ロシアの旋律 〔第1稿〕 (アリャビエフ) S.249d
・ブルハーコフのギャロップ 〔第1稿〕 S.478i
※ 楽天リンクはこちら



それではみなさま良い一日を



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